第39回開示請求 「表現の不自由展」の会場利用承認取消しにかかる、大阪府の文書①
「表現の不自由展かんさい」の会場(エル・おおさか)の利用承認を、指定管理者が6月25日付で取消したことについて、大阪府に情報開示請求を行なっていました。
先日、その文書を入手しましたので、公開いたします。
全文は、最下段にPDFをアップしますので、そちらをご覧いただければと思います。
クリティカルなものを、本文に掲載します。
■6月7日知事レク資料
「今後、指定管理者から利用承認を取消したいとの報告があった場合に、大阪府の態度をすみやかに示すことが出来るよう、今回の論点も踏まえ、改めて弁護士の意見を聞いておくこと。」という知事の発言が残されており、知事が、当初から利用承認取消しに前向きな姿勢であったことが窺えます。
また、この知事レクが行なわれる以前に、担当部局が顧問弁護士に相談をしていることが確認できます(日付は黒塗りのため確認できないが、5/21から6/7の間)。
■6月16日知事レク資料
前回の知事レクを踏まえて、利用承認取消しに向けて準備が進んでいる様子が見てとれます。
また、知事が府の取消し権限の有無を確認しており、府として取消しに向けて動きたい意向が感じられます。
あくまでも私見ではありますが、「私は、展示会の中身に踏み込んで言うつもりはないが、」は、私には知事が自らの意向を通すために発言する際の免罪符的に言っている発言のように感じられました(このような発言は、囲み取材でもたびたび言っていました)。
また、取消理由の箇条書き4点目に「不快の念を感じる人達による抗議活動が考えられ、」がありますが、これが理由として通るのであれば、どのような表現活動であっても、その表現を好まない人による抗議を許容することにつながり、適切な考え方ではないように感じます。
■6月23日知事レク資料
同日、指定管理者から届いた利用承認取消しを求める伺い書に対して、OKを出すことを、ここで正式に承認しました。
■指定管理者とのやりとり
■利用承認取消しの通知文
なお、西村日加留府議などが、府の担当部局とこの展示会についてやりとりをしていた旨の投稿をSNSにしていましたが、「事実確認に係る問い合わせに対する口頭報告のため、記録として保存していない」との理由で、文書は不存在。
法務相談結果については、係争中の訴訟資料として提供されていることを理由に非公開となりました。
後者は、係争終了したので公開に切り替えられないか問い合わせましたが、係争が終了した現在でも、大阪府情報公開条例第8条第1項第4号に該当するとのことで、変わらず非公開とする旨、担当者から回答を得ました。
最後に。
この展示会については、ご存知の通り、運営側が利用承認取消しの処分の取り消しを求めて提訴し、運営側の主張が認められました。
指定管理者側は、裁判所の判断に対して、抗告、特別抗告を行ない、裁判所の判断が出されるたびに、知事は囲み取材等で指定管理者の主張を支持する発言をしていました。
抗告、特別抗告を行なったタイミングでも文書を請求しましたので、興味深い文書でしたら、またここで公開します。