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コクヨ×サウナ “SAUNA BU” が目指すもの~ワーカーたちのウェルビーイングのために~
こんにちは!
前回はコクヨサウナ部部長の“カワちゃん”こと川田直樹の紹介を兼ねて、彼のサウナ人生の前半を振り返りました。今回はいよいよ、ワーカーへのサウナ伝道の志に目覚めた彼の近年の取り組みにフォーカスします。
コクヨサウナ部の立ち上げから、コクヨサウナ部発の新ライフスタイルブランド“SAUNA BU(サウナブ)”のローンチに至るまで、なぜコクヨがサウナなのか、インタビュー後編です!
ゆるやかな部活動から生まれる自律的なアクション
―ワーカーへのサウナ伝道に目覚めたカワちゃんですが、どんな活動から始めたのでしょうか?
コクヨサウナ部の発足です。発足といっても、2016年当時、最初は3名からのスタートでした。横浜のスカイスパで打ち解けた彼(前回記事参照)と、同じ部署のもう1名です。部活と言うには大げさでしたが、3人でサウナに行く活動をしつつ、同時に自分がサウナ好きであることを周囲に公言し始めました。パソコンに行きつけのサウナのステッカーを貼って、地味にアピールしたり(笑)。
―何か反応はありましたか?
それが、社内に隠れサウナーが結構いたんですよ。ステッカーを見た通りすがりの人に、「え、サウナ好きなの?」と声かけられたり。そのうち同じ事業部の中で、20人・30人と輪が広がっていったんです。その後、オフィス空間構築の部門から社長秘書へと異動になったことでさらにネットワークが広がり、今では部員数100名を超えています。今では私が直接誘わなくとも、メディアを見たり同僚から聞いて興味をもって加盟する方もいます。
―コクヨサウナ部は具体的にはどんな活動をしているんですか?
最近ようやく事務局ができて少し部活っぽくなってきましたが、基本的にはゆる~いコミュニティです。メンバーそれぞれがお気に入りのサウナを持っているので、その推しサウナ(ホームサウナと言います)にみんなで出かけるのが楽しいですね。今日は〇〇君のホストで、彼が通うサウナを紹介してもらいましょう、という感じです。普段の仕事の上司部下のような関係ではなく、誰もがホストにもフォロワーにもなる。強制しなくても「おすすめがあるので、次回は私ホストします!」となる現象が、部活動ならではの良さだなと思っています。
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―まさに前回銭湯の良さとして語られていたオープンでフラットなコミュニティですね。
そうなんです。人によってサウナの楽しみ方も違います。みんなで行きたい人も、一人で行きたい人もいる。本来リラックスするために活動していることなので、強制的な雰囲気にならないよう心がけています。ゆるやかな運営を続けていきたいですね。
―コクヨサウナ部が先駆けとなり、企業サウナ部連合にまで発展しているようですね。
発足当初は想像もしていませんでしたが、活動が活発化する中で、他の企業の方からどんな活動なのか、どんな風に運営しているのか、と問い合わせをいただくようになったんです。次第に企業のサウナ部が増え始めて、企業サウナ部連合(JAPAN SAUNA-BU ALLIANCE)の立ち上げにつながりました。コクヨとJALさんが共同代表の組織で、2019年の設立から4年で約200社近くの企業が加盟しています。
―200社も!企業がサウナ部をつくる意味合いはどのあたりにあるのでしょうか?
一番は社内コミュニケーションの促進だと思いますが、企業によっては事業アイデアの企画にもつながっています。例えばJALさんはサウナ部の活動から「サ旅(サウナ旅)ツアー」の企画につながっていますし、コクヨが今回ローンチしたライフスタイルブランド“SAUNA BU”にも、サウナ部のメンバーが普段の部門の垣根を越えて参加しています。
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文具メーカーだからこそつくれるサウナグッズ
―“SAUNA BU”のことをお聞きします。コクヨとサウナグッズがすぐに結びつきませんが、どういった経緯のプロジェクトなんですか?
コクヨとサウナの関係でいくと、今までワークプレイス事業主体でコワーキングサウナの企画を手がけたりはしていましたが、今回は元々ステーショナリー事業内の企画なんです。なぜ文具の部門がサウナグッズを?と思いますよね。コクヨは今ステーショナリー事業を文具という枠に留めずに、ライフスタイルを支える道具といった捉え方をしようとしています。その中で最初は旅というテーマで収納やかばんを企画していましたが、もう少しターゲットを絞ってサウナやジムに持っていくかばん・ポーチといった企画に変化していきました。そこでカワちゃんの登場です(笑)。
―カワちゃんに相談が?
はい、ようやくこういう話がきたかって思いました(笑)。サウナ部の中ではローカルでステッカーやタオルをつくったりはしていましたが、オフィシャルでサウナグッズがつくれると!しかも、コクヨの屋台骨を支えるステーショナリー事業の新しい展開に則した話で、これは面白いことになりそうだなと思いましたし、もちろん本気でユーザーに喜んでもらうプロダクトにする心意気で取り組んできました。こういう時に声がかかるのは、まさにサウナ部の活動のおかげですね。
―とはいえ、ステーショナリー事業からサウナグッズというのが飛躍した印象を受けますが、そのあたりはどう整理されたのでしょうか?
私は全然飛躍しているとは思っていなくて、なぜなら私自身がサウナがワーカーのウェルビーイングに貢献できるという確信を持っているからです。ずっとワーカーのパフォーマンスを文具で支えてきたコクヨが、少し領域を広げているという感覚です。
―具体的にはどのようなグッズを展開されますか?
ワーカーが仕事終わりにサウナでリフレッシュするシーンを想定した、コンパクトにサウナに必要なものを持ち運べるサウナポーチです。ポーチを中心に、コクヨのロングセラーをベースにした耐水性のノートやシャープペンシル、あとはサウナハットやタオルも展開します。
(※ポーチについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています!)
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―コクヨサウナ部のメンバーはどのように関わったのですか?
当初、ステーショナリー事業から相談を受けたときは、商品はポーチだけでした。ただせっかくサウナというテーマで商品を展開するなら、ポーチだけに留めず、コクヨサウナ部としての経験を活かしたブランドを展開できないかと考えました。ライフスタイルを支える道具としてステーショナリーの領域を広げていこうとしている背景を踏まえ、サウナを起点にワーカーのコミュニケーションを繋ぐブランドとして、きちんと世界観をつくっていく。どんなライフスタイルを支えようとしているのか、という部分です。そこで大事になるのは商品開発の機能だけでなく、デザインのディレクションやコピーライティング、PRなどの役割。ふとサウナ部のメンバーを見返すと、コクヨの多種多様な部門から人が集まっていて、さまざまなスキルの宝庫だったんです。
―カワちゃんが一人ひとり口説いていったんですか?
そうです。みんなサウナが好きという気持ちは共通しているので、ワーカーたちにサウナを伝道していくという志にはすぐ共感してくれて、快く参加してくれました。気が付けばコーポレート部門、ワークプレイス部門、ステーショナリー部門と、部門横断型のプロジェクトになっていました。最近DAO型組織(分散型自律組織)といった考え方もよく耳にしますが、まさにそういうプロジェクトで、私が強力なリーダーシップを発揮せずとも、全員が思いとスキルを持って、自律的に動いてくれています。決まった組織のヒエラルキーの中だけで動くのではなく、目的や狙いに応じて都度柔軟に組織が組成される。これからの一つの組織のあり方のロールモデルにもなるだろうとも思っています。そんな動きが部活動の中から生まれるなんて面白いですよね。
―商品だけでなくブランドとしての展開にこだわったということですが、何か面白い展開を考えていれば聞かせてください。
自分で言うのもなんですが、メインアイテムのポーチが本当に機能的によくできています。仕事帰りのサウナに最低限必要なものが、きちんと収納できるようになっている。これさえあればサウナでの忘れ物はなくなるなと思い、実際今回色々な施設にヒアリングをさせていただきました。その結果、忘れ物に困っている施設様が本当に多いことがわかったので、少しでも力になれればと、勝手にお忘れ物防止啓発ポスターを作成しました(笑)。貼っていただける全国の温浴施設を募集しています。(問い合わせ先: saunabu@kokuyo.com )「忘れ物ありませんか?」と呼びかけるポスターですが、実際に帰り際にこのポスターを見れば忘れ物防止につながると思いますし、もちろん“SAUNA BU”ブランドのPRも狙っています。サウナハットとか本当に忘れやすいんです。
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使命はワーカーのウェルビーイングのために
―いよいよローンチのコクヨの“SAUNA BU”。今後の展望はどのように考えていますか?
このプロジェクトの面白いところは、僕らはブランドの提供者でもあり、がっつりユーザーでもあります。両方の視点を常に動かしていくプロジェクトでありたいですし、利用者ときちんと会話しながら、第2弾・第3弾を展開していきたいと思います。あとは、グローバル展開を仕掛ける野望もあります。サウナはフィンランド語であるように、フィンランドが本場ですが、アメリカにもエジプトにもタイにも韓国にも、世界中にサウナ文化があります。日本のサウナグッズを手掛けるブランドが、例えばタイに上陸してタイのワーカーとつながっていく。サウナがきっかけで関係性ができて、その後コクヨの本丸である文具や家具や空間が進出するときに後押しをする。そんな展開ができたら面白いなと、昨日水風呂に入りながら妄想していました(笑)。
―その“とことん”さが、カワちゃんらしいですね。
ワーカーのウェルビーイングを向上させる、という使命が明確なので、色々なアイデアが考えられます。コクヨには、顧客の体験価値に徹底的にこだわって、それをモノに落とし込んできた力と実績があります。テーマがサウナになっても、そこは変わらぬ強みとして取り組んでいきたいと思います。
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2回にわたってお届けしたカワちゃんのインタビュー、いかがだったでしょうか。コクヨ×サウナの取り組みにワクワクしてもらえたらうれしいです。次回は、こだわりのサウナポーチの開発者のインタビューをお届けする予定です。お楽しみに!
ポスターを貼っていただける全国の温浴施設を募集しています
お問い合わせ先:saunabu@kokuyo.com
記事内で紹介したSAUNA BUについて