オードリー・ヘプバーンの笑顔 〜愛情を振る舞うということ〜
恥ずかしながら、私は
“人のために何かをする”ということが
こんなにも幸せだということを最近になってから知りました。
もちろん、今までも
「喜んでもらえたら嬉しいな」
「何かしてあげたい」
と思うことはありました。
ただ、その多くの場合は知り合いに対してで、
見ず知らずの人に対しても同じように
行動できていたかと言われれば、
自信を持って「はい」とは答えられませんでした。
そして、知り合いに対しても愛情いっぱいだったかと言われればそれも自信がありません。
この“愛を与える”ということについて今日は私の決意と共にお話ししようと思います。
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人のためは時に独りよがりになることがあります。
ショッピング中の必要以上の声かけが私は苦手で、
私も他人に対して必要以上の行動をしないように気をつけていた部分があります。
ただ、その一方で、人のために動いた方がいいなという場面で、
いざとなるとどうしていいのかわからなくなることが多くありました。
「やりすぎかな?」
「迷惑かな?」
「お節介かな?」
そのような気持ちが私の行動にブレーキをかけていたのです。
そして今も自分の中の課題になっています。
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以前に友人に誘われ、イベントに参加した時、その主催者の方にどのような経緯でその会を開くことになったのか、伺ったことがあります。
(その会はエンターテイメント主体のものでしたが、収益はなく、チャリティといったわけでもありませんでした。)
その時、その方は少し間をおいてから、
「嬉しそうな顔を見るのが好きだから」
と答えられました。
当時の私にはその意味するところがわかりませんでした。
むしろ、不思議でしかありません。
なぜ人のために、実費でエンターテイメントショーを開催するのか…。
エンターテイナーが人を楽しませることが好きだから、喜ぶ顔を見たいと言うのは想像ができました。
ただ、その主催者の方がそのように答えたことが不思議でした。
ですが、今になって少しわかるようになりました。
自分の楽しさや愛情を分け隔てなく与えることができるということは幸せを感じる近道なのかもしれません。
もちろん、独りよがりにならないように気をつける必要はあります。
ただ、その人の笑顔のために純粋な気持ちで動いたことは例え相手が気がつかなくても、
「喜んでくれたら嬉しいな」
「楽しんでくれたら嬉しいな」
と思うだけでこちらも幸せになります。
独りよがりにならないためのポイントは、
見返りを求めないことです。
決して自分の利益のために行うわけではないということ。
ここがポイントであるように思うのです。
とはいえ、人間とは欲深いもの。
この利益を求めないという部分が一番難しいようにも思います。
ただ、愛を受け取ることを求める前に自分が愛を与えられる人間を目指す方が本当は簡単で重要なことなのかもしれません。
相手に求めることは「もっと、もっと…」となり、終わりがありません。
相手に求めすぎることは
相手に負担を与えかねないということに加え、
期待に達しなかったときにがっかりしたような
マイナスな感情を抱くことになります。
かくいう私も相手に求めすぎてしまう一人。
何度も求めすぎた自分の言動を反省しました。
後悔したことさえあります。
余裕がある人が人にも愛情を与えられるような気さえしていましたが、
それなら、先に愛情を与えることを意識したら、余裕が出るようになるかもしれません。
「鶏が先か、卵が先か…」の流れに自分から持ち込むのです。
そう考えるようになってから、少しずつ余裕を作るための工夫をするようになってきました。
少しは効果があるのかもしれません。
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今回、この愛情について考えるようになったのも、schooという学習アプリで本田晃一さんの講義を受けたことがきっかけでした。
その講義の中で
『本当に怖いのは愛情をもらえなくなることではなく、愛情を与えられなくなること』という言葉が出てきました。
それがどういうことなのか、正直最初はわかりませんでした。
が、この言葉を心に日々を過ごしていると
たしかに、愛情を与えることが本当に幸せなことで、
それができなくなるということを考えると怖くなっていったのです。
愛情を沢山の人に振る舞えるような人は
もちろん自分が幸せになるために
そのような行動をしているわけではないでしょう。
ですが、そのような方たちの幸せそうな顔。
ボランティアで訪れた先で撮られた写真に写る、オードーリー・ヘプバーンの優しい目も印象的です。
彼女は本当の意味での愛と幸せを知っていたのかもしれません。
相手や対象は誰でも、何でもいいと思います。
自分以外の誰かのために、何かのために、
小さな行動を繰り返して私も愛情を周りに”振る舞える”ような人になりたいと思うのです。
オードリー・ヘプバーンは多くの人の憧れですが、
彼女のような内面から出る美しさに少しでも近づけるように。
人に愛情を”振る舞える”ように。
今日も小さな愛情を積み重ねていきたいと思います。