自伝のこぼれ話 35
例によって自伝の本編が進まない(書き途中)のでこぼれ話を。
私の自伝やその他の記事には
日本語以外の言葉で会話をしているシーンがかなりあるけれど、それをどう訳すか?ってのは結構気を遣うのだ。洋物のドラマや映画、洋楽の歌詞でちょくちょくあるような、下手というか不自然な和訳みたいにならないようにってね。
私は10代の頃から外国人というか日本語を話せない、もしくは片言しか話せない人と交流があったわけだけれど、彼らのほとんどが
「○○語(彼らの母語)は世界で一番難しい言葉だ」って言ってたのは面白いな。まぁ、アメリカ人や英国人がそんなことを言ってた記憶はないんだけど、私も御多分に洩れず自分の母語、日本語は世界一難しいと思ってる。日常生活に困らないくらいの英語と、片言くらいしか喋れない/少しくらいしか読み書きできない3つくらいのヨーロッパ系言語しかかじってない私が言うのもあれだけどさ。私が英語の次に少しだけ分かるドイツ語ってのは規則さえ覚えてしまえば割とイケると思う。英語と比べたら「例外的」な変化形もはるかに少ない。けれどその「規則」を覚えるまでが非常に苦労する。男性名詞、女性名詞、中性名詞があってそれぞれの格変化がやたら多いし。ちなみにドイツ語では「ズボン」は女性名詞、「スカート」は男性名詞なんだぜ!ヨーロッパ系言語では英語以外のほとんどに男性名詞、女性名詞……があるわけなんだけども、どの単語がどれに該当するかは暗記するしかない。
あ、少し脱線しちゃった。日本語以外の会話文をどうやって自然な日本語に訳そうか?って話ね。
ドラマや映画では「~だわ!」「~ってことさ」「~なのよ」……etcで終わる会話が頻出するけれど、普段そんな感じで(日本語では)言わないじゃん?特に話し言葉では。ヨーロッパ系言語でも敬語やカジュアルな言い回しってのは当然あるけどさ、語彙で遣い分けることに関しては日本語に遠く及ばないんじゃないかな。やっぱり日本語って超絶難しいと思うよ。語句の順番も揺るぎがあるというか……揺るぎがあるからこそ、かえって難しいのだね。
例。
「今日、バズコックスのレコード買った」
これ、日本語の基本の語順だよね。けど、
「バズコックスのレコード買った、今日」
「レコード買った。今日。バズコックスの」
いずれの語順でもOK。まぁ、一番初めに来る単語や語句は強調したいもので、どこに重きを置くかで変わる。
それに日本語ってヤツはこの例の様に主語を往々にして省くじゃん。
「今日、バズコックスのレコード買った」と言われたら
「え、誰が?」なんて普通は聞き返さないでしょう。主語は発話者。発話者の一人称単数。私、僕、俺……etc。ああ、日本語には一人称を表す言葉も沢山あり過ぎる!英語なら'I'しかないのにね。
ドイツ語は基本、というかほぼ動詞が二番目に来るんだね(この記事は文法のお話じゃないので説明は省きます💦)。それさえ守っていればあとはそこそこ自由。
ポルトガル語も主語は省略できる。けど、それは動詞だの形容詞だのの格変化があるから理解できるってヤツ。
というわけで、わたくしとしては日本語は世界一難しいんじゃないかなと思っているというお話でした。