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『こどもかいぎ』
北村裕花 作
フレーベル館
子ども会議が開かれています。議題は、
「おこられたとき、どうすればいいか」です。
子どもたちの意見では、
「謝るのがいいんだけど、怒られるとビックリして謝れなくなっちゃう」
と言うあたりのようです。
「わらってごまかす」などの意見も出ましたが、「それはもっと怒られるよ」
と言うことで。
さらに子どもたちの話題は、「お父さんやお母さんが怒るとどれだけこわいか」と言うところへ飛び火します。司会が「今日の議題は『おこられたときどうしたらいいか』です」と話を戻しました。
結論としては「ぎゅっとする」です。謝ったり仲直りする時にスキンシップを取るってことですね。
子どもって、やっぱりおこられたくないんですよね。「おこらないでほしい」というのは、偽らざる願いだと思います。おそらく、大人が怒った時点で
「失敗した」
「悪かった」
ということを感じているのではないでしょうか。
悪いことは悪いのであって、それが伝わったなら、お互いにぎゅっとして終わっていいと思います。
では、大人が怒らなければいいのかというと、そうは思いません。子どもは怒られたことで失敗した、悪かったと気づくのであって、最初から怒られもしなかったら気づかないんじゃないかな。
それが将来のために知っておいてほしい大切なことであれば、失敗も過ちも子どもにとって大切なことを学ぶいい機会です。そんな時は、怒ってもいいし、怒る演技をするっていうのもいいですよ。演技だと本当には怒ってないから、仲直りもすぐできますよ。怒ったふりをするのは結構おすすめです。
きっと大切なことは子どもが失敗から学べることだと思います。
というわけで、私は子どもを怒ってもいい派ですが、子どもが「怒られたくない」「優しくしてほしい」というのもよくわかるので、
「それはどうなのかなあ〜」
なんて、再考を促すのがいいのかもしれませんね。
若い頃に、産休代替えの先生をやりました。その時に、「どの子も怒られる経験が必要だと思うので、一度ずつ怒っています」という引き継ぎを受けました。4人の子持ちのお母さん先生でした。長い人生、一生怒られないで行くことは、多分ないので「こういう考え方もあるんだな」と感心したことがあります。一回も怒られないで大人になったら、一回目怒られた時のダメージが大きいですよね。
大人の立場からいろいろ書きましたが、特に家族であれば子どもは、大切な一生の仲間です。将来は自分が子どもに怒られることもあるかもね。なんて考えながらも、怒って、仲直りして、『こころをなくしたかいじゅう』じゃないけど、喜怒哀楽を共にしながら一緒に生きている。そういう感じがします。