【配信技術ミニメモ#4】重要:オーディオドライバによって異なる挙動による WC ロック外れ(no clock)
vMIX で発生した問題(ただし vMIX に限らない)。
ネット上には参考になる情報がなかったため備忘録代わりに書いておく。
オーディオI/Fを Antelope から MOTU に変更したマシンでオーディオI/Fのクロックを vMIX 側のものに強制されてしまって WC ロックが外れてしまう(no clock)という問題。
状況説明:
現在、配信時は3台のPC(相互バックアップ)を稼働させてそれぞれにオーディオI/Fを接続。オーディオI/F間はADATで相互接続。これにより NDI 接続と違いほぼレイテンシーゼロで音声を扱える。クロックマスターは Antelope Orion Studio。オーディオI/F は 3台とも Antelope で、vMIX の音声入出力をハンドリング。
今回、ADAT 相互接続環境を AVB に置き換えるプランの第一歩として、Antelope Zen Tour(デスクトップタイプの業務製品ライン)を MOTU 828es に置き換えた。
従来同様、MOTU 828es は Antelope Orion Studio からの WC をスレーブとして受けている。
現象:
Antelope ドライバの時は、vMIX の master クロック設定(WC のマスターとは別の意味)がどうあれ、Antelope ドライバ側での設定に従って受け入れてくれていた(vMIX 起動時も、Audio Input 追加時も、ドライバでの設定に従う。まぁ、普通はそうだ)。
これが、MOTU ドライバだとそうならず vMIX の設定を強制される。この時、WC マスターのクロックと vMIX のクロックの設定が異なると、vMIX の設定が優先されて WC ロックが外れて no clock になってしまう。
普通、追加した Audio Input が悪いと思うだろうが、設定にはそんな設定はない。にもかかわらず接続のプロパティには強制されたクロックが表示され変更不可。
解決方法:
結局、vMIX の master を設定し直すしかなかった。これをすることで、異なる sample rate で入ってくる音声(例えば NDI など)に問題が出ないか心配だったがそれは大丈夫だった。
vMIX だけでなく他のものでもこの現象は起こり得る。
クロックが勝手に外れる問題が起きたときは、デバイスではなくソフトウェア側をまず調べてみるのが良いかと。
↓ 無事ロックして、ホッとしてます。ふぃ~。