ボーダレスに働く国境なき医師たちのリモート・ワークシェアリング
日本やアフリカなど旅に暮らしながら働くアメリカの医師夫妻とお茶ツアーにいってきた。
アメリカでは、遠隔診療はもはや一般的。アメリカ大陸は大きく、最寄りの病院まで片道3時間かかるような町も。そんな地方の町で重宝されているのが遠隔診療してくれるネットサービスだ。
医師は世界中にいて、むしろ、時差がある方が担当時間を無理なくシェアできる。夫妻は京都に暮らしながら、遠隔で17の州の病院を数十件かけもち勤務する。リモートで働く国境なき医師たちのワークシェアリングなのだ。日本では遠隔医療に抵抗があるのか一般的ではないけど、医師の世界にも働き方改革は必要かもしれない。
リモートワークというと、日本ではITやデザイン系が多いけれど、世界的にはいまや他分野に及んでいる。手術すら、遠隔操作のロボットによって行われている。想像もつかなかったようなことが遠隔でできるようになるのだろう。経済も人もボーダレスになってゆく。
いくらボーダレスになっても、機械翻訳が当たり前になったとしても、やはりその場所に行かないと、その人に出会わなければ味わえないのがライブ感というもの。得難いものはオリジナリティ、そして人間の想像力だと思う。機械にできることは機械で。遠隔でできることは遠隔で。より人間らしさやライブの温かみが必要な分野は人がより想像力を発揮できるようになるならウェルカムじゃないか。その医師夫妻も、遠隔診療で自由になる時間を活かして、ときどきアフリカへ治療のアドバイスに行かれているとか。すばらしいボーダレス!
さて、医者だけあって、何を話していても話は解剖学から病理へ、発酵から微生物へと話が及ぶ。嫌気性発酵と好気性発酵の違い、酵素と酸化のこと、pHと肥料のこと。茶の品種(早生・晩生)と味。食と農のディープな世界へようこそ。相手の興味関心や職業に合わせて物語の切り口、英語の専門用語を変えて伝える。そんな調整ができるのがFIT(プライベートガイド)の醍醐味である。
得意分野をシェアしあいながら想像力と個性を生かしたガイドができればなと思う。
最近オープンした茶畑景観前のカフェだんだん。
水出し玉露
茶摘み体験
てん茶の覆い茶園