鮮明な夢、3つ
昨日は原稿作業に集中したくて、近所のドトールへ行った。閉店まで腰を据える覚悟でいたのだけど、作業を始めて1時間くらい経った頃に友人からこんなLINEが。
「今日の夜は空いてる?美味しい白があるんだけど飲みにこない?」
白、は白ワインの事だ。
彼女は食事もお酒もセンスが良い。高い安いという判断基準ではない、イイもの、美味しいものを知っている。
つまり。彼女の家に呼ばれるということは美味しいものが食べられるし、美味しいお酒が飲めると確約された様なものなのだ。
とは言え原稿も書かなければならない。キーボードを叩きながらしばらく逡巡する。
〆切にはまだ余裕はあるけど、今日は夜まで作業するって決めてきたしな。
一度決めたことを覆すと、今後もそういう癖が付きそうだ。ただでさえ、私は自分に甘いのに…。
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深夜、目が覚めるとテーブルの上は綺麗に片付けられていた。宴のあとだった。
いつの間にか私は寝てしまっていたらしい。酔うとすぐに眠くなるのは私の悪い所だ。
彼女も同じ性質だもので、先程までの私と同じ様に、床に転がって寝息を立てている。片付けは彼女のご主人がやってくれた様だ。
まだこんな時間か。もう一眠りしよう。
その後、私はやたら鮮明な夢を3つ見た。
3つ全てのことを書くとやたら長くなってしまうので、ひとつだけ書くことにする。
ホラー映画の予告の夢
新しい映画が公開されるようだ。海外版『リング』のスピンオフらしい。
なにかの病気で入院している少女がいる。歳は7つか8つくらいか。艶やかな黒髪が綺麗な、日本人の子のようだ。
真夜中になると、もう1人、少女が病室にやってくる。
白磁のように白く滑らかな肌。顔の造形は美しく、手入れの行き届いた金色の髪は、歩くたびにふわふわと揺れて光る。だが表情に生気はない。この美しい少女は、この世のものではないのだ。
金髪の少女が黒髪の少女の病室にやってきて、2人は対峙する。
金髪の少女が右手をゆっくりと上げる。真っ白な小さな掌が指先から、黒髪の少女の口のなかに差し込まれていく。
そして5本の指はあたかも蹂躙の如く口の中をゆるゆると撫で回す。この行為がこれまで何度となく行われている。
黒髪の少女は怯えているような、恍惚とする様な不可思議な表情でそれを受け入れている。取り憑かれてしまっているのだろうか。
金髪の少女は何故こんなことをするのか、彼女は何者なのか。そして黒髪の少女の運命やいかにー。
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ホラー映画は特に好まないし(怖がりだから)何故こんな夢を見たのかわからない。内容もおどろおどろしいと言うか悪趣味で、私の脳のどこからこんな夢が生成されてしまったのか見当がつかない。
目覚めた後なんとなく罪悪感に駆られてしまった。
金髪の少女の美しさと、口のなかに手を入れられた黒髪の少女の表情は良い意味でリアリティが無い、マンガ的なものだった。
絵に描いて再現してみてと言われても絶対に出来ない。私は脳の中でなら、こういうものを表現出来るんだな、という発見をした気がする。
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ひとつだけと言ったが、やっぱり残りの夢のこともサラッと書く。
・私を招いてくれた友人とご主人、その母親で旅行に行った(友人の母の故郷という設定だった)
両手でも抱え切れない、半カットされた特大のレモンが入っている足湯にみんなで浸かりながら、巨大な塩の壁がガラガラ崩れるのを遠くから眺めた。それがその土地の観光の目玉だと言う。花火も見た。
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もうひとつ。これは現実と夢がごちゃごちゃになっていた。現状が夢になり、その夢の中でまた夢を見ていた様な変な感覚。
・私のLINEのストーリーを見た例の彼から、LINEが来た。私は返事をしたいが眠すぎてまともな日本語が打てない。何とか送信してまた寝た。
しばらくして目が覚め、先程送ったLINEを見たら、文章にすらなっていないはちゃめちゃな文字と絵文字の羅列が送られていた。私は何をやっているのか!既読がついていない事を確認しメッセージを削除した。
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この夢は朝、実際に起きても夢か現実か分からず、LINEを確認してしまった。彼から連絡など来ていなかったし、そもそもストーリーに足跡もついていなかった。私が寝ていた部屋や、かけられていた毛布の質感など、再現度が高かった。
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