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里山の通訳ガイド

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海外のお客様を中心に日本の里山で受け継がれる手仕事や食文化を学ぶ旅を企画コーディネートしています。 通訳案内士やツアーオペレーターの仕事に興味のある方、同じようなお仕事をされてい…
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#フリーランス

合格率6.6%の全国通訳案内士(中国語)試験に合格しました

中国人観光客が激減する中ですが、今月は、中国系バスツアーを何本か担当しているのと、中国語翻訳や台湾出張のお仕事もいただいたりして、少しづつ中国語の仕事も入るようになってきました。 中国語のお仕事のウェイトはあまり大きくないので、現状影響はあまり大きくないのですが、中国語の教室をしようと思っても、「うちの町で中国語教室はやらないでほしい」、というクレームが町の人たちからあがったりと、びっくりするような嫌中意識が奈良でも高まっています。まあ、教室はこの騒ぎが落ち着いたら考えよう

ローカルからローカルをたどるフードツアー

外国人向けに食べ物の生産地をめぐるガイドをしています。夏はお客さんが減るのと、暑いから動きたくなくて1ヶ月休業していましたが、9月に入り、ようやくガイドシーズンが戻ってきました。いまも食を巡る旅の途中。 地元の食材で保存食仕込んだり、道草摘んだり。時には生産者の通訳、時には宿でレクチャーと、ローカルからローカルへとたどる道のり。 うん、天才!と思えるローカルガイドさんのプレゼンを聞くのも楽しみの一つ。日々が出会いの連続です。 === プロのそば打ちを育て開業支援も行う

ボーダレスに働く国境なき医師たちのリモート・ワークシェアリング

日本やアフリカなど旅に暮らしながら働くアメリカの医師夫妻とお茶ツアーにいってきた。 アメリカでは、遠隔診療はもはや一般的。アメリカ大陸は大きく、最寄りの病院まで片道3時間かかるような町も。そんな地方の町で重宝されているのが遠隔診療してくれるネットサービスだ。 医師は世界中にいて、むしろ、時差がある方が担当時間を無理なくシェアできる。夫妻は京都に暮らしながら、遠隔で17の州の病院を数十件かけもち勤務する。リモートで働く国境なき医師たちのワークシェアリングなのだ。日本では遠隔

多国籍なメンバーで働き方を考える

多国籍なお客さんたちと2週間ほどのツアーを添乗していると、どの国の旅がどうだった、次はどこにいこう、という話で盛り上がる。ヨーロッパやオセアニアのお客さんが多く、だいたい、年に60日間の年休があり、一度に使えるおやすみは、3週間〜1ヶ月なのだそう。そして、世界的なIT企業、A社では90日の休みがあるとか。 いったい、1ヶ月もの間お休みをとって、その間にたまっていく仕事はどうするのだろう?と、疑問に思い聞いてみると・・・ オージー「メールに1ヶ月バカンス休暇です、緊急な用事

サバイバル・ガイドリーダー研修

1週間に渡るガイドリーダー研修が終わりました。 国籍も職歴も世代もばらばらの受講生達が全国から集まる。朝から夕方まで1週間缶詰で宿題、グループワーク、ロールプレイ、プレゼン、実地テストをこなす。もちろん、ディスカッションも授業も全部英語。これだけ一緒にいると自然と結束が強くなります。今日はそんなサバイバル訓練の最終日で、なんとか最後の試験も無事クリアできました(毎回、20-30%の人が脱落していなくなるのだそう)。 日本の添乗研修だと逆に研修料金をとられるものだけど、外資

食べ物の産地を案内するフード・ガイド

生産者を訪ね、食材を探す旅を案内する仕事こんにちわ。京都と奈良で海外の方に食べ物の産地を案内するフード・ガイドやってます。 時には、お茶の買い付けに来る海外バイヤーさんの商談に同行したり、フード・クリエーターの食材探しに付き合ったり、料理研究家の郷土料理調査や、農家さんグループの視察研修をアレンジしたり。生産者を訪ねるディープなツアーが多くて、日本人からしても学ぶことが大きいです。 例えば、お茶の商談では、普段はのぞけないお茶の品評などのお話を聞くことができます。 標高

旅を仕事にするということ。

旅に暮らす生き方こんにちわ。全国通訳案内士をしてます里山文庫のまえだです。いまの暮らしは、旅が仕事の場。時には足湯、旅先の宿やカフェが日々のオフィスになっています。 というのも、いったんツアーにでると14連勤、夜もお客さんをバーに案内したりしないといけません。時にはカラオケに付き合うことも。かといって、ずっと働いているわけでもなく、自由行動の時は、宿やカフェで仕事をしたりしています。 最も、行程を組んだり、食事を手配したり、最後に配る写真やお土産を用意したり、やらないとい

オランダ農家による、農家のための「トラクター旅行」

農業ツアー専門の会社「トラクター旅行」。オランダの農家さんグループによる9日間の農業視察をコーディネート&アテンドさせていただきました。参加者は、酪農家やじゃがいも農家、施設園芸、チューリップ栽培など、オランダの各地から集まる農家たち11名のグループ。 そして、主催者は、オランダで農業雑誌の出版やコンサルに関わるメンバーで10年前に起業したという農業ツアー専門の会社。その名も「トラクター旅行」。世界中の農家を訪ね、農家支援を行ってきたという。 雨の日も、「What a L

ガイド業と田舎暮らしの親和性

全国通訳ガイドの現状語学試験で唯一の国家試験でもある通訳案内士。法律の大幅改正により、通訳案内士資格がなくてもガイドができるようになりましたが、そもそも、ガイドが足りてないといっているわりに、実際のところ、通訳ガイド名簿への登録者のうち、実際に稼動しているのは26.4%(うち、専業は10.2%)、年収は、62.2%が100万円未満なのだそう。働き方改革が話題となる昨今ですが、もともと業務委託が当たり前だったガイド業は、フリーランスはごく普通。足りていないのではなく、主婦(夫)

里山ツアーにはどんなお客さんがくるの?

これまでの経緯オランダとインドで2年間有機農業を学び、ブータンで農村調査団に加わる。水牛を貸し合いながら田畑を耕し、共同で家を建て、種子を保存し、物々交換で生きるひとびとともに、半年間暮らしました。半世紀前の日本がそうであったように、アジアの農村には支え合う暮らしの風景がありました。 そして、帰国したのが2011年。日本人の価値観が変わったあの頃、私はインドにいました。震災当時、ダラムサラにいた私は、難民であるチベットの人たちの祈りを聞いていました。日本のためにと募金を集め