未来をデザインしたシド・ミード
noteさんのお題「#好きなデザイナー」に触発されました。
一番に思いついたのは、SF映画のプロダクションデザインでも有名な、フューチャーコンセプトのデザイナー、シド・ミード氏です。
中学生の頃に画集「Sentinel」を見て強烈なショックを受けました。
その後、「トロン」「エイリアン2」「2010年」など、おもに乗り物類のデザインにはとても惹きつけられた思い出があります。
しかし、なんと言っても代表作は「ブレードランナー」(1982)での都市景観を含めた壮大なデザインワークでしょう。
空中車ポリススピナーや、主人公デッカードのセダン、セバスチャンのワゴンなどのビークル類も後の映画やアニメに多大な影響を与えたと思います。
環境が破壊された退廃的な未来を描いた映画でしたが、デザインコンセプトの中には、どこかミード氏の未来に対するポジティブなビジョンが反映されていたと感じます。
ミード氏は「ブレードランナー」の仕事に本当に傾注され、映画本編で使用したマットアート(合成用の背景画)まで手がけられています。
実はミード氏が来日した際の講演に参加し、質問もさせていただいたことがあるのですが、その時、あまりにも「ブレードランナー」に入れ込み過ぎてギャラ以上の働きをしてしまい、事務所に怒られたと笑いながら語っておられました。
「∀ガンダム」のデザインなどで日本とのゆかりの深かったシド・ミード氏。
東京多摩市にあるサンリオ・ピューロランドをはじめ、数多くの国内施設のデザインにも携わっています。
惜しくも2019年に亡くなられましたが、コロナやウクライナ侵攻などで激動する現代におられたらどんな仕事をされていたかと思ってしまいます。