秘書検定1級 面接対策

今回は秘書検定1級の1次試験合格者に課される2次試験（面接試験）の重要項目をまとめます。

概要

面接試験は、2人1組ずつのロールプレイング方式で行われます。
面接室に入ってからの試験時間は11分程度です。
面接室に入る前の待機室で、課題を覚える時間として5分間の準備時間が与えられます。
面接室には貴重品を含めて荷物全て持っていきます。
課題は「報告」と「応対」の2問です。
受験者は2人1組のため、それぞれの課題内容は異なっています。
課題（報告/応対）が書かれた用紙を5分間見ることができます。メモを取ることができますが、入室前に回収されてしまうためメモを面接室で見ることはできません。
課題用紙に、下線などの書き入れはできません。
5分間の準備時間が終了すると係員が面接室に案内します。課題用紙を伏せて指示に従います。

①「報告」課題の内容を上司役に報告する。
②「応対」課題の状況設定で来客役に応対する。

【入室】

係員が面接室のドアまで案内してくれます。
面接番号の若い方から入室します。
入室したら面接官に向かって
「失礼いたします（30度の敬礼）」と挨拶をし、荷物を所定の場所に置きます。
荷物を置いたら、面接室の中央に進み，２人そろってから審査員に向かって挨拶をします。
「面接番号〇〇番、〇〇と申します。
よろしくお願いいたします。（45度の最敬礼）」
面接官の指示に従ってロールプレイングが開始します。
【報告】1人目→2人目→(対応】1人目→2人目とすすみます。

【報告】

（審査員から名前を呼ばれる）
「はい」
（立ち上がり面接官の前まで移動）＊目線は真っ直ぐ前を見て背筋伸ばす
「失礼いたします（15度の会釈）」
「『〇〇（テーマ）』につきまして、ご報告申し上げたいと存じますが、ただいまお時間よろしいでしょうか？」
（審査員:はい、お願いします）
「はい、かしこまりました」

課題内容
＊報告途中に審査員から（そうですか）などの相槌があれば、「はい」と呼応する。

「ご報告は以上でございますが、何かご不明な点はございませんでしょうか？」
（審査員:大体分かりました）
「ありがとうございます。失礼いたします。（30度の敬礼）」

【対応】

（ごめんくださいませ）
「いらっしゃいませ。（30度の敬礼）」

①知っている人の場合
ABC商事の中村様でいらっしゃいますね、いつも大変お世話になっております。

②知らない人の場合
誠に恐れ入りますがお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。
（ABC商事の中村です）
中村様、誠に恐れ入りますが、本日はお約束をいただいておりましたでしょうか。

私、秘書の〇〇と申します。
お差し支えなければご用件を承りたいと存じます。
山田が戻りましたら確かに申し伝えます。
後ほど山田からご連絡差し上げたいと存じますが、ご都合はいかがでしょうか。
かしこまりました。〇〇時に中村様にご連絡さしあげるよう、山田に申し伝えます。

◯断りの言葉
お約束をいただいておりましたのに、誠に申し訳ございません。（45の最敬礼）
山田は先ほどまでお待ちいたしておりましたが、急用でやむを得ず外出いたしました。
後ほど山田からご連絡差し上げたいと存じますがご都合いかがでしょうか。
ありがとうございます。（30度の敬礼）
それでは山田にそのように申し伝えます。

申し訳ございませんが、その件につきましては、どなた様にもお断りするようにと、山田から申し使っております。
ご意向に添えずに誠に申し訳ございません。（45度の最敬礼）

◯予約なしの場合
せっかくお越しいただきましたのに、誠に申し訳ございません。（45度の最敬礼）
山田はただ今席をはずしております。恐れ入りますがどのようなご用件でいらっしゃいますか。

◯待ってもらう場合
中村様、誠に申し訳ございません。（45度の最敬礼）
あいにく山田は外出いたしております。
恐れ入りますが10分ほどお待ちいただけませんでしょうか。
ありがとうございます。（30度の敬礼）
では応接室へご案内いたします。どうぞこちらへ。

◯秘書が把握していない内容
申し訳ございません。（45度の最敬礼）
山田からは何も申し使っておりません。
17時ごろに戻る予定でございますので、戻り次第ご連絡差し上げたいと存じますがよろしいでしょうか。
ご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございません。（45度の最敬礼）

◯上司が対応できない場合
あいにく山田は、まもなく出張いたします関係で、立て込んでおります。
私がご用件をお聞きしてもよろしいでしょうか。
その件でございましたら、〇〇が承りたいと存じますがよろしいでしょうか。

練習問題

共通「あなたは、山田部長秘書である。」

①部長は、予約客との約束の時間までには終わらせてくるから、会議中は取り次がないようにと言って会議に出ている。そのような折、予約のある客が約束の時間に訪れた。
→いらっしゃいませ。お約束を致しておきながら申し訳ございません。山田は前の用談が長引いております。恐れ入りますが10分ほどお待ちいただけませんでしょうか。
ありがとうございます。それでは応接室へご案内いたします。どうぞこちらへ。

②現在午後3時。上司は、出張先から戻る予定になっていたが、飛行機が遅れ、帰社は4時過ぎになると連絡が入っていた。そこへ、予約のある客が訪れた。
→いらっしゃいませ。ABC商事の中村様でいらっしゃいますね。お待ちいたしておりました。中村様、お約束を致しておきながら誠に申し訳ございません。あいにく山田は前の用談が長引いており、まだ帰社しておりません。戻りは16:00過ぎになると思われますがお待ちいただけませんでしょうか。ありがとうございます。それでは応接室へご案内いたします。どうぞこちらへ。

③外出中の部長から「出先で手間取ってしまい、40分ほど帰社が遅れる」との連絡があった。そこへ、この時間に予約のある客が訪れた。
→いらっしゃいませ。ABC商事の中村様でいらっしゃいますね。お待ちいたしておりました。中村様、お約束を致しておきながら誠に申し訳ございません。あいにく山田は前の用談が長引いており、まだ帰社しておりません。帰社するのに40分ほどかかると思われますが、お待ちいただけませんでしょうか。ありがとうございます。それでは応接室へご案内いたします。どうぞこちらへ。

④部長は予約客を30分も待っていたが来ない。約束は午前11時。そこへ専務がふらりと訪れ、部長を昼食に誘ったので一緒に昼食に出てしまった。それからしばらくして予約のある客が訪れた。
→お約束を致しておきながら誠に申し訳ございません。山田は先ほどまでお待ちしておりましたが、所用で外出してしまいました。戻るのは1時過ぎになるかと思います。お待ちいただけませんでしょうか/恐れ入りますがご都合のよろしい日時を2、3お聞きかせいただけますでしょうか。

⑤部長は今、会議に出席していて、終わり次第、外出することになっている。
そこへ、急だが尋ねたいことがあるので時間が取れないかと言って、取引先の人が不意に訪れた。
→いらっしゃいませ。ABC商事の中村様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております。

⑥部長は先ほど出張から戻り、「少し体調が悪いので休みたい」と言って休んでいる。
そこへ取引先の人が不意に訪れた。
→いらっしゃいませ。ABC商事の中村様でいらっしゃいますね。恐れ入りますが本日はお約束をいただいておりましたでしょうか。
かしこまりました。あいにく山田は立て込んでおりますが、確認して参りますので10分ほどお待ちいただけませんでしょうか。ありがとうございます。それでは、あちらの椅子にご案内いたします。どうぞこちらへ。

＜応対ポイント＞

1.約束している客/不意な客かの確認。
2.来客には上司の体調が悪いことをそのまま伝えず、「急用で外出している」などと伝える。
※他に「上司が持病が悪化して病院に行った」ことや「会社の緊急事態」が起きたときなども、本当の理由を言わず、「急用」と言うこと。
3.戻り時間は「不明」とし、上司が戻り次第連絡をすると伝える。