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【20歳未満閲覧禁止】ヘビィガンナーと氷琴アイスフィール

※この先には20歳になるまで見ない方がよい文章が書かれている。20歳未満のおまえは速やかに閉じろ。べつにハードコアエロ小説が書いてあるとか、そういう話ではない。見ない方がよい理由は差し迫った事情により、書けない。

警告はしたので、どうしても読むなら好きにしろ…というスタンスではなく、ハッキリともう一度言う。20歳未満の者は読むのをやめろ。これはおまえの残りの人生のことを考えた上での、おれからの懇願ですらある。

ちゃんと読むのをやめたおまえの勇気を讃える。
20歳の午前0時を過ぎたら、また来るがいい…













ムラサキカガミ

「ムラサキカガミ」という都市伝説をご存知だろうか?地方によっては「紫の鏡」「パープルミラー」など伝わり方はさまざまだが、「ムラサキカガミ」という言葉を20歳までに忘れないと、不幸になるというのが話の大筋であり、その不幸の中身は『結婚できなくなる』みたいなイヤなリアリティラインのやつから、『鏡の破片が全身に突き刺さって呪殺される』みたいな滅茶苦茶なやつまである。「ムラサキカガミ」のバックグラウンドとなる不幸な少女の物語が一緒に語られたり語られなかったりもするし、解呪の呪文があったりなかったりもする…だが、「20歳までに忘れないと」という文言は、おれの調べた限りは、全ての「ムラサキカガミ」に共通しているようだ。ちなみに20歳を超えてから知った場合は特に何も起こらない。この記事を読んで初めて知った人は大丈夫だ。ただし、あなたに一抹でも善性があるのならば、下記の理由から20歳未満には教えないであげてくれ。

何かを忘れるということは超難しい

「ムラサキカガミ」は所詮荒唐無稽な都市伝説ではあるが、その荒唐無稽な都市伝説ごときを根拠に「おまえは特定条件をクリアしなければ不幸になる」などと言われるのは単純に気分が良くない。いま現在、自分が幸か不幸かに関わらず、なんとなく心に引っかかるモノを感じるようになるはずだ。なんとなく心に引っかかる…それはすなわち、ほんの軽微ではあるが、おれたちの心の安寧を脅かす不幸の一形態に他ならない。20歳の誕生日にほんの一瞬でも((そういやムラサキカガミって言葉、ついに忘れられなかったな…まあ別に信じてないし、今の私はハッピーだけど))なんて思いを抱いてしまったら、そのハッピーには既に、不幸の提起に対する反証という意味が付随してしまっている。ケチのつけようのない幸福に無から発生したケチがつく。それが「ムラサキカガミ」であり、ある種の呪いなのだ。

おれたちは物事を忘れようとしても忘れられない。おれたちが楽しみにしていた映画やゲームのネタバレを踏んで悔しいと感じるのは、つまりネタバレを踏んだら最後、自力では「知っている状態」から「まだ知らない状態」に永久に戻れないのを知っているからだ。ゆえに、ムラサキカガミの呪いはたちが悪い。大抵の場合は教えたがりによって不用意にもたらされ、自衛の余地がないからだ。まさに知らぬが仏という諺の通りというわけだ。

だが、自衛の余地のある情報についてはどうだろうか?知ろうと思えばいつでも知れるような物事に関しては、敢えて知らないままにしておくことで、この呪いに対してのささやかな抵抗ができるのではないだろうか?

ヘビィボウガン以外を知らないようにしている

おれはMHX以降は剣士防具の生産リストを覗かないし、剣士の武器の知見を得ることにも極めて消極的なスタンスをとっている。モンハンの醍醐味であるPTプレイは他の武器の動きを知ってこそ上達するというのはよく聞く話ではあるが、上達というのは所詮数ある楽しみ方の手段の一つに過ぎず、ゲームを遊ぶ目的ではない。おれはヘビィボウガンを愛でヘビィボウガンで数多の狩場を転がり抜けヘビィボウガンの使い手としてハンターとしての一生を終えることを至上命題としているから、そのために上達が必要ならするし、不必要ならしない。ゆえに、ヘビィボウガンの使い手として生きる以上、ヘビィボウガン以外の武器について必要以上の情報を得ることは、ヘビィボウガンの使い手というアイデンティティに瑕疵を与えうる。肉を食ったらだめな宗教の敬虔な信者が誰も見ていないところで肉を食ったところで、誰に咎められるわけではないし、物理的な人体への悪影響は一切無いだろうが、そいつの心は一生後悔の念で呪われることになる。それと同じことだ。仮に大剣使いの動きをその身で知ってしまって、実際の狩りに活かしてしまうならばおれは「大剣を齧ったヘビィガンナー」になるわけだし、実際の狩りに活かさないのならば、「知ってて意図的に無視をしているだけの大剣を齧ったけど知らないふりをしているヘビィガンナー」になってしまうのだ。

ストーリーズ2の記憶と向き合わなければいけない

そんなスタンスでシリーズを遊んでいる中、ヘビィボウガンの登場しないモンスターハンターストーリーズ2を遊んだのはおれの意思だが、代償としてヘビィボウガン以外の武器についてのいくばくかの知識を得てしまった。例えばイヴェルカーナの笛の名前が氷琴アイスフィールで、音色が「継がれる光」の主旋律であることはもはや記憶から消えないだろう。理論武装でノーカウントにすることはいくらでもできる。だが、心の奥底で、あの作品を遊ぶことはヘビィボウガンへの重大な背信行為ではなかったか?という疑念が拭いきれていない。おれは氷琴アイスフィールというムラサキカガミを自分の意思で覗き込んでしまった。自衛の余地があったのではなかったか。おれはずっと考え、悩んでいる。答えは出ていない。


【19歳以下の方へ】
読んじゃったの?あれだけ言ったのに!?ばーかばーか!
ムラサキカガミ!!

(ヘビィ・ニンジャ)

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