【ネタバレ】深世海の考察やらなんやら

ドーモ、ヘビィヘッドです。

セールになってたので深世海を遊んだ。レビューはいくらでも転がってるので、自分用に考察と雑記。

作中の大まかな歴史(推測)

地表、氷に覆われる

人類、海底に文明を築く

人類、原核古生細菌に喰われ、個体数減る
(潜海者が一人だったのも込みで、海中生活自体はなんとかいけるが生殖が困難で少子化していたのでは)

同時期、機械生物の働きにより深海の生態調査が進み、原核古生細菌に耐性を持ち、深海環境に適応した人類の究極進化系である『鼎』と『圓』が開発される。これに転生(または変身、改造、進化、同化など表現はいくらでもありそうだが)することで、人類の深海適応の道が一つ示される。

『圓』はビジュアルがキモいので(重要。あとで書く)、これに賛同する人類と、しない人類に思想分裂が発生。

賛同しない人類は海底文明を去る。去り際、海底文明の動力である反応炉を3つ持ち去る。(以後、海底人/海中人と呼ぶことにする)

『鼎』にはエネルギー生成の仕組みに欠陥があった(反応炉が無いと円滑に活動できない?)

海底人は反応路の奪還のため、(3つ目をフナムシが持ち去ったのを見ればわかる)機械生物を放つ。

一方の海中人は、反応炉のおかげで快適に過ごす。
(時代が降ったのか、海中人は機械生物の情報を失う)
(観音様の手が地獄っぽいところから反応炉を掬い上げる絵が残っている為、反応炉についても同様に『海底から来たこと』程度の情報以外は失われ、信仰の対象と化していた可能性がある)

海中人、フナムシに遭遇し、交戦。

(時系列は不明だが、海中人は常世守に反応炉の一つを持たせて機械生物を返り討ちにしている。フナムシとの交戦後に作られたのかもしれないし、古代海中人が海底人の追撃を見越して用意しておいたのかもしれない)

海中人滅亡。機械生物にやられたかもしれないし、原因は不明。唯一の生き残りが主人公:潜海者だと思われるが、バックストーリーは不明。

本編へ

『鼎』について

デザインモチーフは子宮だとかリーフィシードラゴンだとか言われているが、シルエットは「鼎」の文字にも似ているし、女性にも見える(おっぱいに見える部分もあり、パトレイバーの廃棄物13号のよう) 

どちらかというと、海底都市のマップそのものの方が子宮の形に似ている。子宮型マップといえばMOTHERのマジカント、女体型マップであれば星のカービィ2に前例がある。

図鑑説明には「酸素を取り込んでエネルギーにできる予定だった(意訳)」とあり、深海に適応した生物としては矛盾があるように思われる。海底人全員に進化を強制させるために、海底から酸素を奪う機能をつけようとした過激派がいた(それが発端で海底人は対立を深めた)のかもしれない。

『圓』化について

『圓』になるかどうか?というのは本作の究極の選択だが、『圓』になった場合、どうなってしまうのか?を考える。

まず、『圓』になった場合、知性の減退があるのか?あるいは『鼎』に意識を支配されてしまうのか?等という自我の問題には言及が一切無い。
自我を保ったまま変質を遂げられるなら『圓』になってもいいし、そうでないのなら人間のままでいたい、というのは多くのプレイヤーの抱く感情ではないだろうか?

『圓』になる事を選んだ海底人は自ら体を差し出している。よって、既に『圓』になった人間となんらかのコミュニケーションをとり、「そちら側に行きたい」という意思をもって『圓』になる事を選んでいる可能性は十分にあり得る。実際、細菌から潜海者を救った『圓』たちは、「こっちにおいでよ」とでも言いたげであった。これは『鼎』に操られているだけかもしれないし、自我の存在証明にはなり得ないが、表面的には、コミュニケーションが可能な存在であるように見えてしまう。『鼎』は機械生物を操れるほど高度な知性を持っている点も考慮すべきだろう。

一方で『圓』になるのを拒んだ者たちは、そのビジュアルを非難したことが図鑑に記されている。見た目がキモいからイヤだという理由で対立し、去り際に動力源まで奪ってしまうのは非道なように思えるが…さて、ここで思考実験をしよう。

もし、前情報なしにゲーム内にいきなり『圓』が現れたら、あなたは敵キャラだと思って先制攻撃を仕掛けて殺害するのでは?

実際に、あなたはセンジュナマコなどの無害な生物を何匹か殺害したはずだ。何故?攻撃してくると思った?それは何故?キモいからでは?

あなたがそうした行動をとるとするならば、海中人の先祖の行動は誰も咎めることなどできないのではないだろうか?『圓』は知性の証明ができないバケモノで、知性を持った人間を騙して仲間に取り入れようとしているかもしれない。そこの判断がつかない以上、唯一はっきりしているキモいということを拒絶し、攻撃するのはある意味では真っ当な生存本能の表れである。

「種として生存し、繁栄したい」という点は、『圓』になる選択をとった者も、とらなかった者も変わらない。

『圓』になっても本質的には自分のままでいられるのか?はたまた、自分ではなくなってしまうのか?深世海という作品は、古典SFからさんざん擦られてきたテーマを極めてシンプルな形で再生産し、令和の時代に提示してきているのだ。


ちなみにおれは、どこかにいるかもしれない人類の生存者を探して、氷を溶かして地表を奪還し、海底のクソ細菌をぶっ殺すのが正解だと思う。

できなくても最期まで足掻き続けて、どうしても駄目なら、滅ぶ。

潜海者が向かう先は、あるいはそうした世界なのかもしれない。

(ヘビィヘッド)

【おまけ】
反応炉の名前はアルバート、トーマス、ミハイルであり、それぞれロックマンのDr.ワイリー、ライト博士、コサック博士のファーストネームである。

…というのはよく目にする小ネタだが、実はこれには続きがあり、ロックマンシリーズのうち『ロックマンZXA』というタイトルにも、元ネタを同じくした同名の3人が登場する。作中で見られる反応炉の図面にはこの3人の顔が描かれており、上記は厳密には『元ネタの元ネタ』である可能性が高そうだ。

ちなみにZXAにも人類を超える存在に進化しようとする悪役がいたり。

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