サボイのカメ日記-2 カメと向かった交番にて
『拾得物件預り書』
そう書かれた紙が出てくるまで
ガラス越しの陽が暖かい派出所内は
たった一匹のカメのためにバタバタしていた。
警察官さんが4人も出てきてくれて
暴れるカメの写真を撮るのに手間取ったり
警察署に手続きの確認の電話をしたり
ここ最近の迷子ペットのデータを調べてくれたりした。
迷子の届出は無し。
飼い主が見つからなかったら飼いたいという
私の意向を汲んでくださり
取り交わされた約束は以下の通り。
*3ヶ月、私が預かる
*3ヶ月の間に飼い主が現れた場合すみやかにカメをお返しする
*預かり期間中のエサ代、水槽代などの飼育費用は請求しない (選べる)
*報労金は放棄する (選べる)
*遺失者に対し住所や氏名を知らせない (選べる)
3ヶ月して飼い主が現れなかったら
警察署の会計係から私へ電話が来るそうです。
さてどうなることやら
甲羅は黒地に焦げ茶色のアートっぽい模様線。
まるで太古の壁画のようで一目惚れ。
さあ、カメの勉強しよう_φ(・_・
追記
この日
私はこちらの派出所でやらかしている。
「え?カメ?どこで拾ったの?」
と奥から出てくる警察官さんたちに
どう?と言わんばかりに
暴れるカメを持ち上げて見せつけた。
ご年配の警察官さんがカメを見て
とても感心した様子で
「ほぉーっ、これは芸術品のようですね。」
と、嬉しいことを言ってくれたので
気を良くした私は調子に乗った。
甲羅も綺麗だけど
顔も手も足も爪もね
あと尻尾も可愛いから見て!
そんな気持ちだった。
「ゴジラみたいで可愛いでしょう?」
私はカメの顔に見惚れながら言った。
すると、いちばん若い警察官さんがすかさず
「それを言うならガメラですね。」と
鋭く斬り込んできた。
ナイス突っ込み!警察官さん
顔が1ミリも笑ってなかったぁー
吹いたw