ヒアリングのコツ
こんにちは。たかはしです。
webディレクターの代表的なタスクとして、
クライアントからのデザイン要望をヒアリングしデザイナーへオーダーする
というものがありますよね。
これがなかなか一筋縄じゃいきませんよね。
私も、かつてディレクターとデザイナーを兼任していたころ、ちゃぶ台返しを何度もくらい、ヒィヒィ言いながらリテイクしたりしていました。
誰でも通る道です。
デザインをたくさん見て、デザイナーと多くの言葉を交わしてきたディレクターと、本業をひたすらに高めてきたクライアントの間には、それはそれは大きくて深い「感覚の違い」が生まれています。
私は、そんなクライアントへのヒアリングにはいくつかのコツがあると思っています。
今日は、それを2つほど書き起こしてみようと思います。
1.言葉を自己解釈しない。
クライアントはあらゆる言葉を使って自分がイメージしているデザインを伝えようとしてくれます。ですが、そのほとんどが言葉足らずだったり、主観的だったりします。イメージを客観的にも分かりやすいように言語化することに慣れていないので、当たり前ですね。言葉はとても不確かです。「青くて清々しい海」というフレーズから、どんなイメージが浮かぶでしょうか。それは常夏の島国が浮かぶコバルトブルーの南国の海でしょうか。
セーラー服の学生が自転車で海沿いを走る湘南の海でしょうか。
夏とは限りませんね。澄んだ空気が気持ちのいい荒波の日本海かもしれません。どれも「青くて清々しい海」と言えるでしょう。
クライアントが発する言葉から、イメージを膨らませることは大切です。
でも、決してそれで「イメージ出来ました!任せてください!」と完結してはいけません。
「私はあなたのお話を聞いて、こうイメージしましたが、あなたのイメージと近い部分はありますか?」の確認を必ずしましょう。
何度もこのやりとりを繰り返すことで、少しずつクライアントと自分の頭の中のイメージを一致させていくことができます。
2.分析する。
クライアントが、こんなサイトがいいと思う、ととあるサイトを見せてきたとしましょう。このサイトの、写真の見せ方とフォントがいいと思う、と言っています。
さて、あなたはデザイナーへ どんな指示を出しますか?
「このサイトの写真の見せ方に近い写真を使って、フォントも同系統のものにしてください」
間違ってはいません。少なくとも、クライアントに「言われた通り」のものは出来上がるでしょう。ただ、そこにはオリジナリティや、想像を超えるものはありません。
デザインとは、いくつもの細かい細かい要素が積み重なり、複雑に調和を図り合って一つのイメージを作り上げているものです。一部を再現しても、そのサイトが放つ印象にはならないのです。
クライアントが挙げた、「写真の見せ方」や「フォント」は、一見具体的で言語化された的確な要望に見えます。ですが、単純にそのサイト全体を見渡し、印象的な要素を上げているだけに過ぎません。その部分だけを真似ても、そのサイトの雰囲気に近づけることは難しいでしょう。
まずは提示されたサイトに使われている、デザインテクニックをすべて分析してみてください。
文言は?余白は?文字量は?文字間は?ジャンプ率は?動きは?色のトーンやコントラストは?
細かい部分まで分析し、そのサイトの雰囲気を形作るために使われているデザインテクニックはなんなのか?を理解します。
そしてそれをクライアントに提示し、デザイン要望をより細かい具体的なものにしたり、デザイナーにアイディアとして提案したりします。
この2つをしっかりやるようになってから、各段にヒアリングでの失敗は無くなったように思いますし、
何より、イメージが徐々に具体化していく中でアイディアが生まれたりするのはクリエイティブの醍醐味です。
あらゆる参考書で、似たようなことが書かれているかもしれませんが
とにかく実践してみると、実感が出来ると思いますので
ヒアリングにお悩みのディレクターは、参考にしてみてくださいね。