【「芸術激流」通信_03】Q:参加作家の「川合玉堂」は本物の川合玉堂さんなんですか?
【「芸術激流」通信_03】
Q:参加作家の「川合玉堂」は本物の川合玉堂さんなんですか?
A:
そう。本物の川合玉堂さんです。
なんでこの企画に参加作家として名前がのってるの!?
と、ちょっと日本美術に詳しい人が見れば驚くような玉堂さんに
今回参加して頂きたいと思ったのは、
この芸術激流の鑑賞ルートの途中に玉堂美術館があるのです。
なので、ここでこの企画をやるならば
ぜひ参加していただきたいと思っていました。
そして、恐る恐るお願いしに行きました。
なんといっても、
「国立」でも「奥多摩」でも「美術館」でもない
国立奥多摩美術館がやろうとしている企画なのだから、
日本画壇の巨匠の美術館に門前払いされても、
「そうだよね~」と笑って帰るくらいの覚悟はありました。
しかし、美術館に伺って、色々お話しさせていただくと、
とても好意的にお話を聞いてくださいました。
そう!国立奥多摩美術館という名前はふざけているけど、
ちゃんと話を聞いてもらえれば、案外ちゃんとしたやつらだと
わかってもらえるという微かな自信はあるのです。
というか、そもそもの僕らを「玉堂美術館」に紹介してくれた
「西の風新聞」の鋤柄さんの信用が大きかったのだと思います。
本当にありがたい事に、
ちゃんとお話しを聞いて下さり、企画の意図を理解して、
前向きに参加を検討してくださる事になりました。
そして、あまり知らなかった玉堂さんの事も
色々教えていただきました。
第二次世界大戦中の1944年に疎開で御岳に移り住み、
亡くなる1957年までの晩年を過ごした事。
近所の方々と親しく交流を持っていた事。
日頃から写生帳を持って、近所を散策していた事。
その写生帳が玉堂美術館には多く保管されている事。
などをお聞きし、
その日はお礼を言って感謝いっぱいで帰りました。
そして後日、奥多摩美術館で、ふと、
お隣に住んでいる御年87歳の清水さんがいたので、
なにげなく「玉堂さんに会ったことありますか?」
と聞いてみました。すると、なんと!
奥多摩美術館の奥を指さして、「あの辺で絵を描いてたな~」と言うのです。
まさか、いつもお会いしている清水さんが玉堂さんを見た事があったなんて!
そして、玉堂さんが奥多摩美術館の周辺を歩いていて、写生をしていたなんて!!!
驚きすぎて、一瞬わけがわからなくなりました。
奥多摩美術館は元製材所なのですが、
どうやら昔は、下に流れている小川の水を利用して、
水車で木を製材していたようなのです。
その水車を玉堂さんが写生していて、
それを子供だった清水さんが見たというのです。
なんだか急に、玉堂さんを身近に感じました。
そして、その水車が写った写真が清水さんの手元に1枚あって、
見せて頂きました。1938年頃撮影された、水車のある製材所と
お祖母ちゃんにおんぶされた子供の清水さんが写るという
とっても素敵な写真でした。
写真を見せてもらいながら、
もしかしたら、玉堂美術館に保管されている
写生帳の中に、現在の奥多摩美術館がある場所を
玉堂さんが描いた絵があるかもしれない!!と思いました。
なんだかワクワクしてきませんか?
そんな話を玉堂美術館にして、
近々、写生帳をみさせていただき、
探させていただく事になりました。
もし、見つかったらぜひ展示させていただきたいな!
という妄想が膨らみます。この展示を通して、
雲の上の額縁に入って祭り上げられている巨匠「川合玉堂」ではなく、
実際に生きていた人間・玉堂さんがちょっと身近に感じられるといいなと思っています。
本当に、今回この芸術激流に参加して下さる玉堂美術館、
ありがとうございます!
(佐塚)
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■タイトル:『芸術激流 ラフティング+アート』
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■日時:2022年10月15日(土)(悪天候の場合は10月29日)
〇ラフティング開始時間:午前の部10時〜 /午後の部13時〜
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■当日集合場所:
みたけレースラフティングクラブ(JR御嶽駅から徒歩2分)
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■参加作家:
・村田峰紀(パフォーマンスアーティスト)
・柴田祐輔(アーティスト)
・大石将紀(サクソフォン奏者)
・和田昌宏(アーティスト)
・黄金世代[永畑智大・有賀慎吾・酒井貴史](アーティストグループ)
・キンマキ(画家)
・赤池奈津希(画家)
・篠田太郎(アーティスト)
・青木野枝(彫刻家)
・新人Hソケリッサ!(ダンスグループ)
・吉増剛造(詩人)
・川合玉堂(画家)
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■場所:多摩川(御岳園-軍畑大橋)・国立奥多摩美術館
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■観覧:
○ラフテティング参加観覧チケット(限定・午前30人/午後30人):9,999円
○御岳渓谷遊歩道からの観覧:無料
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■チケットはArt Center Ongoingオンラインショップにて9月1日より販売開始!
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■「芸術激流」
ボートで川を下る。岸には芸術が点在している。ボートから芸術を目撃する。けっして立ち止まってゆっくり鑑賞する事は出来ない。鑑賞ではなく目撃。川は留まる事なく流れている。その流れに身をゆだねる。自分の思い通りにはコントロールできない芸術との出会いかた。自然の中に点在する芸術を見逃すまい。意識を四方に行きわたらせる。人間が芸術を探すうちもザワザワと自然は蠢いている。芸術と自然は分かち難く溶け合っている。川は芸術で満ちている。(佐塚)
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主催:国立奥多摩美術館・一般社団法人Ongoing
連携:OKUTAMA ART FESTIVAL 2022
協力:みたけレースラフティングクラブ・ぼちぼちアドベンチャーすその・玉堂美術館・小澤酒造株式会社
広報協力:株式会社西の風新聞社
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