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「街の灯」は映画というよりちょっと感動するコント【チャップリン】
1931年公開『街の灯』
チャップリンが監督・脚本・製作・主演、さらに作曲までしているコメディ映画である。
この映画にはセリフがない。というか昔の映画は音声がなかったらしい!
音声つきになったのは1930年頃からで、それまではスクリーンの脇に楽団がいて、映像に合わせて音楽を奏でる、映像と音楽のみのエンタメやったと。
現在2023年、スマホで映画流し見人間の私からすると「何がおもろいん?それ」という感じであるが、当時の人たちにとっては画期的やったっぽい。(笑)
ちなみに日本では楽団だけではなく「活動弁士」という人がおり、セリフを読んだりナレーションを読んだりしてくれたり、よりライブ感たっぷりのエンタメだったそうな。
ええ〜これやったらおもろそうやん。
けどこの活動弁士は日本だけで発展した独自文化らしい。不思議。
つまり、『街の灯』が公開された頃は、ほとんどの人が映像と音楽だけで映画を楽しんでいたと。
というわけで観てみました。チャップリンの代表作と言われている『街の灯』。
初めて観た感想をネタバレしながら書いていきマス!
ちなみに、この頃はすでに音声つき映画(トーキー)が出現していて、映画界はすっかりトーキー一色やったらしい。
しかし、セリフをつけると言語が限定されてしまい、観られる人が限ってしまうという想いから『街の灯』もサイレントで制作したそう。(恩師談)
映画の音楽は全てチャップリンが作曲し、セリフはないけど音楽は映像にのっているという「サウンド版」となっている。
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映画はまず、街で行われている謎の像の除幕式から始まる。
“「平和と繁栄」の記念碑をこの街の人におくる”
というテロップののち、除幕されたら浮浪者のチャップリンが像の上で寝ているというシーン。
ここで聴衆はなんだあいつは!?みたいになるのだが…
私的にはまずこれがわかりづらかった!(笑)
ここは事前にあらすじを見てたから、ちょっとしてから「ああ、これが浮浪者のチャップリンね!」となったけど、たぶん初見やと意味がわからんと思う。
なぜなら…
私たちが想像している浮浪者よりだいぶ綺麗やから!(笑)
浮浪者って聞いたらなんか汚い格好して汚そうな見た目してるかと思いきや、チャップリンは帽子にステッキにスーツという綺麗な格好。
だから普通に「除幕式の演出の一部かいな?」と思ってけど全然違うかった。(笑)
しかもそのあと、裸の女性の像にチャップリンが見惚れているというシーンになって、チラチラその像を見ていたチャップリンは後ろの穴に落っこちる。
全然意味がわからんくて、なんやこの描写は?いるか?と思ったけど、今思えばこの映画はコメディ映画ということで、あれはきっとショートコントやったんやな??
ちなみにドリフターズはチャップリンにめちゃくちゃ影響受けてるらしく、「志村うしろ」の元ネタっぽいシーンでもある。
そのあとようやく映画本編っぽくなって、
ヒロインの盲目の女性と出会い、金持ちの男と友人になり、その人からもらったお金を盲目の女性にプレゼントして、チャップリンは冤罪で刑務所へ。
最終的に目が見えるようになった女性とチャップリンが再開する、というところで映画は終わる。
さて、現代っ子私がふつーーーに観た感想としましては、
「へぇ〜これがチャップリンかぁ〜」
でした。(笑)
っていうか普通に映画として観てたけど、これは基本は「お笑い」ってことやんな?ちょっと感動のあるお笑いみたいな。
既視感のあるものばっかりやし、テンポの速いお笑いが好きな私にとっては「タメがなげぇな」とか思ってしまうけど、きっと当時は画期的やったんやんな??(笑)日本の昔の芸人感はかなり感じるし。
でも映像をやってる身からすると、映像と音楽だけでほとんど表現できるということを感じれたのが良かった。
普段YouTubeの動画観てると、BGMや効果音が多少変でも、内容や演者で押し切れたりするんやなと思うことがある。
けど、
映像と音楽だけで全て語る
ぐらいの気持ちでBGMも効果音もつけていこうと思った!
編集者として、まだまだ内容に頼ってたなと反省した!
これが一番の収穫かな。サイレント映画なんて初めての体験やったし。
あと、今は昔と違って手軽に動画撮影できるんやから、もっと作品作りやっていこうと思った!
だって画の綺麗さなんか絶対iPhone方が勝ってるやんな?(笑)音も録音してくれるし、なんなら編集もできるし。
まぁ動画に限らず、なんか現代を楽しみつくしたいなと思いました!
次は「独裁者」観るぞー!
さっとん