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ピアノって何でクラシックなんだろ?

子供のときにピアノを習っていた。正確に言うと習わされていたと言っていいかもしれない。

はじめに言っておくと僕が生まれ家は裕福ではない。ピアノを習っていたと聞くと裕福な家庭でリビングにはグランドピアノかアップライトピアノが鎮座している光景を思い浮かべる人も少なくないと思う。

しかし、現実はそんなに甘くはない。家にあるのは和室に置かれたKAWAIの電子ピアノだ。

先日、久しぶりに実家に帰ったときに懐かしさもあり触ってみたが、酷いクオリティのピアノだった。当時はそんなことは思わなかったけれど、今は思う。鍵盤はスカスカだし、音色もリアルピアノとはかけ離れすぎている。

改めて、KORGやYAMAHAの企業努力は素晴らしいと感心してしまった。当時のKAWAIより7倍安く4倍クオリティが良い電子ピアノを作っているのだから。

少し話は逸れたがこんなことを言いわけではない。

何故ピアノはクラシック一択なんだ?ということだ。今では、クラシック以外の選択肢もあるかもしれない。しかし、私は知らない。ピアノはクラシック一択しかないのだ。ジャズもあるよ?とレイチャールズが言おうとも。

土曜日の13時からのレッスンが苦痛でしかなかった。男なのにピアノ?という今なら時代錯誤の犯罪者に祭り上げられてしまう思いもあったかもしれない。

しかし、私はそもそもクラシックが好きではないのだ。いや、正確に言えばバイエルだ。いったい何なんだあのつまらない曲集は?拷問か?昭和音大を卒業した先生の嫌がらせなのだろうか?

多くの子供がピアノ嫌いになってしまうのはそんな糞みたいな拷問を受けなければいけないせいだろう。

音楽は音を楽むと言っているではないか?そんな言葉を無視したKAWAIには音楽教室と名乗って欲しくない。『嫌音』でよろしい。


そんな経験をした私だが、音楽は嫌いにならなかった。

何故なら、小学校には『渋谷先生』と言う同じ音楽学校を卒業したとは思えない素晴らしい先生がいたからだ。

渋谷先生は生徒のリクエストに応えて流行りのJ-POPを即興で弾いてくれた。初めて聴いたときは鳥肌が立ったと同時に先生に尊敬の念を抱いた記憶がある。

私は週に何回あるか分からない本当の音楽の時間が楽しくて、楽しみで大好きだった。これこそが、本当に子供に与えるべき大事な時間じゃないのだろうか?

残念ながら、本当の音楽の時間でもピアノは弾けるようにはならなかった。しかし、そんなことはどうでもいいことだ。本当に楽しい!と感じとった子供は放っておいても勝手に音を楽しみだす。ピアノをぶっ壊してギターになるかもしれないが。。

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