悲報の続報
先日、息子氏が私と出かけたくないと言った話を書いた。
たくさんの方からコメントをいただき、これ、いろんな家庭における母と息子の普遍的なテーマなんだなあ……と、思ったのだけれど。
この話には、続きがある。
この会話があった次の日、予定があって家に帰るのが遅かったのだけれど、夫のLINEから、こんなメッセージが届いた。
どうやら息子氏が私に話したいことがあるらしくて、寝ずに待っているらしい。23時に家に着いた時も、彼は起きていた。
眠いのに一生懸命待っていたんだろうか。彼の目は、今にもとろけそうな感じだった。
けれども
「遅くなってごめんね。話したいことって何?」と言ったら、
「うーん、やっぱりいいや」と言って、その7秒後くらいには寝落ちした。
次の日の朝、「昨日は何か話したいことがあったの?」と聞いたら、私の目をじーっと見て「やっぱり、大丈夫」と言う。
そんな「何か話したいんだけれど、でも話し出せない」気配の日が数日続いた。
ある日のこと。
2人で「ペットレスキュー」のケータイゲームを4時間やった後、もう寝ようとなって、お手洗いに行った彼が出てきた瞬間、それは何の前触れもなく始まった。
♂「あのね、ママ」
♀「うん」
♂「ママは、ぼくがパパの方が好きだと思っているかもしれないけれど、そうじゃないからね」
♀「え?」
???
♂「ぼくは、ママがそう思っているんじゃないかと心配してるんだけど」
♀「えいちゃんが、ママよりパパが好きだってふうに?」
♂「うん」
そういえば、悲報があった日、彼は「パパと一緒に出かけるのは恥ずかしくない。ママと出かけるのは恥ずかしいから嫌だ」と言っていたのを思い出した。
彼はきっと、自分がママよりパパの方が好きだと言ったように感じて、ママを傷つけたんじゃないかと考えたんだろう。
それを伝えようとしたけれど、躊躇して言えなかったんだと思う。彼の声には、何度もシミュレーションしたような緊張感があった。
♂「でも、そんなことないからって言いたかったの」
♀「うん」
♂「だって、パパもママも、家族だからね」
♀「うん、わかった」
♂「あのね、ずっと緊張していたの」
♀「これを言うのを?」
♂「うん。言えてよかった」
♀「そっか、ありがとう」
♂「うん、寝る」
家族だからね、かー。私は、じんわりとあたたかい気持ちになって、聞いてみた。
♀「でも、ママがデブなのはやっぱり嫌なんだよね」
♂「……」
彼は下を向いて、小さな声で
♂「うん、ごめん……デブは嫌だ」
と言った。
いや、なんか、謝らせて、こちらこそごめん。
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