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スペインの”Traveling Light” に参加してきます

突然ですが、スペインに行って来ます。正直かなりドキドキしてます。今回はその旅のきっかけについてとTraveling Lightの概要についてまとめました。(とても長いです)

私的な備忘録にするつもりだったのですが、一番最後に切実なお願いもあるので、写真好きな方もそうでない方も最後まで読んでほしいです。

スペインへ行くことになったキッカケ

キッカケは濱田のおっちゃんが今年の4月に呟いたこのツイート。

「そういえば濱田さん、なんか去年スペインのイベントに参加して楽しそうだったな〜。いいな〜。」と思っていたら、「一緒に行きませんか?」の文言が!

いや、興味はあるけど僕いま無職(昨年末にZOZOTOWN系列のITベンチャーを退職)でにっちもさっち行かないからな〜・・・めっちゃ行きたいけどなー!」と悩んでいましたが、「逆に無職の今しかないな!」という割とアッサリした開き直りで行くことを決意。(あ〜ぁ、お金ないのに…)

ちなみに昨年の様子をまとめたモーメントはこちら。詳しい内容はもちろん、去年のレポートになっています。


濱田さんについて

濱田さんは写真界隈では説明不要の写真家でしょう。

先日もコマーシャルフォトで特集が組まれたくらい、飛ぶ鳥を落とす勢いの写真家です。

"インターネットをきっかけにフォトグラファーデビュー。
パナソニック、TBS「この世界の片隅に」のグラフィックなど
広告ポスター、雑誌、Webと媒体を飛び越え、仕事の幅を広げている。
その一方で、写真集出版、個展開催と作家活動も勢力的に行なう
濱田英明にこれからのフォトグラファー像を語ってもらった。"

〜COMMERCIAL PHOTO (コマーシャル・フォト) 公式サイトより〜

最近はいろんな広告案件も手がけ、ドラマ「この世界の片隅に」のスチール撮影では、公式Instagramアカウントでもその世界観が話題になりました。(しかも全てフィルムで撮影!)

SNSでもかなり活発に発信をしていて、写真家を目指す若者はフォローしている人も多いのではないでしょうか?(個人的にはTwitterの方がリアルな声が聞けて面白いかと)

参加の前に個人的なことをダラダラと

今回の話からかなり脱線するので、興味ない方はパパッとスワイプしてください。(僕が写真に出会った背景などの説明です

こんなことになるなんて、写真を始めた10年前には思ってもいませんでした。当時はゴリゴリの体育会系で、大学の中でも割と忙しいゼミに入ることにしたので空手を引退。手持ち無沙汰だったので、ゼミの同級生に誘われるがままに写真を始めたのが始まり。当時はInstagramは無く、Flickrというサイトでいろんな人の写真を見ていました。

その中に、「デジタルっぽくない写真」が混ざっていることに気づく。その写真をディグっていくと、どうやら使われているのはフィルムカメラというものらしい。そこからはフィルムに傾倒。近くに誰もフィルムを使う知り合いがいなかったけど、インターネットのおかげでカメラも手に入れ、使い方もなんとか理解できた。大学3年からはHasselbladが相棒になって、狂ったようにバイト代をつぎ込んでモノクロで撮りまくって自家現像していました。

昔も今もポートレートばかり撮ってます。(2010年撮影)

Flickrについては本当に最高のサービスで、今回スペインに行く発端となった濱田英明(ハマダのおっちゃん)との出会いもFlickrのおかげだった。(これはまた長くなるので割愛)

そして卒論でアラーキー分析に挑んで、担当教授からヌードばっかり載っている”写真時代”も大量に借りて(そもそも教授は何故持っているのか笑)やってみたのに、卒論提出間近に飯沢耕太郎さんによるアラーキー分析年表が発売されて、「あ、こりゃ勝てねーわ…」とポッキリ挫折。

じゃあフィルム写真が好きだから、どうすればこの先もずっと残っていくのか、その道を探ってみよう」と方向性をシフトしたのが、今につながるキッカケだと思う。

そっからは、鹿児島のカメラ修理屋に集まるお客が有志で作り上げたフリーマガジンの取材や、熊本のHaco Photoshopで富士フィルムのカメラ開発者(KLASSE クラッセやX100などを作った上野隆さん)へヒアリングをして怒涛の勢いで卒論をまとめあげた。今振り返るとスピード優先で稚拙な内容だったが、その時の情熱と写真に救われた過去があるからこそ、「フィルムを絶対になくしたくない!」という気持ちを熾火(おきび)のように心の奥にずっと秘めておくことができたのだろう。僕自身がいろんな意味で世話になったからだ。

熊本のHaco Photoshopの平田さん。よか人です。(2011撮影)

そして現在、幸運なことにフィルムでの撮影仕事も少しずつもらっている。今となっては写真との出会いも卒論の挫折も、不思議なことだが必然だったんだろう。

ちなみに、先述の鹿児島のカメラ修理屋、カメラサービス鹿児島は店主逝去のため閉店。(フィルムカメラの”治し手”が次々と居なくなっている事実にも危機感が募ります…)

写真史を振り返っても、こんなにフィルムに支えられた時代があるのに、手軽さや経済合理性ばかり優先する世の中の流れのせいでデジタル一辺倒になって、フィルムが廃れて行く流れには違和感があります。(もちろん、さまざまな要因があることは承知していますが…)

選択肢として、デジタルとフィルムの両方があることを目指したい。
たとえば絵画では油絵と水彩画という表現手法があるが、目指すトーンが違えば、使う道具も全く異なる。どちらかが一方的に優れているということではなく、それぞれの良さを理解した上で、どちらもなくならない「共存していく状態」が僕の考える理想形です。

難しいことだとは重々承知してるんですが、メーカーの方(特にFujifilmかKodak)が見ていたら、何らかしらお手伝いしたいのでお声がけしてほしいです。(前職のWebマーケの経験を活かして動きまくります!)

”Traveling Light” イベント概要

いやー、マジで脱線しました。すいません。ここからは本題に戻ります!(公式サイトを元に英語が苦手な僕が解釈しているだけなので、間違っている箇所もあるかもしれません。あらかじめご了承ください。)

インスタで公式アカウントもあります。今年の様子も随時更新されていくので、気になる方はぜひフォローしましょう。

Traveling Lightの目的は、ざっくり言うと"フィルム写真家同士がつながることを手助けすること"です。フィルム人口が急激に減っている昨今、どの国でもフィルム写真家は希少な存在となっています。

なかなか交流のない彼・彼女らが国境の垣根を超えて集まることで、新しいアクションやうねりに繋がっていくのではないか
、ということですね。(わかる、わかるぞその気持ち。)開催は今回で2回目。初回に呼ばれた濱田さん、やっぱすげーヒキ持ってるな。

しかも場所は美しい海や街並みが広がるヨーロッパ、スペインの田舎町。フォトジェニックなロケーションまで用意してくれている主催者、ぬかりない!

”Traveling Light” 前回の様子

公式サイトにも紹介されていますが、とてつもなく楽しそうです。コミュニケーションするためにスペイン語勉強しなきゃ…(遅すぎる)


大判カメラ(シノゴ)で撮られた参加者の集合写真。予想よりも多い!

この様子を見ているだけでもかなり期待が高まっている自分がいます。

動画も郷愁感を誘う編集になっていて、なんだか懐かしい感覚になります。(濱田のおっちゃんを探せ!)

主催しているお店や協賛している企業について

実際、これだけの規模のイベント(しかも国境超えての交流)を運営するのは、相当大変なことだと思います。

協賛企業

よく見てみると、協賛にFUJIFILMの名前が!ありがとうFUJIFILM!(僕にもフィルムちょこっとください♡)

そして真ん中の上の方をみてみると、"CARMENCITA Film Lab"の文字が。このイベントの運営はここが主体のようです。このお店はスペインのバレンシアという地方都市(港沿いの日本でいう神戸)にあるのですが、既存の写真屋のスタイルとは違うアプローチで成功しているお店のようです。ここもすごく気になっているので、イベント終了後に濱田さんと一緒に行く予定です。

カルメンチータのスキャンニングは、とても綺麗!フィードに並んでいる写真のスタイルも、やはりヨーロッパは日本のそれとかなり違うことが見て取れますね。話を色々聞きたいし、お店を見学するのが今から楽しみでしょうがない。

今回のスケジュール

イベントスケジュールはこんな感じです。10/31〜11/5までと、結構長い期間あります。

初日の10/31にバルセロナからバスで会場へ行き、夜はそのままオープニングレセプションパーティー。次の日から写真家によるトークイベント、ワークショップなどが始まります。昼食やディナーも参加者と共にする形式で、交流を深めるとてもいい時間になりそうですね。11/3の夜にはジャズコンサートの予定も。11/4には映画の上映も。さっきの動画をみるとわかるんですが、会場が田舎町の古い映画館なんです。いろいろと豪華すぎてビビりますが、ワクワクが止まらないですね。

今回は日本から横浪修さんがスピーカーとして参加する予定で、そのトークもとても楽しみです。

ワークショップについて

Traveling Lightではワークショップも企画されています。イベント開催日程で2つのワークショップに参加できるようで、それぞれの第一線で活躍しているフィルム写真家の哲学や知見をいろいろと吸収できるチャンスです。

せっかく参加するので、なにかに参加したいのですがまだ迷っています。だって魅力的すぎるから!

個人的には左下の湿板写真ワークショップに興味があります。いや、嘘つきました。全部!かなり迷いますが、どれにするかは後日のレポートで判明しますのでお楽しみに。

最後に(読んでくれている人へお願い)

僕は現在無職です。来月から有職(なんや有職って)となり、大阪へ引っ越す予定ですが、なかなかの物入りです。

・10月末〜11月中旬までスペイン(後半はバルト三国とドイツ)
・帰国後、大阪へ引っ越し

→まだ物件決めてません。大阪市内の不動産に詳しい方いたら繋いでください…

このように、貧乏旅行になるのは大前提なので、投げ銭でみなさまから支援していただけると非常に嬉しいです。

フィルム写真が今後続いていくような、何かしらのヒントを得てきたいと思っています。そしていずれは地元の鹿児島で写真屋を開きたいです。(これについてはまた別途書く予定です)

とにかく、ものっすごいド貧乏なのでご支援のほど!
(スペインの写真もフィルムで撮るので現像代の足しにしたいでごわす)

最後が物乞いみたいになってしまいましたが、とにかく楽しんでレポートまとめます。連載にして有料にするという手もありますが、なるべく広くいろんな人に「フィルムって楽しそうだな」と感じてほしいので、無料で公開していきます。引き続きウォッチして欲しいので、よろしくお願いしますー!

以上、ゴワスからのお願いでした。(Wikipediaか!)




車と人を大判カメラで写す“Car with us.”を撮影しています。いただいたサポートは、フィルムや現像代など、“Car with us.”シリーズの感材費に充てさせていただきます。