「残穢」によって目覚め「来る。」が大好きになって「コワすぎ!」に笑い「降霊」から逃げてきた話
お久しぶりです。今、決して布団から足を出さないようにしてこの記事を書いています。
半年ほど前、短い人生の中で怖い話が生理的に無理すぎた私が突然に、映画がJホラーしか観られなくなる奇病にかかったことがあり、それから続くにわかJホラー好きの歴史を辿ってみようと、備忘録のような形で書き始めました。拙い上に自己満足です。
※「残穢」「来る。」「降霊」「ノロイ」などのJホラー映画に対してうっすらとネタバレがあります。
発端
記憶を辿ってみると、一つの映画に辿り着きます。
「残穢ー住んではいけない部屋ー」(2016)という、小野不由美さんの原作が映画化された、Jホラー映画。
シネマトゥデイ予告編→https://youtu.be/JHtyWAkX3zo
あらすじ
小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督により映画化。小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」とい書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる
画像、あらすじ引用元
えげつない物語でした。人間の生活の中で、必ず生まれてしまう「穢れ」というものが、誰にも解決できない因果関係の中で途方もなく広がっていき、現実の薄皮一枚下に溜まっている。それに触れるか触れないかは、完全に運で決まってしまう・・・。世界、日常の見え方が全く変わってしまう、さりげなくも致命的な恐怖。
なぜ観たのかは記憶にない。マジでない。そのことすら怖い。NETFLIXでその映画を観て、丸2日家中の電気を全部付けて一睡もせずに過ごした後、私はその奇病にかかってしまいました。ちなみに観てから3日目で番外編の「奇談百景」を観て「赤い女」にビビり尽くし徹夜が1日プラスされました。バカ。原作も読みました。
奇病発症 その後
その後、症状は薄まったものの、今なお毎日「禍話リライト」タグを巡回したり、配信されてる映画を貪ったり、配信に無いJホラー映画を求めてTSUTAYAをフラフラしたり、実話怪談本を読んだりと奇病は慢性化し、「残穢」という物語は、私に「身近な恐怖に怯える」という行為のなんとも言えない魅力を刻み付けてくれました。
「リング」「呪怨」「着信アリ」「仄暗い水の底から」・・・・。有名なとこから観て、自分の部屋のクローゼットの隙間、天井の隅の暗がりに、震えながらも楽しんだ。色々な作品を見る中で、別枠で「完全なるフィクションホラーの楽しさ」も実感しました。
画像引用元→https://twitter.com/kowasugi_movie
ネットで「最恐!」と謳われていた「ノロイ」に震えた後、「オカルト」「戦慄怪奇ファイルコワすぎ!」「ある優しき殺人者の記憶」などの白石晃士監督作品を新しく観て、大胆なフィクションの主軸を細かすぎるリアリティでガチガチに固めたモキュメンタリーホラー、こんなに楽しいホラー映画の形があるのか!とドンピシャにハマりました。あと単純にめっちゃ強い霊能力者が怪異と戦う映画大好きなのだと気付いたというのもある。
画像引用元→https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fmovies.yahoo.co.jp%2Fmovie%2F363376%2F&psig=AOvVaw0OJuoWK_-uD0_bX5zsBcPk&ust=1590364187036000&source=images&cd=vfe&ved=0CAIQjRxqFwoTCLicm7qWy-kCFQAAAAAdAAAAABAD
白石作品を知る前に「来る。」(2018)という、激ツヨ霊能力者が準備を重ねて(準備ゾーンが大事)怪異と戦う映画が大好きだったのだ。前編のえげつなさも後編の清々しさも、そして全編を通して語られる誠実なメッセージ、大好きな映画でした。「来る。」については思い入れも強いので、また違う形でnoteに記事を書こうと思います。(多分)
黒沢清作品からの逃亡
ここまで色々な作品を挙げてきました。詳しい人ならすぐわかると思いますが、Jホラーが好きになってきたと自称しつつも、私は90年代Jホラーを語る中で欠かすことの出来ない黒沢清作品から、なんのかんのと理由をつけて逃亡を続けていました。理由は、単純に「耐性のないタイプの恐怖」を描いているからです。
でも嫌いなわけではないんです。「CURE」は頑張って観ました。世界観、あの気持ち悪さの表現。非現実的であるのに、身近な不気味さ。ストーリーの後味の悪さ。人間同士のギクシャクも、見ていて辛くなるほどリアルで素晴らしかった。
しかしその次に観た「降霊」から、私は逃げ出しました。
画像引用元→https://filmarks.com/
霊能者が選ぶ「本物の霊っぽい霊を描いた映画ナンバーワン」という、嘘かホントかわからない噂も納得してしまうほどの、じっとり静かで異様な雰囲気。昼歩く幽霊、パート先のファミレスに現れる幽霊。
90年代フィルム撮影の質感が描く静かな恐怖は、まさに一世を風靡した「Jホラー」という作品形態を代表するものでした。
怖いという感情はこれほどまでに多彩なものだったのかと実感しました。未知なものへの恐怖の上に、平凡な人間が破滅していくさまを、まざまざと見せつけられるという恐怖の二倍づけ。現実逃避のために映画を見ている私の精神状態には特に後者が効きすぎました。でも、大好きです。Jホラーを見ているな〜という、あの、昼間だろうが夜だろうが、明るかろうが暗かろうが、背中がゾクゾクっとする感覚。たまりません。
色々と書きましたが、今も奇病は細々と続いています。なんだかんだ言ってJホラー大好きです。直近の目標は黒沢清作品を観ることと、アリ・アスター作品を観ることです。頑張ります。
あとOSOREZONEさん、いつもありがとうございます。「コワすぎ!」シリーズなど楽しく見させていただいてます・・・。
おわり
「残穢ー住んではいけない部屋ー」(NETFLIX)
https://www.netflix.com/n/f99a5efa-541d-46bd-bb25-af1986d27dee
ホラー映画専門チャンネル「OSOREZONE」
「戦慄怪奇ファイルコワすぎ!シリーズ」など配信中
「降霊」DVD
「来る。」TSUTAYAレンタル