サボイのカメ日記-4 マッチョ好きという訳ではないんですが
うちに来てはじめの1.2週間は
なんとかして逃げ出そうとしていた。
カメが狙いを定めた脱出突破口は
水槽の角っこ上部のへり。
リングで言えばコーナーポストだ。
水槽の角の縁に手さえ引っ掛かれば
外の世界へ出ようとする。
私はまだこの時
カメの能力をみくびっていた。
カメは腕力と脚力を存分に使い
巧みなバランス感覚で這い上がって
リングロープ上から飛び技をするまえの
プロレスラーのように
水槽の縁に立ち上がってしまった。
後光が差しているかと思うほど
輝かしいシーンだったが
こりゃ落ちたら大変!とキャッチしにいく私も
気分はアクロバットだ。
気分だけで実際はとろくさい私のせいでカメは倒れて甲羅がひっくり返ってしまった。
びっくりして固まる私をよそに
カメは首をのばし地面に頭をつける。
つけた頭を軸に回転し
「あーらよっと!」
と元にもどる。
つ、つよい…。
あの手
あの足
マッチョすぎる。
カウントを逃れたプロレスラーみたいだ。
体だけじゃなくて、心までマッチョなのか!
もし、自分の背中に甲羅があったとして
こんなことができるだろうか?
まったく自信がない…。
今は、水槽の水を減らして
手が届かないようにすればいいんだと
やっと気がついてカメも落ち着いています。
本当は水槽にお水をたくさん入れたい。
そして
プカプカと泳いでいる姿を見たいのだけど
水を多くして目を離すとこうなるのよね。
人懐っこいのは油断させる作戦なのか?
毎朝、マッチョカメに脱出されていないか
確カメてます。