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サウナの起源と歴史的背景
サウナの語源と発祥 「サウナ」という言葉はフィンランド語に由来し、発祥の地はフィンランドとされています。しかし、類似の蒸し風呂文化は世界各地に古くから存在していました。
衛生と公衆衛生 衛生状態が十分に整っていなかった時代、高温で雑菌が増殖しにくいサウナや蒸し風呂は、公衆衛生の観点から重要な役割を果たしていました。フィンランドでは、数世代前までサウナ小屋で出産が行われていたという歴史もあります。
日本の蒸し風呂 日本における蒸し風呂の歴史は奈良時代まで遡ります。当時、全国各地の寺院には蒸し風呂があり、身を清める場であると同時に、檀家や近隣の人々が集まり交流を深める「サロン」のような役割も果たしていました。また、炭焼き小屋の余熱を利用する習慣は、土着の習慣として全国各地に根付いていたと考えられています。
サウナの発展とブーム
第1次サウナブーム 現代のサウナはフィンランド式が主流で、1964年の東京オリンピックでフィンランド人選手がサウナを紹介したことがきっかけで、第1次サウナブームが起こりました。
第2次サウナブーム 1990年代のスーパー銭湯(スパ銭)ブームと重なり、サウナが再び注目を集めました。この時期には、バブル経済の崩壊により、心身をリフレッシュできる場として、サウナがビジネスパーソンをはじめとする一般市民に浸透しました。
第3次サウナブーム コロナ禍による社会的不安の中で、個々で楽しめるエンターテイメントが求められたことがきっかけで、第3次サウナブームが起こりました。タナカカツキ氏の漫画「サ道」のようなサブカル的な発信もブームを後押ししました。このブームでは、「サウナ→水風呂→休憩」というスタイルが確立したことが大きな影響を与えています。
エビデンスの確立 近年のサウナブームには、エビデンスの確立が大きく影響しています。フィンランドの研究で、サウナの習慣が疾患リスクの低下に寄与することが科学的に証明され、2017年に初めてその健康効果がエビデンスとして報告されました。
サウナの健康効果
フィンランドの研究 フィンランドの大学の研究によると、週に1回サウナに入る人と週に4回以上サウナに入る人を比較すると、認知症、心筋梗塞、脳卒中、精神疾患のリスクが低いことが示されています。
予防効果 サウナは様々な疾患の**予防**に効果が期待できます。
その他の効果 脳疲労の軽減、睡眠の質の改善、血行不良による諸症状の改善といった効果も報告されています。
「ととのう」状態
サウナ、水風呂、休憩の一連の流れによって、交感神経と副交感神経が急激に切り替わることで、リラックスと覚醒が同時に得られる「ととのう」状態が生まれます。
この「ととのう」状態は、脳の活動ベースラインを下げ、脳疲労を軽減する効果があるとされています。
その他
サウナのブームは、社会が大きく変化する時期(高度成長期、バブル崩壊期、コロナ禍など)に起こる傾向があります。
サウナはコミュニケーションの場としての側面も持っています。
サウナウォッチのようなデバイスを用いて、サウナの効果を数値化する試みも行われています。
このように、サウナは歴史的に人々の生活に深く関わっており、現代ではその健康効果が科学的に証明され、注目を集めています。
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