羽菜と雄1

ということで始まりましたよ。第一回は私からです。よろしくお願いします(`・ω・´)

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新年度。
新しいクラス、新しい顔ぶれ。
そして……。

「では次、美化委員ー。やってくれる人ー。」

委員会。
なるべく面倒な役割は負いたくないと、心理戦を繰り広げる者も多いこの決め事の中、元気良く手を上げた女子がいた。

「はいっ。美化委員!美化委員やりたいです!」「あ、はい……お願いします……」

美化委員といえば、校内美化に努める……と言えば聞こえはいいが、要するに普段人が掃除したがらない所を綺麗にする、思いっきり雑用係だ。
特に中庭の手入れは重労働で、土いじりを嫌がる生徒も多く、やりたがる者が少ない。
であるがゆえに、大人しく物静かに見えた女子…羽菜が、目をキラキラさせて挙手したのには、学級委員もクラスメイトも、ちょっと驚いた。

「え、えーと、一応クラスから二人ってことになってるから、誰かもう一人……」

学級委員が気を取り直して声をかけると、我に返ったクラスメイト達が、誰に押し付けようか視線を巡らせ……ていたら、静かに挙手があった。

「あ、えーと……立花、くん。立候補ね。よろしくお願いします。」

黒板に、三島 羽菜(みしま はな)、立花 雄(たちばな ゆう)、と名前が書かれる。

羽菜は満足そうにその名前を見て、ふともう一人の立候補者を見た。
雄は、清潔感を感じさせる程度に切りそろえられた髪、きりっとした目元が印象的だった。
ふと雄がこっちを向きそうな動作を見せたので、羽菜は慌てて視線を外した。

雄が羽菜の方を見ると、羽菜は机の上で組んだ手を見ているところだった。
さらりと流れた髪は肩の辺りで揃えられていて、柔らかい印象の顔立ち。
さっと視線を走らせると、雄は前を向きなおし、ホームルームの進行を見守った。

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