ワンコには噛まれない方が良い。

先週の土曜日、姉の家で飼っているワンコに噛まれた。
甘噛みなんてもんではなく、4箇所を縫う怪我をしてしまった。
冷静に考えれば、私の落ち度だ。そもそも姉の家で2匹ワンコを飼うと決めたのは姉と甥だった。
よくある話で、ワンコが小さかった頃は、甥も姉もそれはそれは可愛がっていた。
ここから書こうとしていることは、姉家族の愚痴になるのでグッと心に留めておくことにする。
私が一番書きたいこととはちょっと違う。
勿論、飼うと決めたなら最後まで面倒を見て欲しいとか、大きくなったからって放っておかないで欲しいとか…
色々あるけど…

その日、私はワンコたちの小屋のそばに、日陰を作ろうと思って庭の様子を見ていた。
母が「2匹を外に放しても良いよ」と言い、私は2匹の小屋の鍵を開け、外に放した。


多い時には毎週会えていたが、仕事の都合で2ヶ月に1度とかになることもあった。
これから暑さが酷くなる。
その前に日陰を多く作っておこう。

母も外で洗濯物を取り込んでいた。

私が2匹のうち、1匹雷(らい)の小屋の外側を歩いていた時…雷の目付きがちょっと怪しい事に気付いた。
これはやばいか…と思い、刺激しないようにゆっくり小屋から離れようとした…
その瞬間。
一瞬の出来事だった。
唸り、吠えながら私の左腕に飛び掛ってきた。
声を出すとか、逃げるとか…しなかった。
と言うよりも、出来なかった。
とにかく恐怖を感じてしまった。
倒れたり転んだりしたらほんとにヤバい事になる。と、変な所だけ冷静な自分もいた。
雷は完全に私に噛み付く気で来ていた。
何度も飛びつかれ、遂に痛みに耐えきれなくなり叫んだ。
叫んでしまったら、余計に雷は興奮し、脚に噛み付いた。
叫び声を聞いた母が雷の首輪を掴んで私から離し、やっと私は雷から解放され家の中に飛び込んだ。
母は雷と、風(ふう)を小屋の中に入れ、鍵をかけた。
私はと言うと…左腕と左脚(腿の後ろ側)に激しい痛みを感じ、恐る恐る左腕を見ると…
自分でもドン引きするくらい流血していた。
血の出どころを冷静に探すと二の腕にでかい穴が3つ。肘の横にぱっくり開いた穴が1つ。
どこから血が出てると言うよりどこも血だらけ。
そしておしりのちょっと下の腿の裏も酷く痛んだけど、取り敢えず今は腕を流水で流す事を…と思っていると母が家に入ってきて、やはり血の量にドン引き。
母は動揺しすぎて何故かいつもかかってる動物病院に電話するとか言う。
母よ、落ち着いてくれ。
噛まれたのワシやぞ。
しかし運悪く土曜日。
病院なんぞ閉まってる。
てか何科に行けばいいのか。
やはり母は動物病院に電話。
先生は「形成外科に行くように。そしてとにかく水で傷口を流して」と言っていた。
意を決して流れる水に腕を付ける。

絶対しみると思っていたけど、私も動揺していたのか、痛みを感じなかった。
その後は母の運転で救急に駆け込み…計4箇所を縫ってもらい、破傷風の注射をし、その日は終わった。

ではなんの為にこれを書いているか…


物心ついた時から、私の傍にはワンコやらニャンコやらたくさんの動物がいた。
時にはうちの庭に遊びに来る野良わんこにもご飯をあげたり、野良わんこを膝の上に乗せたり。
そうやって育って、大人になった。
大抵の虫も触る。
もちろん見るからに毒のありそうな物はそっとしておくけど…蜘蛛だって平気だし。
でも、この歳になるまで、ワンコに噛まれたり、ニャンコに噛まれたり、蜘蛛に噛まれたりされたことがなかった。

噛まれるどころか唸られた事さえない。
それがどうだ…
顔見知りのワンコが嫌がる行動(ナワバリに侵入)を取ってしまったのだ。
大反省…
と同時に、とてつもない恐怖心に侵されてしまった。
夜、寝ようとすると、あの日のあの瞬間が鮮明に蘇る。
私は叫んだのではなく、母を呼んでいた事にも後から気付いた。
「お母さん!お母さん!痛いっ!」と。
母のトラウマにもなるのではと心配したが、母は強かった。
トラウマになったのは私の方だった。
土曜日の出来事。
毎晩、電気を消すとあの瞬間が蘇る。
運良く、袖の長いシャツを着ていた。日焼け用のアームカバーもしていた。それは本当にラッキーだった。
暑い日だったのでワンピースを着ていこうかなとも考え、でも色々作業があるから動きやすい格好しようと思い、着替えた。
あの時着替えてなかったら…
ノースリーブのワンピース。
ふくらはぎ丈のワンピース。
本当にラッキーだった。

そんな事ばかりが頭をよぎる。
何度も寝返りを打ち、何度も冷たい水を飲み…
気付けば夜中3時みたいな日が続いている。

その後、姉の家へ行った際、雷が家の中を覗いていた。雷と目が合った。
それだけで動悸がして、手汗が止まらない。
そうなのだ。
私は犬が怖くなってしまった。
たった1回の出来事で。
小さい頃から1度も感じたことの無い「犬が怖い」と言う気持ち。
これが本当に辛い。
本来なら私は動物が好きなのだ。
動画を見る時だって、好んでワンコの動画を見ていた。
この前まで、仲良く頬ずりしている女性とワンコの動画を見て「可愛いいいいいい❤」と思ってたのに、今はそれが見られなくなってしまった…
とにかく怖いのだ。
それが本当に悲しい。
噛まれたショックより、もう犬を触れないかもしれないって言う感情がショックなのだ。

とにかく、なにか起きた時は感情を書き出してみると良いのかと思い、noteに書いてしまった。
ここには勿論、動物と生活している人もいるだろう。このnoteを読んで、愛犬家の皆さんは、「自業自得でしょ?」って思うかもしれない。
私はとにかく、気持ちを楽にしたかった。
もう一度雷と遊びたいと思っている。いつになるか解らないけど…また…本当に…

ワンコは仲間に対して忠誠心を持ち、優しく、誇り高い生き物だ。
私は雷の仲間になれていなかった。
人間だって、たまに会うだけの人が自分の家や部屋に勝手にズカズカと入ってきたら怖いし、追い出そうとするだろう。
雷はそれをしたただけだ。
雷は悪くない。
なのに私がヘタレなばっかりに…
ゆっくりこの恐怖心を追い払って、また雷を撫でる日が来たらいいなと思う。

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