マガジンのカバー画像

里山の通訳ガイド

27
海外のお客様を中心に日本の里山で受け継がれる手仕事や食文化を学ぶ旅を企画コーディネートしています。 通訳案内士やツアーオペレーターの仕事に興味のある方、同じようなお仕事をされてい…
運営しているクリエイター

#通訳ガイド

合格率6.6%の全国通訳案内士(中国語)試験に合格しました

中国人観光客が激減する中ですが、今月は、中国系バスツアーを何本か担当しているのと、中国語翻訳や台湾出張のお仕事もいただいたりして、少しづつ中国語の仕事も入るようになってきました。 中国語のお仕事のウェイトはあまり大きくないので、現状影響はあまり大きくないのですが、中国語の教室をしようと思っても、「うちの町で中国語教室はやらないでほしい」、というクレームが町の人たちからあがったりと、びっくりするような嫌中意識が奈良でも高まっています。まあ、教室はこの騒ぎが落ち着いたら考えよう

ローカルからローカルをたどるフードツアー

外国人向けに食べ物の生産地をめぐるガイドをしています。夏はお客さんが減るのと、暑いから動きたくなくて1ヶ月休業していましたが、9月に入り、ようやくガイドシーズンが戻ってきました。いまも食を巡る旅の途中。 地元の食材で保存食仕込んだり、道草摘んだり。時には生産者の通訳、時には宿でレクチャーと、ローカルからローカルへとたどる道のり。 うん、天才!と思えるローカルガイドさんのプレゼンを聞くのも楽しみの一つ。日々が出会いの連続です。 === プロのそば打ちを育て開業支援も行う

究極の山ごもり英語合宿〜英語的思考法で伝える日本文化の真髄〜

夏休みは山にこもり英語合宿しませんか? 通訳ガイドのライセンスが不要になり、だれでも外国人との交流を副業にできる時代になりました。今やガイド不足なので、田舎で好きなことをしつつ、時々出稼ぎでも結構な収入に。 この講座は、夏の一晩を共に過ごしながら本気で英語を学ぶ強化合宿になります。外国人の文脈で日本人のアイデンティティを再考察していきます。日本人が聞いても面白い、意外と知らなかった日本が見えてくること間違いなしですよ。 講師は中山間地域である京北で富裕層や教育プログラムの

90名のアメリア人団体ツアー添乗

旅をすることナリワイにして2年目。今月は家に帰っているのは数日。常に何処かで、何処かの国のツアーのアテンドをしています。 時には、お茶のバイヤーさんの商談通訳を、時には、日本全国の農家をめぐる農家旅、パーマカルチャーの視察旅行、などなど特殊な旅のコーディネートもしますが、公共交通でひたすら歩く旅や、バスツアーもやってます。 インバウンドツアーガイドにはいろんな種類がありますが、バス1台の大型ツアーになると、47名まで一人の添乗員が見ることになります。90名超だと、2人の添

ツアーのタイプと通訳ガイドの仕事のいろいろ

個人客向けのガイドか、団体向けのガイドか通訳ガイドライセンスをとったのが2015年。旅行会社を退職して、自分でフリーランスでガイドを始めたのが2017年春。泊りがけのアレンジも増えてきたので2019年3月には旅行業登録しました。 初めてのお客さんは、なんと、お茶のバイヤーさんでした。プロフィールに、日本茶の輸出振興の仕事をしていたことがあるというのを読んで、その後もバイヤーさんからの依頼が続きました。バイヤーさんのお茶に対する知識が深ければ深いほど、茶商も本気でテイスティン

第5回ローカルフードガイド講座【同時通訳者に学ぶ実践的語学習得編】

これまで、酒やお茶、フードなどを切り口にテーマ別の勉強会を開催してきましたが、5月は特別ゲストとして、同時通訳者であり、大富豪や貴族たちの通訳ガイドをこなす中山慶さんをお招きしています。 基本的にはこの講座は、語学の上達というよりも、現場の知識を学ぶことを主眼にしていますが、でもやっぱり語学も学びたい!という意見が多かったので、添乗員としても、通訳者としてもキャリアが長い中山さんにきていただくことになりました。 中山さんは、留学経験なしで5か国語を独学習得し、英語・中国語

「何でもある」には何もない。「何もない」には全てがある。

よく、インバウンドの展示会や地域のプレゼンにいくと思うこと。 「うちの町には、歴史も文化も自然も豊かで、そば打ち体験ができて、もちつきもできて、商店街もあって、酒もうまい。歴史上の有名なだれだれも滞在したことがあり・・・」 そういう町がいっぱいあって、何ができるんですか?というと、同じことを言われます。あれも、これもできて、なんでもできる、と言われると、他の地域との違いがよくわからないんです。 そして、歴史上有名な人物は、たいがい外国人は知りません。坂本龍馬とか、応仁の

第4回食の案内人 "Local Food Guide" 研究会【日本茶編in和束】

\食べ物の産地を案内するフード・ガイド/ "食と農"をキーワードに、日本文化に興味のある海外のお客さんに食べ物の産地を案内する旅のプログラムをつくっています。ますます盛り上がるインバウンドでは、食体験のコンテンツが特に求められています。ぜひ、この期に食を通じた異文化交流に参加してみませんか。 なんと、今回は、和束のお茶農家で、農家民宿を営む女将のりちゃんの特製ランチ付き。お茶畑の見学に始まり、お茶ができる過程、そして暮らしの中でのお茶の活かし方をお話してくれます。 さて

食の案内人 "Local Food Guide" 研究会を開催します

\食べ物の産地を英語で案内するローカル・フード・ガイド講座/ 海外のお客さんに日本の里山での暮らしや地域の中で根付いてきた食べ物の物語を専門に、英語で生産者を案内する旅の体験プログラムを作っています。 特に"食と農"をキーワードに、日本文化に興味のある海外のお客さんと交流してみたい方を募集しています。一緒に原料が食べ物になるまでの過程を英語でたどってみませんか? 第1弾は、奈良の路地奥にある素敵なゲストハウス「Guest House Oku」さんで勉強会をさせてもらうこ

サバイバル・ガイドリーダー研修

1週間に渡るガイドリーダー研修が終わりました。 国籍も職歴も世代もばらばらの受講生達が全国から集まる。朝から夕方まで1週間缶詰で宿題、グループワーク、ロールプレイ、プレゼン、実地テストをこなす。もちろん、ディスカッションも授業も全部英語。これだけ一緒にいると自然と結束が強くなります。今日はそんなサバイバル訓練の最終日で、なんとか最後の試験も無事クリアできました(毎回、20-30%の人が脱落していなくなるのだそう)。 日本の添乗研修だと逆に研修料金をとられるものだけど、外資

訪日外国人の食事制限への対応

食習慣の多様性の外国語ヴィーガンとか、コーシャ、ハラールって最近よく聞きませんか? 外国人向けのガイドをしていると、けっこう食事のリクエストが多いのですが、宗教上の理由だったり、健康上の制限だったり、ローフードなどの流行りや、動物も、生きた植物も殺さない(果実の採集はよいフルータリアンなど)愛護の思想だったり、ベジになった理由も様々です。 ベジタリアン(菜食主義)にもいろんな種類があって、動物性のものは卵やミルクもダメな人もいれば、部分菜食の人で、動物の肉がダメだけど魚は

オランダ農家による、農家のための「トラクター旅行」

農業ツアー専門の会社「トラクター旅行」。オランダの農家さんグループによる9日間の農業視察をコーディネート&アテンドさせていただきました。参加者は、酪農家やじゃがいも農家、施設園芸、チューリップ栽培など、オランダの各地から集まる農家たち11名のグループ。 そして、主催者は、オランダで農業雑誌の出版やコンサルに関わるメンバーで10年前に起業したという農業ツアー専門の会社。その名も「トラクター旅行」。世界中の農家を訪ね、農家支援を行ってきたという。 雨の日も、「What a L

ガイド業と田舎暮らしの親和性

全国通訳ガイドの現状語学試験で唯一の国家試験でもある通訳案内士。法律の大幅改正により、通訳案内士資格がなくてもガイドができるようになりましたが、そもそも、ガイドが足りてないといっているわりに、実際のところ、通訳ガイド名簿への登録者のうち、実際に稼動しているのは26.4%(うち、専業は10.2%)、年収は、62.2%が100万円未満なのだそう。働き方改革が話題となる昨今ですが、もともと業務委託が当たり前だったガイド業は、フリーランスはごく普通。足りていないのではなく、主婦(夫)

里山ツアーにはどんなお客さんがくるの?

これまでの経緯オランダとインドで2年間有機農業を学び、ブータンで農村調査団に加わる。水牛を貸し合いながら田畑を耕し、共同で家を建て、種子を保存し、物々交換で生きるひとびとともに、半年間暮らしました。半世紀前の日本がそうであったように、アジアの農村には支え合う暮らしの風景がありました。 そして、帰国したのが2011年。日本人の価値観が変わったあの頃、私はインドにいました。震災当時、ダラムサラにいた私は、難民であるチベットの人たちの祈りを聞いていました。日本のためにと募金を集め