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メタバース空間を描く短編SFストーリー :津久井五月「ホットフィックス」…を読む

wired.jpにて公開されていた、津久井五月(あら名前似てる)さんの短編SF小説「ホットフィックス」を読みました。
崩壊したメタバース空間を舞台にした冒険SFですが、世界の探索と自己の探索が並行で描かれており、大変興味深かったです。

大昔にSFマガジンで、因果律が崩壊した世界を描いた海外短編SF(タイトルも作者も失念…お分かりの方いたら教えてください)を読んでとても印象に残っているのですが、こういう現実崩壊感は好きです。
J・G・バラードの「結晶世界」にも通じるものがありますね。
「ホットフィックス」では、ソフトウェアとしての人間の機能が「信頼」と「不信」に切り分けられるところが面白いです。
世界を疑うことで生き延びるという逆説的な考え方は、SF的なようで物凄く現実的でもある気がします。
この物語の中のような物理法則への疑いだけでなく、人間関係やもっと根源的な因果律への疑いがうまく描けたらいいなと思いました。

wired.jpさんでは、SFプロトタイプを取り上げたりしなが、短編SF小説も掲載してくれてるので、また読んでみようと思います。

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