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阪急電鉄 車両形式間の違い

阪急電鉄には、どのような車両形式があり、どんな風に違うのだろう。そのヒントは、阪急電鉄の車両形式名にある。

千の位は、1000系(2013年)、3000系(1964年)、5000系(1968年)、6000系(1976年)、7000系(1980年)など製造タイミングごとにカウントアップされていることがわかる。ちなみに、今の1000系は2代目で、初代1000系は、1954年に製造された。

次に百の位に注目すると、1000系には1300系、6000系には6300系というように、対応するように300が割り振られた形式が存在する。

これは、配属先の路線によって区別されている。

百の位が"0"、すなわち、1000系、3000系、5000系などは神戸線、宝塚線に所属し、1300系、5300系などは京都線に所属している。

実は、百の位が"3”かどうか、すなわち、京都線所属かどうかによって、車体に違いがある。

それは、車両の大きさだ。

京都線の車両幅は2,800mm〜2,850mmに対し、神戸線、宝塚線の車両は2750mm幅になっている。京都線所属の車両のほうが、幅が広く設計されている。

ここで考えてみてほしいけど、車両幅(規格)の統一したほうが、製造コストの削減や運用効率の向上が見込まれるのに、なぜ、大きさを変えているのだろう。

この理由を明らかにするためには、歴史を遡る必要がある。

実は、京都線は京阪電気鉄道の当時の子会社、新京阪鉄道によって開業した路線で、人口過疎地域をベースに高速運転可能な路線を目指していた。このため、カーブが少ないなど車両限界(車両断面の大きさの限界範囲)に余裕があり、京都線のほうが大きく設計できるという背景がある。

折衷案として、2800mmで規格を統一しようとした動きもあったが、神戸線・宝塚線には、ホーム幅が狭い駅があり、なかなか思うように進んでいないんだ。ホームで待つ乗客と走行する電車との距離が狭まるので、接触リスクが高まってしまう。

写真:中津駅

パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=857623

今回は、神戸線・宝塚線と京都線における車両形式間の違いについて注目した。

世代ごと(千の位が違う車両形式)には、どのような違いがあるか、次回以降で見ていく


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