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NGOのインターン目的&目標~留学先の授業で深めたいと思った問い~

現在交換留学中です。今学期履修している授業がきっかけで、深めたいトピックが見つかりました。
それに関連した活動を行う日本のNGOのインターンに応募し採用されたので、今回はその目標を書いておきます。


1きっかけと目的~ethnic minorityの授業を通して深めたいと思った問い~

現在、留学先でEthnicity, identity, and politics in Southeast Asiaという授業を履修しています。
東南アジアは民族的・宗教的に多様で、ほとんどの国が何らかの武力紛争や社会的政治的対立を抱えており、その授業ではそのethnicityとconflictの歴史や要因について学んでいます。
この授業を通して、宗教の自由と過激化対策を人道的に両立させるにはどうすれば良いのかに関心を持ち、今回NGOに応募しました(授業そのものはエスニシティに関するものなので、上記の問いは授業のメイントピックではないのですが)。

マイノリティ側にあたる人々のエスニシティや宗教は当然国によって異なるわけですが、特に興味を持ったのはタイとフィリピンにおけるMuslimのマイノリティの授業です(Pattai and Moro, respectively)。彼らの一部は、marginalizedされる過程でradicalになり、terrorism, rebellion, civil warの状態になりました。そこでは、マジョリティ(Buddhist Thai and Christian Filipinos, respectively)によるresettlement、母語の制限、信仰の制限、local authorityのpower abuseなどなどが起きてきたそうです(他の事例にも当てはまるけど)。

こういう弾圧の背景には色々なことがありますが、一つに「テロ対策」というのがあります。宗教やエスニシティが異なるマジョリティの主権国家に組み込まれることに抵抗することはマイノリティ側からしたら「正当」に思えるけど、武力を使うと定義上/マジョリティ側から見てそれは「テロ」に該当します。テロは普通に怖い(し、あと主権国家としてterritorial integrityを当然維持する必要がある)ので、authorityは治安のためにピリピリする。

この授業を取るまでこのような東南アジアの紛争について全然知らなかった(→目標①)のですが、授業を受けていて、ウイグル問題と共通した部分があるなーと思いました。
と同時に、今の国際社会の(というか西側諸国の)ウイグル問題に対する対応と報道は問題の解決につながるんだろうか??とふと疑問に思いました。
基本的に西側諸国はこういう人権侵害に対して「深い懸念を表明」し「非難」しているわけだけど、テロ対策という回答しか返ってこないなら、意味あるのかな、と。
もちろん、外交で非難するのは大事だし、それによる効果が見えないからといって沈黙していいわけではない。ただ、問題を巡る国家間の議論が水掛け論にしか見えない(フェイクニュース、で片付けられるよりはマシか)。

そしてもちろん、そういう弾圧とかを擁護したいわけではないです。
テロ対策だろうが何だろうが人権侵害は人権侵害で、倫理的にもダメだし、特にジェノサイドは国際法上も対世的義務違反なので違法性阻却事由はありません。そもそもテロが起きる状況になっているのはマジョリティ側の責任も大きいわけで。また、テロ対策と言ってもそういう弾圧をしていたら、マイノリティはmarginalizeされていると感じるわけで、さらなる対立を生みます。誰にもメリットがありません。
ただ、弾圧する側がテロ対策を主張する以上、人権侵害だと批判するだけではなく、信教の自由と過激化対策をどう両立させるかを考えることが、必要なのではないかと思うわけです。

テロ対策重視のあまり「イスラム教=悪!」「そこの住民全員(とまでいかなくとも若い男性は基本的に)容疑者!」みたいな考えになって弾圧が行われる面があるけど、当然イスラム教自体が悪いわけではないので、治安の維持とかは信教の自由を含む基本的人権を担保しながら行う必要がある…
というのは、西側諸国出身だとまあ当たり前の価値観かと思うのですが、実現するのは中々難しそうにも見える。
例えば、タイ南部のムスリム地域では、2000年代初めまでに問題が一時落ち着いたにも関わらず2004年に暴力が再発したらしいです。授業の教授はそのときのことを「とても驚いた」と言っていました。「everything seemed good」だったらしいです。なぜ急にそのタイミングで問題が悪化したのか、しかもその問題の専門である教授も予見できなかったのか、というと、思想が関係しているかららしいです。実はそれ以前に幼稚園や宗教学校で過激な思想が教えられており、2004年はその子どもたちが青年になって武器を取るようになるタイミングだった。思想の問題だから、見えない、気づけない。フィリピンの独立を目指していたムスリムの団体も、アルカイダとつながっていたそうです。
こういう状況だと、マジョリティ側が信教の自由に懸念を抱くのもまあ理解はできます。
難しいです。

と色々考え、
そもそも人道的に脱過激化させることってできるのか??と疑問に思いました。
と思ったところで、ふと宗教再教育とかそういうことしているNGOあったなーと思い出しました(宗教再教育がメインではないけれど)。
じゃあその団体でインターンをして、この問題を掘り下げよう!
ということでインターンに応募したという経緯です★

2なぜ留学中に日本のNGOにオンライン参加するのか??

先ほど「そういうわけで応募しました」と軽々しく書きましたが、もちろん悩みはしました。
留学先の勉強などと両立できるのか?せっかく留学しているのに日本のNGOにオンライン参加するのは時間がもったいないのではないか?等々。

けれど、やはり自分がやりたいと思ったことを大切にしようと思いました。
(以下、自分の選択を正当化するための諸々)

まず、留学中の一つの目標として、やりたいこと(キャリアや学問において)を見つけて掘り下げたいと思っていました。せっかく今回授業で掘り下げてみたいことが見つかったので、見つかったからには動きたい。

「留学中なのに日本でもできることするの?」という懸念に対しては、確かにそうではあるけれど、同様に2024年と2025年は一回しかない、と考えるようにしました。観光とかも好きだけど、文化より政治とかのほうが興味あるし、もともとインドアなので、他の人より多分プライオリティが圧倒的に低いです。

学生のうちにNGOのインターンできたら良いなと思っていたところなので丁度良いです。
NGOって正規だと、社会人経験数年に加えて「別のNGOでの経験」が求められることが多いので、そういう意味でも(ここ重要!)。

そもそもこういうNGOとかベンチャーとかの長期インターンって、空きができたら応募がかかるので、次の応募がいつかわからないですよね、団体によるかもだけど。応募できるときにしておいたほうが良いです多分。

ちなみに「留学中にできること」としてやるかどうか迷った活動が一つあります。留学先の大学にある日本人の団体で、日本の文化を伝える活動をしています。
せっかくだし、とも思いましたが、文化の伝達ってあまり興味ないなと思い、結局参加しませんでした。やはり「自分がやりたいことは何か、なぜやりたいと思うのか」を大切にしたいと個人的には思います。
(ついでに:留学前にやっていたソーシャルビジネスのインターンの影響で、文化の伝達そのものには興味があります。あまり知られていない国の文化が認知されることで、ビジネスだけではなく、国家関係の発展とか平和とかにつながる、かもしれない、というのがあるからです(詳しくはこちら:“関心の入り口”としてのウガンダアイテム~国際フレンドシップデーに向けてRICCI EVERYDAYができることをインターン生がディスカッシ – リッチーエブリデイ公式オンラインストア)。ただマレーシアには既にかなり日本文化が認知されている。その状況からさらに日本の文化を現地の学生に伝える、というのはちょっと自分の関心と違うなと思うわけ)

大学の友人で、休学しそのNGOのアフリカの局でインターンをしている人がいるのですが、最終的にはそれが決め手になった気がします。
もともと非武装化(宗教再教育より、これがそのNGOのメイン)に興味があると言っていたので、ちゃんと未来に向かって進んでて素敵だなーと思います。
彼女がインスタで現地で得たこととか書いていて、それ読んだらやる気が湧きました。
私は現地ではなく日本事業のオンライン参加だけれど、自分も未来に向かって進みたいです!

3その他目標

⓪宗教再教育とか非武装化について学ぶ

こちらが上に記載した目的。
それ以外のインターンを通しての目標はこちら

①知識を増やす

最初に少し書きましたが、例の授業で、東南アジアの紛争について全然知らなかったと気づきました。
本当に全然知りませんでした。
報道ではガザやウクライナのことがメインになっているので、他の紛争(ミャンマーやアフガニスタンなど)の関係者がその風化を懸念する、というのは良く耳にします。
現在報道で「忘れられた紛争」と表現されるのはスーダン。
けれど、本当に「忘れられた紛争」ってそもそも報道されていないんだっていう(当たり前なんだけど)ことに気づきました(シンプルに私が無知なだけなのかもしれないけど)。

まだまだ自分が知らない紛争は世の中にたくさんある。
インターンを通して、新しい知識を得たいです。

②知識を増やす その2

全く知らないわけではないけど、正直細かいことはわかってないっていう紛争、多いじゃないですか。

中東とか北アフリカって武装組織が大量にいるけど、何がどこで何しているのかわからない。それ誰だっけ~とか、何派だっけ~って、よくわからなくなる。

そういうのも勉強するきっかけにしたいです。

③NGOで働く、の諸々

NGOで働くという経験を通して、自分のキャリアについても考えたいです。

あと資金が個人のサポートで成り立っているので(具体的な内訳は知らないけど、一般論としてそういうNGOって多いという話)、そこらへんについても見れたら良いな。

④メディアの発信を学ぶetc

応募したポストはSNSなどを行うポスト。
理由はシンプルに、オンライン参加可能で自分ができる業務内容のものがこれしかなかったからです。

とはいえ、上記の目標①②ともSNSは関連していると思います。
メディアのコンテンツを作成するにはその内容に関する知識を持たないといけないので、必然的に勉強できるはず。

そして、以前行っていたソーシャルビジネスのインターンでもメディア発信を担当したのですが、せっかくなのでより学ぶ機会にしたいです。
ソーシャルビジネスでSNS運営をしていたとき、「真面目(すぎる)コンテンツ」は伸びないなーと実感し、どうしたら見てもらえるかなと色々考える日々でした。そこの会社はブランドだったから「この商品おしゃれでしょ!使いやすいでしょ!しかも買うと作り手である途上国のシングルマザーをサポートできることになるし、環境にも良いんだよー!」って、あくまで商品を推して「真面目」な側面は付加価値として紹介することができるんだけど、NGOのマンスリーサポーターとかって完全に個人の善意じゃないですか。そういうときにどう発信すれば良いのかっていうのは気になる。
ついでだけど、都知事選といい衆院選といい大統領選といい県知事選といい、今年の選挙見てるとほんとにSNSって怖いなって思う(誰に投票するかは個人の自由ではあるけれど)。みんなが受取手としてのメディアリテラシーを高める必要があるけど、「真面目な」情報を発信する側にもより工夫が求められているなーと感じる。

とか偉そうに語れるほどの能力は全然ないけど!
いや、ないからこそ、せめてこうやって目標立てたいし、立てないといけないんですよ私は~。

⑤自分がやりたいことをより深めたい

中学生の頃から「平和な世界をつくりたい~~」と思ってきましたが、そこでずっと止まっており、具体的に何がしたいかわかっていないので、留学中に何がしたいか考えたいと思っていました。
興味のある分野を少しだけ絞れたので、ここからさらに自分が何をしたいか掘り下げていきたいと思います。

それから、国際関係の脱・西側先進国目線がマレーシア留学の第一の目的だったので、こんな感じで日々新しい視点が取り入れられるのは本当に嬉しい。
残りも頑張ります。


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