言霊に気をつけて
嘘のような本当の話
まだ結婚をしていた時、夫を憎らしく思っていた事がある。その時は、仕事、家事、所謂ワンオペ育児をしており、心身ともに疲れ切っていた。
今日は、夫の仕事も休みだし絶対手伝って貰おう。そう決心していたのだが、何やら夫が出かける支度をしている。買ったばかりのロード自転車で遠方に出かけるのだとか。
文句を言いかけたその時に
「じゃ、行ってくるわ」
屈託のない笑顔で言われた。
私は、軽く殺意を覚えた。だが、そんな素振りは見せず、「いってらっしゃ〜い」と手を振る。同じ「いってらしゃい」でも
「逝ってらっしゃい」
と意味を換えて。
すると、30分も経たずに夫が帰ってきた。
「いやー参った参った。見てくれよ、これ」
見ると、自転車の後輪がひん曲がって細い楕円になっている。ビックリして訳を聞くと、「なんか、車が煽ってきてクラクション鳴らすから、なんだよ!って止まったんだよ。」
そうしたら、後ろから車が突っ込んできたそうだ…。
皆様、言霊にはお気をつけ遊ばせ。
※夫は全くの無傷。しかも中古で安く買った自転車は、正規の値段が高く保険金が沢山出た。そのお金で、もう一台自転車を買いましたとさ。悪運強いね。私の言霊が弱くて良かったね。
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