BRM907東京600ぐるっと兵庫SRを完走しました
はじめに
タイトルの通り、R東京さん主催の600kmブルベ「ぐるっと兵庫SR」を完走しました。
名称にSRとありますがSR600(Super Randonnées)カテゴリではなく、R10000達成に必要となる600km 8000upカテゴリのブルベとなります。
本来参加予定だったAJ広島さんのBRM1026への参加が所用で難しくなったため、かわりにこちらを完走してR10000を確定させたいという思いから参加しました。
参加までのハードル
参加の際、地味に困ったのが宿泊先。
このブルベは「310km走って開始地点の姫路に戻り、そこから290km走行して戻ってくる」という非常に有り難いルートとなっており、開始前日・1日目と連泊にして手間を短縮したいところ。ですが、何故かお手頃なホテルがほぼ満室。
じゃらん、agoda等の大手サイトでは現実的な値段ではホテルが予約できず、名鉄観光さんでツアー扱いになっていたホテルをなんとか予約しました。
前日に姫路に着くと姫路城前で夏祭りが開かれており、満室はこれのせいだったのかと納得。ブルベ計画時に全てのイベント被りまでは予測できないと思いますし、こういうのはしょうがないよね……
最近の屋台はちいかわも完備しているぞ!
スタート~道の駅はが到着(約60km)
当日の朝、開始地点に行くも、参加者は私とAR四国のきっしーさんの2人だけ。
例年と開催スケジュールが違うとのことでしたが、前述のホテル満室の件も大きそう。自分もホテルが埋まってたらAR四国の方に行っていたと思います。
開始後、20kmほどきっしーさんとつかず離れずで走行し、最初の峠で休憩しているところを追い抜きました。すぐにまた一緒になるだろうと思っていましたが、以降彼をこのブルベで見ることはありませんでした……。
しばらく走行しているうちにPC1、道の駅はがに到着。4月に開催された岡山RM1200で通ったことを思い出しつつ、この頃は元気だったのでサクッと通過しました。
道の駅はが~城崎温泉到着(約170km)
このあたりまでは山間部に行くための連絡路にすぎず、このあたりから本格的な山岳エリアに入り始めます。
快走区間から突如お出しされる坂道。これが今から始まる山道の序章に過ぎないことを、このときはまだ知る由もなかった……
しかも悪いことに、ここになって財布に5000円札しかないことに気付きます。
通り過ぎる自販機を一台一台チェックしながら走ったものの、1000円札しか対応していない自販機ばかり。
ボトル自体は950ml+650mlという万全の体制でしたが、このあたりで既に底をつき始め、116km地点のPC2近くまで飲み物を切り詰めながら走る羽目に。
また、このあたりでトラブル発生。左足のSpeedplayのクリートカバーがいつの間にか脱落していました。昔のSpeedplayのクリートカバーは落ちやすかったため(最近のはそうでもない)、Aliexpressで購入した激安のクリートカバーを使用していたのですが、それが裏目に出た形となりました。
200kmブルベならまだしも、残り500kmは到底走り切れないと考え、途中でホームセンターに寄って補修。
なお、ガムテープ系の中では強度の高いものを選んだつもりでしたが、停車時に足をつくところのため、これでも役者不足。摩耗が速く、道中で何回か貼り替えています。
そうこうしているうちにPC3に到着。ここから先は山陰の海岸線を走るルートですが、風光明媚ではあるもののアップダウンが多くタイムが伸びない、ブルベでとしてはあまり嬉しくないコースです。2年前の広島1000kmのときも苦しめられました。
そしてPC4城崎温泉(約170km)。ここも広島1000kmのときに通過し、全く観光できずに悲しい思いをしましたが、今回も無念のスルー。
タイムだけで言えば、このあたりまではAve.19km/hくらいで進めてはいたのですが、城崎→姫路の後半戦が残っており、仮眠のための貯金も作っておきたいと考えると、時間も体力も全く余裕はありません。
こういうところでのんびり観光しても余裕で完走できる脚がほしい……
城崎温泉~姫路到着(約310km)
城崎を過ぎると、2つ先のPC6 峰山高原(約260km)までは登り下りを繰り返しつつ登っていくルート。途中のポイントであるPC5 明延鉱山(約230km)まではそこまで苦労せずに着くことができました。
とはいえ、炎天下の中ずっと走ってきた疲れが溜まってきており、ペースもそこまで上がらず。また自販機やコンビニもほとんどなく、補給も上手くできていなかったため、エネルギーを使わないよう踏まずに坂道を淡々と登っていきました。
そして、大変だったのがPC5からPC6までの区間。約30kmほどではありますが、ここにきて10%を超える坂が何度も出現。1日目最後でほぼ脚が売り切れ、でもまだ残り50km以上ある、というタイミングで激坂を登らされるのはなかなかきついものあります。
また途中にはキャンプ場や砥峰高原の施設もあり、いかにも自販機が置いていそうでしたが発見できず。
エネルギーも水分もスッカラカンになりながら、なんとか峰山高原まで到着。
峰山高原を過ぎるとあとは姫路までひたすら下り。
とはいえ今までの登りで貯金をだいぶ使っており、余裕はまったくありません。
そしてなんとかホテルに到着。前日からの連泊のため、チェックイン等の手続きが必要なかったのが非常にありがたかったです。
前日に準備していた通りに手際よくバッテリーの交換等を済ませましたが、それでも時間はギリギリ。2日目に向けて借金を作るわけにもいかず、結局睡眠時間は1時間30分しか取れませんでした。
姫路~一庫ダム到着(約480km)
2日目のスタート。主催の方は「1日目できついのは終わりだからね」と仰っていましたが、そんなことはないだろうと思い最低限の休憩にとどめ、結局40分ほど借金を抱えてのスタート。
今まで暑さが理由でペースを上げられていなかったため、脚の筋肉自体は2日目とは思えないほど元気なのがせめてもの救い。
最初は平均1%未満のゆるい上り坂をゆっくり登っていくコースのため、PC8(約380km)あたりで一度借金を完済。しかしその後の休憩や道のアップダウンにより、なかなか貯金は増えません。
また気になったのが、ある程度民家のある道でも道沿いに自販機が全く置かれていないこと。広島の田舎や、昨日通った兵庫県の西側エリアではよく自販機を見かけたのですが、兵庫県の東側では自販機をほとんど見かけませんでした。
時々汗が止まり熱中症の危機を感じつつも、飲み物はなんとか確保しながら進んでいたものの、丹波篠山(445km)を過ぎてコンビニが消滅。急いでいたため380km地点から休憩を取っておらず、ハンガーノックの危険性を感じ始めたところに猪肉料理という魅力的な看板を発見し、つい入ってしまいました。
お店はここ。暑さで胃腸がやられていたこともあり、猪より肉がさっぱりしていそうな鹿を選んだのですが、なかなか美味しかったです。
後は坂を下って一庫ダムに到着。
一庫ダム~ゴール(約605km)
一庫ダムまで来ると車も増え、一気に市街地の風格に。ロードバイクで走っている人も多く見かけるようになりました。
しかし、ここからも気が抜けません。
今までは田舎道のアップダウンだったため、まとまった下りで時間を巻き返すことができましたが、市街地のアップダウンは坂自体が短かったり、長くても信号に引っかかったりとスピードが出しづらいことが多いです。
また、ここで悲しいお知らせが。
唯一の仲間であるKissyさんのPostがPC5の明延鉱山で途絶えていたのがずっと気になっていましたが、このあたりでDNFをPost。走行中の私にもReplyで教えていただきました。
これで完全にソロブルベになってしまったな……と寂しい気持ちになりつつ、完走に向けて淡々とダムを消化。
ダムを消化している途中、三田のあたりでブルベっぽい格好をした人たち数人とスライド。このあたりだとオダックス近畿さんあたりがブルベでもやってるのかな…と思いつつ、ダムを消化し終えて明石まで降りてくる途中、今度は以前ブルベでお話ししたことのあるバイクと格好の人がお隣に。
話しかけてみると、3年前の広島600kmでご一緒したJuneさんでした。
やはりオダ近の200kmブルベに参加されているとのこと。
距離にして10kmくらいですが、今までずっと一人で走ってきた身からすると生き返ったような気持ちに。残り50kmを走りきる元気をもらいました。
そしてようやく最後のPCに到着。眠気覚ましにカフェインを入れ、あとは明石から姫路まで国道2号で走るだけです。
この頃には30分ほどの貯金ができていましたが、パンク等のトラブルに遭うと一気に吹き飛ぶもの。最後まで気が抜けないまま、なんとか39時間19分でゴールしました。
完走した感想
8000upという高難易度なコースだったことに加え、やはり暑さが厳しいブルベでした。
純粋なペースダウンだけでなく、消費が増加した分の水分をしっかり補給できなかったこと、胃腸へのダメージで狙い通りのエネルギー補給ができなかったこと等々の要因が相当に足を引っ張っていたように思います。
ただペースが思ったより上がらなかった理由としては、膝の故障でトレーニング時間を増やせない中でなんとかVO2Maxを回復させるため、直近のトレーニングが高強度に偏りすぎていたというのも理由としてありそうです。(本来はこういう時こそベースを作るべきなんでしょうが……)
また、400km以下ならまだしも、600kmを最初から最後までほとんど独走というのは今までほとんど経験がなく、
独りで淡々と進んでいく感じ、脚力でなく胃腸の調子や摂取カロリーといった他の要因でキャップがかかる感じ、少ない貯金を気にしながら走る感じは、自分の中ではブルベというよりもキャノボに近かったなというイメージでした。
私自身は200kmを淡々と走るのも好きですが、やはり長距離ブルベは皆とおしゃべりしながら走った方が楽しいという、当たり前のことを再認識したブルベだったと思います。
Kissyさん、Juneさん、R東京の津村さん、ありがとうございました。またどこかのブルベでお会いしましょう!
おまけ:今回のあってよかった装備
Abloc Acier 650ml
なんと言ってもこれ。今年話題になったステンレス保冷ボトルの、知名度低めの方。
価格は高いですが、見かけたときに売り切れ間近だったこともあり、夏のブルベで必要になるかもということでついつい購入してしまいました。
その目論見通り、今回のブルベでは大助かり。飲んでよし、頭や背中にかけてよしの八面六臂の大活躍で、これがなければ完走が難しかったかもしれません。
知名度のあるCamelbakの方と比べるとボトル内にストローが張り出していないのが特長ですが、個人的にはあまりメリットではないと思っています。
というのも、保冷ボトルとしての性能が高いため、特にロングライドでは氷をたくさん入れてしまった場合は
・ドリンクが冷たくなり過ぎてしまい、胃を冷やしてしまう
・溶けない氷がボトルの容積を圧迫し、ドリンクの量が減ってしまう
といったデメリットの方が目立ちます。
なのでCamelbakとAbloc、どちらを選んでも大差はなさそう。
ちなみに、Camelbakほどではないですがこちらも600km完走後には細かい傷が沢山入っていました。
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