第33回開示請求 大阪コロナ重症センターへの自衛隊派遣要請に関連する文書
年末に、大阪府は、大阪コロナ重症センターの立ち上げ時に、自衛隊を要請していました。
その関連の文書を入手していましたが、忙しくて、ずっと公開できていませんでした。
この請求に関しては、健康医療部と危機管理室から文書を開示いただきました。
なお、防衛庁との実務的なやりとりをしたのは危機管理室でしたが、その細かなやりとりは電話とFaxで行なわれていたため、ほとんど文書が残っておらず、「自衛隊との要請およびその準備のための実務者同⼠の協議・調整に関する⼀切の⽂書」は、開示いただいた文書6点が全てなんだそうです。
前回同様、すべての文書はまとめて最下段にアップしておきます。
ここでは、気になったことをピックアップして記載します。
11月26日「自衛隊の看護師支援に関する調整について」
当初、大阪コロナ重症センターに、看護師40名の派遣を要請していたと……
ちょっと、さすがに図々しすぎませんか?
11月30日知事レク概要
「たまっている患者増をどうしのぐか」「准看護師はICUが難しい」「准看護師を非コロナICUに入ってもらい玉突きでできないか」という健康医療部長の言い回しは、患者を患者として見ていないこと、医療がチームで動いていることを理解していないことが、よく表れていますね。
また、自衛隊の要請についてコロナ重症センターの「施設オープンの立ちレクで話していただくのでどうか」のは、藤井部長が知事のパフォーマンスのことに関心を寄せていることがよくわかる発言ですね。
11月30日知事レク資料
急性期医療センターも、この時には「准看護師は要らない」と言っていたんですね。
12月2日知事レク概要
切羽詰まっているこの時期も変わらず、健康医療部は、准看護師は要らないという考えだった模様。
12月2日知事レク資料
どう読み解いくのが正解なのか分かりかねるのですが、「玉突き」ということは、非コロナICU病院に、自衛隊の准看護師を派遣して、その病院で働いていた看護師をコロナ病棟に代わりに派遣することでも、考えていたのでしょうか。
また、准看護師を派遣する課題がたくさん書かれています。
12月4日知事レク概要
「元々の病院から抜きすぎると」という表現も、自分本位の考えですね。
12月4日 自衛隊の看護師支援に関する災害派遣の調整(メモ)
ここで、自衛隊に言われてようやく、大阪府側が自衛隊はチームで動くこと、そして准看護師の方が医療支援をしてくださることによって、看護師が医療業務に専念できる環境ができるとなることが伝わったようでした。
私が一番驚いたのは、やはり当初自衛隊に40人の派遣を要望していたこと。
吉村知事が、まずハコを作ることが先だった、人の手当ては後から、という旨を盛んに言っていたように記憶していますが、
たとえ人のやりくりは後から検討するのであったとしても、全国知事会や関西広域連合に、そして自衛隊にも派遣を要請して、それで何とか立ち上げることができたというのは、あまりにも吉村知事や健康医療部に計画性がなかったようにしか思えません。
他府県や自衛隊に全く協力いただけなかったらどうなっていたことでしょうか。
それでも、そんな大阪を見限ることなく、コロナ感染者の重症の方の命を救うために、他府県や自衛隊から来てくださった看護師の方々、本当にありがとうございました。
以下が、入手資料一式です。ファイル名の頭に数字がついているものは、危機管理室からいただいた、自衛隊との調整に関する文書です。