【遊戯王】モリンフェンは最弱なのか?_2023_Oct【マスターデュエル】
はじめに
結論から言うと、モリンフェンは最弱ではないと言えます。本記事でその理由を述べていこうと思います。また、本記事はマスターデュエルの2023年10月時点での環境で考察しています。
背景
近年、〈クソカード医学会〉というものが誕生し、遊戯王の弱いカードにも焦点が当たる機会が増えました。
そして、古参プレイヤーがまず第一に思い浮かべる最弱カードは《モリンフェン》でしょう。
この《モリンフェン》が最弱と言われている理由をご存知でしょうか?
上級モンスターである
通常モンスターである
攻撃力がサポートを受けにくい (1550)
攻撃力が妨害を踏んでしまう (《奈落の落とし穴》)
なんか絵が弱そうくさい
だいたいこんなところだと思います。
しかし、考えてみてください。
現代遊戯王において、3と4関係なくないですか?
つまるところ、《クリッター》や《キラートマト》などのサポートカードを採用するケースは稀ですし、《奈落の落とし穴》の採用率は非常に低いと言えます。
これらを踏まえてモリンフェンの強さを主張していきます。
本論
①現代遊戯王における攻撃力(守備力)
Ⅰ. 攻撃力を参照するカードに着目したアプローチ
現代遊戯王において《奈落の落とし穴》の採用率が低いことは感覚的にわかるとして、他に攻撃力を参照するカードにはどのようなものがあるのでしょうか…?
ランクマッチでよく目にするのは《ドラグマパニッシュメント》(以下ドラパニ)くらいだと思います。
試しにその採用率をリプレイのレポートで確認しようとしたところ、《奈落の落とし穴》はそもそもレポートが出なかったのに対し、ドラパニは12%でした。
つまり、実践を想定するなら、モンスターはドラパニのコストとして有用である《共命の翼ガルーラ》(1500)(※1)や《旧神ヌトス》(2500)より攻撃力が高いことが望ましいです。
(※1): 正確に言うと《共命の翼ガルーラ》を間接的に墓地送りできる《鉄獣式強襲機動兵装改“BucephalusⅡ”》(3500)より高いことが望ましいですが、それが《強欲で金満な壺》のコストで消える可能性もあるので、1500より高い方がいいです。
つまり、 攻撃力を参照するカードに焦点を当てると、1500, 2500, 3500より高い方が良いという結論になるかと思います。
Ⅱ. 盤面に残るモンスターの攻撃力(守備力)に着目したアプローチ
少し遅れましたが、ご理解いただきたいことがひとつあります。
背景のところで説明したように、3と4が《モリンフェン》を最弱たらしめる理由として不適切だとするならば、比較対象となるのは攻守の面で《モリンフェン》(1550, 1300)に劣る、《レオ・ウィザード》(1350, 1200)であるということです。
現代遊戯王の最終盤面でよく見かけるモンスターを、そのステータス順に並べたものが以下になります。(独自作成)
上記の表から、現代遊戯王において《モリンフェン》で戦闘破壊できるが、《レオ・ウィザード》で戦闘破壊できないモンスターは確かにに存在し、このことは《モリンフェン》が最弱でないことの一つの根拠と言えるでしょう。
あとこの表作っててなんか涙が出そうになったのですが、何故でしょう。。。
Ⅲ. 予想される展開を想定したアプローチ
case1. 手札誘発で展開を止めれた時
相手の盤面に残るのは以下のようなモンスターになるかと思います。
《デスピアの導化アルベル》(1800, 0)
《ヴァリアンツの巫女-東雲》(500, 500)
《白銀の城の召使い アリアンナ》(1600, 2100)
《No-P.U.N.K.セアミン》(600, 600)
《相剣師-莫邪》(1700, 1800)
《クシャトリラ・フェンリル》(2400, 2400)
これらのモンスターとの比較において、《モリンフェン》と《レオ・ウィザード》に差があるようには思えません。引き分けです。
まぁなんかコメントしろと言われたら戦闘破壊できる範囲が違うという点で《モリンフェン》よりも《カクタス》(1700, 1400)の方が強そうですね。
case2. 《エピュアリィ・ハピネス》(以下小ハピネス)にワンキルを狙われる時
執筆時点で最もシェアが高いと思われるデッキはピュアリィです。
そして、ピュアリィにはお決まりのワンキルルートがあります。
したがって、このことについて考えなければなりません。
除去や無効カードがなければ、以下の条件を満たす場合、ワンキルされてしまいます
▼小ハピネスワンキル条件
ⅰ. 下級ピュアリィの効果で小ハピネスが成立している
ⅱ. 手札に《ピュアリィ・デリシャスメモリー》(以下デリシャス)がある
ⅲ. デッキまたは手札に《ピュアリィ・ハッピーメモリー》(以下ハッピー)が2枚ある
ⅳ. 相手フィールドに攻撃力2700(※2)以下のモンスターが攻撃表示でいる
ⅴ. 相手にフリーチェーンで発動できるカードがない
(※2): 《ピュアリィ・プリティメモリー》(以下プリティ)でライフが9000になっている場合、水準は2100以下になります。
ⅱの"デリシャスが手札にない場合"でも、フィールドに小ハピネスで戦闘できるモンスターが他に残っている場合、水準は1800以下になります。
対ピュアリィ戦において、《モリンフェン》と《レオ・ウィザード》で明確な違いが出るパターンを1つ見つけてしまいました。それは以下です
デリシャスを《モリンフェン》or 《レオウィザード》に打たれたが、相手はまだ小ハピネスにデリシャスを追加していない。
プリティを発動され、ライフが9000になっている
証拠動画を作りました
なんということでしょう。このパターンでは《レオ・ウィザード》だとワンキルされてしまうではありませんか…
全国の《レオ・ウィザード》使いの皆さんごめんなさい。
《レオ・ウィザード》は弱いです
case3. 御巫(みかんこ)にライフを狙われる時
これについては認めなければなりません。《レオ・ウィザード》よりも《モリンフェン》の方が弱いということを…
本記事にて、これまで私は攻撃力が高い方が良いと主張してきました。しかしそれは、御巫などによる自特攻を除いた話です。
一応説明しておくと、御巫は攻守0のモンスター群なのですが、共通効果で戦闘ダメージは相手が受けるというものがあります。
とは言っても《モリンフェン》に対する自特攻でライフ削り切られるまでの攻撃回数は《レオ・ウィザード》の場合と同じ6回で、大きな差異があるとは言えません。
また、現代遊戯王で全体に対する御巫の割合は非常に低いと考えられます。以下は毎日CSという大会で、月1回行われている優勝者限定の大会に関する情報のなのですが、御巫のシェアは0%なのです。まぁこのときいなかっただけかもしれないけど。
ということで、御巫に自特攻されることを考慮する必要性は低く、その影響も小さいことから、《レオ・ウィザード》と《モリンフェン》の比較において、御巫の存在はほぼ影響のないものと考えます。
②現代遊戯王におけるサポートカード
Ⅰ. 両者のサポートカードからのアプローチ
とりあえず簡単に調べてみたのですが、それぞれのサポートカードの有用性に関しては《レオ・ウィザード》の勝利だと思います。というのも現代遊戯王において、特殊召喚できない上級モンスターはデッキから出すべきなのですが、モリンフェン側は、サーチ手段もなく効果も微妙な《コスモブレイン》による特殊召喚か、増援でサーチできるけど戦闘破壊をトリガーに要求される《カオスエンドマスター》を使う方法しかありません。
一方、《レオ・ウィザード》は縛りなしのランク7という比較的出しやすい条件である《幻想の黒魔導師》で簡単にデッキから特殊召喚でき、かつ、攻撃宣言時にカードを除外できる手厚いサポート効果が用意されています。
つまり専用構築を組む場合、《レオ・ウィザード》に軍配が上がります。
しかし、私の調べた限りでは、実績(?)を残していたデッキは《幻煌の都 パシフィス》を搭載したモリンフェンビートのみでした。
同じ構築で、《モリンフェン》を《レオ・ウィザード》に置換した場合、ただの劣化になってしまうので、《レオ・ウィザード》を運用する場合、専用構築を自分で作り上げていくことが求められてしまいますね…
一応レオ・ウィザードに関していくつか構築を発見しました(参考資料1)
Ⅱ. 《トランスターン》からのアプローチ
比較対象は両者レベル5なので、デッキから出せる汎用カード、《トランスターン》による出しやすさから考察しようと思います。
ⅰ. 《レオ・ウィザード》の場合
はい、ゴミでぇ~す。いやぁ、なんとも難しそうに思えますね。
ⅱ. 《モリンフェン》の場合
うわぁこれもごm…ん?
モリンフェン×ラビュリンス、あると思います。
と思ったら先駆者がいました。(参考資料2)目のつけどころがいいですね。
ということで、《トランスターン》を採用することを考えた場合、《モリンフェン》に軍配が上がりそうですね。
おわりに
まとめ
というわけで、4000字近くに渡って、「モリンフェンは最弱なのか?」ということについて調査・考察してきたました。
気づいたこととしては、《モリンフェン》で検索したときと比較して《レオ・ウィザード》のヒット数が明らかに少なく、人気の差が大きいなぁというものでした。
そして私が出した結論としては、
ということになります。
いやー、《レオ・ウィザード》になんか新しいサポートカードとか出ないですかねぇー
それでは!
参考資料
●レオ・ウィザード側
参考資料1
●モリンフェン側
参考資料2
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