国内と海外のレコードプレス

特にダンス系、クラブ系のサウンドは、レコードの音質に国内プレスと海外プレスで歴然と差が表れる事が多い。

レコードの音質はマスタリング、カッティング技術の影響が大きいんですが、国内での特にカッティング技術が、低音を重視するダンスミュージックやクラブ系の音楽、実験的なエレクトリックなサウンドに合わないらしい、というか圧倒的にこういった類の音楽を扱う量が、海外のエンジニアに比べ国内のエンジニアは少ないので技術が無いとの事。これは国内某レコードプレス会社の元技術者に聞いたので間違いないと思う。

あと、私自ら数百タイトルのレコードプレス制作の仕事をしてきた中で感じるのは、平均的に良く仕上げる日本独自の国民性もあるのか、ミスをしないことを重点に置き平均的に良いマスタリング、カッティングで仕上げる日本のスタジオ、エンジニアに対し、海外はスタジオ、エンジニアは、低音をレコード針が飛ぶギリギリまで入れ込んだり、高中音の鳴りをより立体的に仕上げたり、いろいろ個性を出してくることが多い。マスタリング前の音源で音楽としての70%が仕上がり、残り30%をマスタリングやカッティングで仕上がると言われているので、アーティストとエンジニアの相性が合えば海外プレスのレコードの方が音楽の音質や体感のクオリティーが上がるのは当然なのかもしれない。(とはいえ海外プレスでも納期だけが早いだけで品質がダメなところもあるので、もしレコードプレスに興味がある人はメッセージでも下さい。プレスの経験はかなりあります。)

実際、クラブやライブハウスなど良い音響システムで聴き比べると、体感できる音楽が違う。可聴領域をこえた振動が体に響く。これぞアナログの醍醐味!

でも、これは偏ったジャンルの話であって、ポップやジャズなどリスニング用のマスタリング、カッティング技術は日本も非常に高いと思います。

レコードブームと騒がれる昨今ですが、時々見かける再発盤で音質の非常に悪いレコード盤があるので、それだけはやめて頂きたい。

せっかく高い製作費をかけて作り、それなりの価格で販売するレコードなので品質だけは保っていただきたいなと。ブームと言われ量産されるとクオリティーが下がるのはどの業界も一緒ですが、、。

とある国内再発盤を聴いて思った次第です。

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