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野生鳥類中毒死のSDGs

全国的に野生鳥類が鉛中毒により死亡しています。北海道ではオオワシやオジロワシが、本州ではイヌワシやクマタカなどが鉛中毒死しています。

これらの猛禽類が鉛中毒になると血液中の酵素の働きが阻害されて、ALAという代謝が増えてしまい激しい貧血や神経症状が出て多臓器不全になり死に至ります。

鉛は人間が摂取した場合でも、初期症状として腹痛や吐き気、その後に精神や神経障害が起こり小児の場合は深刻な後遺症が発生したりします。

これらの野生鳥類の鉛中毒は何故起こるのでしょうか。それは主にシカを狩る猟師が使用する「鉛の弾丸」によって発生します。

まず猟師がシカを撃ちます。その際に北海道では2000年から2001年に渡って禁止が決定された鉛の弾丸を使用します。(本州以南では、禁止されていません)

そして本来は、撃った獲物は決められた解体設備がある場所まで運搬して解体する義務があります。しかし、ルールを守らない猟師が現地で脚や背中などの価値が高い部分だけを解体して持ち去ります。

そして残地されたシカの死体や内臓をオオワシ等の野生の猛禽類が食べることで、体内に残った鉛の弾頭の破片を肉と一緒に食べてしまうことで鉛中毒になります。

オジロワシもオオワシも国の天然記念物に指定されている希少な動物ですが、 1996年に初めて北海道で鉛中毒による死亡が確認されました。

そこから15年間で200件以上が発生しています。そしてさらにもっと多くの確認されていない例もあると思われます。

シカの狩猟自体の是非については、農作物への被害(害獣である)や伝統的な食肉としての文化、動物愛護の観点を含めて判断が難しいです。

しかし狙った獲物以外の動物を無駄に死なせているのは大きな問題だと思います。特に北海道では禁止されている弾丸を使っている点、解体に関するルールを守っていない点は厳罰を課すべきだと思います。

銃は動物だけでは無く、人間も殺傷できる武器です。その所持は様々なルールを守ることを前提として許可されています。そのルールを守らないモラルの低い人には銃を所持させてはならないと思います。

2025年から2030年にかけて日本全国で鉛の弾丸が禁止になって行く予定です。何に忖度してるのかは分かりませんが、さっさと製造も販売も所持も使用も禁止すれば良いのにと思います。StaySDGs!!
#sdgs  #猟師 #鉛中毒

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