「ながのとながめ」と、 (アトリエ)
美術館リニューアル直前と直後の展示作家2人は知り合いでもあり、長野県にアトリエを構えているのでお邪魔してみました。いやぁ、アトリエ広いってホントいいわ。キュレーターもそうありたいわ。
千田康広さんは立体造形とそこを貫く光線により空間そのものを体感させる展示を続けています。驚異的な展示ラッシュで世界中に滞在しインストールしワークショップし... が、コロナ禍でストップ。去年から今年はひさびさに大町に戻って、桜の植わった山中のアトリエでゆっくり家の改装をしたりクライミング(本格派!)したり原稿を書いたりできたそう。時差ボケもなし、食生活も安定して元気そうでした!
作家生活の前は演劇の世界にいたそうで、舞台美術の経験豊富。なるほど納得!そっか、ステージなのか。しかも主役は空間。日常生活のルーティーンと、作品に多用するスリットやパンチ穴の造作に現れる微妙で豊かな散らばり。おもしろいビジョンを聞けました。
http://chidayasuhiro.com/
榊原澄人さんはアニメーション表現を中心としたインスタレーションで有名です。8/15まで1Fに大型展示あり。小さなアクションの動画がループ化し、隣のアクションと繊細に、かすかにつながっていることに気がつくと、ループのループ(時間と空間の)に浸れるという動画絵巻のような作品です。と聞くとソリッドな抽象映像をイメージしますが、人物や動物がわちゃわちゃしていて、作家の日常生活がそのままモティーフになっています。ここでもルーティーン。
戸隠のログハウスに家族6人猫1匹との生活。思索と制作と育児がわかちがたく結びついているように感じました。日常の反復動作と、子供の相手をしながら自分の子供時代をケアしている世代の二重露光のようなお話が印象的でした。
http://sumitosakakibara.com/