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「政府の資産は売れないから意味がない」に反論する。

気になったので、リフレ派の立場から少し調べてみた。

まず、我々の意見は「政府は負債同等に資産を持っているから、財政破綻する確率は約1%(1)であり、国債を発行することで財政政策と金融政策を進めていくことで経済成長を狙い、将来的に国債を返しやすくするべきだ」という意見である。

政府と日銀を合わせて資産と負債(借金)を比べると、ほとんど差はない。あるとしても、国にとってはどうってことがない額である。(2)

だから、もっと国債発行をして国が必要な部分にお金を出し、日銀が投資家が元気になるような政策をすることで経済を成長させる。経済が成長したら、皆喜んでお金を使い、お金持ちになるので税収が増える。

という主張である。

これに主流派(?)は反論してきた。

「政府が持っている資産は土地とか建物とかで売れないから、資産に数えても意味ないぞ」

これにリフレ派は反論する。

「政府が持っている資産のうち、土地・建物は2割しかない。他は金融資産(政府関係法人)だ。これは売却可能である(3)。」

この点、少し調べてみた結果、こんなことが分かった。

「金融関係法人について定めている根拠法は、政府関係機関は定められた上限以上に政府が株式を持っている場合は、売却可能であることが前提で存在している。売却は一気に行われるわけではなく、少しずつ行われる。」(4)と言うものである。

つまり、法律上は金融資産を売ることができるという証明でもある。(実務ではよくわからないが)

また、主流派から「そんなに一気に売ることは不可能だ」という反論もあったが、「一気に売るわけではなく、ちょっとずつ売ることはできる」という反論にもなる。

何も我々も「国債をこのまま増やし続けたい」とは思っていない。ただ、国債を減らすためにも、財政危機を回避するためにも、まずは経済成長が大事たという前提に立っていることをお忘れなきように。


私は財政学やマクロ経済学を勉強してきた。しかし正直言って、経済学者でない一般人の私に真実などわからない。心理学者ジョナサンハイト曰く、我々は像(感情)の上にただ載っている像使い(理性)でしかない(5)のだろう。学者や専門家が弁証法で決着をつけることでしか真実を証明できないのかもしれない。

ただ、この問題は他分野からの視点が必要であることは間違いない。マクロ経済学(財政学だけではだめ)は必須。会計学、細かい法律、実務など様々な分野が関わり、多角的な視点で分析する必要があるだろう。

(1)『激論!クロスファイア 高橋洋一✖️原真人2019年5月26日 BS朝日』
(2)高橋洋一(2019)『財政破綻の噓を暴く』平凡社新書
(3)高橋洋一(2016年01月14日17時05分)『高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 「日本の借金1000兆円」のまやかし 「天下り先温存」が大前提だった』JCASTニュース
(4)齋藤 潤(2017/11/24)『齋藤潤の経済バーズアイ (第68回) 民営化によってどれほど「民営化」しているのか』公益社団法人日本経済研究センター
(5)ジョナサンハイト『社会はなぜ左と右にわかれているのか』(2014. 高橋洋.訳 紀伊国屋書店)

※「負債以上」→「負債同等」に修正

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