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『おすしがふくをかいにきた』
田中達也 作
白泉社
ビルの立ち並ぶまちのようですが、よくみると回転寿司のお皿や、寿司下駄、醤油差し、湯飲み茶碗かな?
えらいかっこよく見えますね。
その街中で、サングラスをかけて歩くマグロの生寿司。おしゃれでクールです。
お寿司は、服を買いに来たのです。
服というのは、お寿司のネタです。シャリがサングラスをかけてお洒落なネタを選んでいるのです。
えーっと、どんな服があるかというと、
サーモン、
たこ、
卵焼き、
エビ、
他にも色々あります。ハンガーに下げて売られています。
シャリを人に、ネタを服に見立てているんですね。そこで、普通の店員さんが、サングラスをかけたシャリのお客にネタの服をすすめる、というシュールな光景が絵本の中に広がっています。
面白いですね。
見立て遊びの絵本ですね。
表紙も、お皿はお皿のまま、寿司下駄は寿司下駄のまま、醤油差しも湯飲み茶碗もそのままで、ビルや建物に見立てているんですね。
もちろん歩いているお寿司もお寿司のままで、服を着た人に見立てている訳です。
絵本として新しい感覚、それと同時に江戸時代のような見立て遊びの感覚を感じます。これは楽しい。
さて、お寿司の次には、アイスが帽子を買いに来ました。
これは、アイスのコーンが人です。そしてソフトクリームやアイスが帽子に見立てられています。
そして、チョコレートやウエハスやプリン、ワッフルの上にアイスの帽子が飾られていますよ。すごく美味しそうで幸せな気分になるお店です。
さて、お次は箱が着付けにやって来ました。呉服屋の感じです。箱に帯のようにリボンを巻いたり、飾りをつけたり。ここの店員さんは着物を着ています。最後に記念写真も撮ってくれました。
その後は、鉛筆が頭をカットしに来ました。なんか、わかりますねえ。鉛筆が頭をかっこよくカットしてもらって芯を出すわけです。芯を染めて、色鉛筆にもなれます。素晴らしいです。
そしてさらに!しゅうまいがサウナに来ました。もうこれは、せいろのサウナしかないですね!せいろとまきす、中華のお皿などでサウナの雰囲気まで出しちゃうのが名人芸です。
ソーセージが車を買いに来ました。車は何かというと…。パンです。パンにタイヤがついています。ホットドッグの感じですね。茶色いパンとレタスで大地を表現。パンの車で彼女とドライブです。
最後には、いちごがベッドを買いに来ましたよ。もう、ここまで来たらお分かりですね。いちごが何のベッドを買うか。多分貴方の思った通りですよ。私もそれだと思いましたよ。これはどこかでこの絵本を探して、「やっぱり!」と確かめてみてください。
では、では。
見立て遊びの面白さを満喫できる絵本でした!