2023/12/26 日東紅茶の思い出
よく、アールグレイとアッサムティーの茶葉を適当に混ぜて、淹れている。
自分が買っているアールグレイは、私にとっては少し渋みが足りず、なんだか味がおとなしくて物足りないのだった。
ティースプーン半分くらいのアッサムティーの茶葉を足すと、ちょうどよい渋みが加わって美味しく飲めていた。
少しずつしか使わないので、100グラムの袋を買ったらずいぶん長い間飲めていた。なくなったので買いにいったら、店頭から姿を消していた。
品切れではなく、どうやら廃盤になってしまったようだった。値札が外されてしまい、その商品があった場所には別の品物が並べられていた。
とあるスーパーのプライベートブランドの紅茶なので、もしかしたら円安の影響で、もうアッサムティーの茶葉は輸入しないことになったのかな……と寂しく思っていた。
諦めて、 Amazonで別のアッサムティーを購入してみたけれど、想像とは全く違う味でがっかりした。その茶葉は、ほとんど渋みがなかった。
物足りなく感じながら、ひと月くらいアールグレイだけで飲んでいた。
そのうちにだんだんまた円高になってきたので、もしや、と思って紅茶の棚を見に行ったら、ちゃっかりアッサムティーが復活していた。さっそく一袋買って帰ってきた。
今日久しぶりに、アールグレイにアッサムティーを少し足して淹れ、ミルクティーにして飲んでみた。
そのときふと、これ、昔どこかでよく飲んでいたことがあるような……と思った。
そう、子供の頃によく母が淹れてくれた、日東紅茶の味に似ているのだった。
耐熱ガラスでできた透明なサーバーに、日東紅茶のティーバッグを二つくらい入れ、魔法瓶からお湯を注ぐ。ティーバッグからふわふわと赤いもやのようなものが流れ出し、サーバーの底の方からゆっくりとお湯の色を変えてゆく。
妹がまだ生まれていなかった頃は、父と母と私の分の三つのティーカップを並べて、同じ濃さになるように気をつけて母は紅茶を注いでいた。
母がそうして紅茶を淹れてくれたのは、日曜日の朝だったような気がする。
砂糖入れは半透明の、淡い紫色のプラスチック製で、母はスプーンのマークが袋に印刷された白砂糖を買ってきてはその砂糖入れに砂糖を入れていた。
熱い紅茶にティースプーン二匙の白砂糖と牛乳を少し入れ、よくかき混ぜていたのをなんとなく思い出す。
どんなティーカップを使っていたのか、あまり思い出せない。
そうか、私は、子供の頃によく飲んでいた紅茶に似ていたから、アッサムティーにこだわっていたのか。
あの頃どんなティーカップを使っていたのか、母に聞いてみよう。
今なら、まだその話ができるから。