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国立奥多摩美術館館長の 他の美術館に行ってきた!(Vol.24) --- 東京都現代美術館 『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』

国立奥多摩美術館館長の 他の美術館に行ってきた!(Vol.24)
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東京都現代美術館
『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』
会期:2024年8月3日〜11月10日
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2024年8月23日(金)晴れ。東京都現代美術館に家族3人で行ってきた。4月に子供が産まれた。6月に産まれるはずだったのだが、奥さんのお腹に「早く会いたいよぉー」などと呼び掛けていたところ2ヶ月も早くやってきた。産まれてすぐNICU(新生児集中治療室)に入院。そんなこんなで少しバタバタしていて、久しぶりの美術館。生後4か月の子供にとっては初めての美術館であり、子供を連れての初めての美術館。奥さんと交互に子供を見ながら展覧会を見るつもりで美術館に車で向かった。いつも現美に行くと、車を近くのコインパーキングに停めていて、なぜか現美には駐車場はないと思い込んでいた。奥さんがそんなわけはないというので確認したら、もちろん、すごく便利な地下駐車場があった。そこに車を停めて、とりあえず抱っこひもで子供を抱いて入館してみると、入ってすぐのところに授乳室があった。少し調べてみると、現美はレンタルベビーカーがあったり、赤ちゃんを意識したメニューがある飲食店がはいっていたり、子連れにやさしい美術館として定評があるらしい。思いきって子供も連れて一緒に展示をみることにした。「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」は、精神科医であり日本現代美術の有名なコレクターである高橋龍太郎さんのコレクションを一堂に集めた展覧会。会場には、他の展覧会や雑誌で見たことのある作品が多く展示されていて、これも、これも、これも、高橋さんのコレクションだったのかと驚いた。そして、並んでいる作品達は、自分が美術に興味を持ち、美大に入り、美術家として活動してきて、日本の現代美術だと思ってきたもの、そのものだった。最近の若い20・30代の作家の作品も展示されていて、現在進行形で、人間が何に心を動かしているのかという露われである美術を、ここまで追いかけている人がいるということに嬉しくなった。まだ寝返りも出来ない子供が抱っこひもの中でいつ泣きだすかヒヤヒヤしながら、自分の今までの美術との出会いを振り返っているような気がした。 (佐塚真啓)
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西の風新聞_1771号掲載(2024年9月12日)

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