酔いどれ雑記 138 浦島太郎
かつてウィーンに伊勢丹があったことをご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
わたくし、初めてのウィーンに行った2002年に一度入っただけなのですが、レシートと商品を入れる袋をまだ持っています。
「ウィーン 伊勢丹」で検索してもほぼ何も出てきませんね......。公式が「閉店のお知らせ」を載せているくらいで、在りし日の写真等は出てきません。2003年に閉店したんですね......わたくし、2008年までに結構な頻度でウィーンに行きましたが、伊勢丹がなくなったことすら知りませんでした。まぁ、ぶっちゃけ用がなかったですからね......。あ、ウィーン伊勢丹がどんなところだかご存じない方のためにお話ししますが、新宿にあるようなのを想像してはいけませんーー広めの綺麗なお土産屋って感じです。レシートによると私は土産の定番、モーツァルトクーゲル(モーツァルトの肖像が描いてある包み紙の丸いチョコレート、ピスタチオ風味のマジパンが入っています)を購入したようですが、あれは断然スーパーで買った方が安いです。
↓これですね。
スーパーで買う方が安いのに何故伊勢丹で?という疑問にお答えしましょう。
1.便利な場所にあり、お手洗いを借りたかったから
2.トラベラーズチェックを現金化するのに便利だったから
1.は説明不要ですね、そのままです。
2.は説明が必要かもしれません。現在トラベラーズチェック(旅行小切手)は日本で発行されておらず、なにそれ?って方もいらっしゃるのではないかと......。もう7年前に発行終了したんですねぇ。細かい説明は面倒なので省きますが、多額の現金を持ち歩きたくない、けれどクレカも嫌いという私みたいな人にはぴったりの決済方法だったのです。ですがアメリカはともかく、欧州では(国にもよりましたが)そのまま使える店は少なかったんですね。デパートや博物館では遣えましたが......。なのでトラベラーズチェックを一度銀行や両替所などで現金に換えてから買い物をするという手間がかかったのです。トラベラーズチェックで買い物をするとお釣りは現金で返ってきますから、デパートで少額の買い物をトラベラーズチェックでし、現金にくずすということをしたわけです。銀行は開いている時間が限られているし、日本みたいにスムースに事が運ぶとは限らず、待たされるのは当たり前だったりするので出来るだけ行きたくありませんでした。また両替所はボラれる可能性もあるのでそういうのを気にすると手数料もかからずそのまま現金のように遣えるトラベラーズチェックは非常に便利だったんです。盗難に遭っても一定の条件を満たしていれば再発行出来ましたし(私は経験がないのですが)。
もう10年も旅に出ていないので、次に行くときには浦島太郎状態かも知れません。色んな事が変わっていることでしょうから。