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コロンビア渡航記DAY8&9
1月23日
今日は農園訪問。アンドレスが迎えにきた。
アンドレスの家族(奥さんと娘さん1人)も一緒だ。
腹ごしらえに、パン屋に寄った。美味しいパンをくれるんだけれど、揚げているパンだったりするので、お腹が苦しくなる。
もう1人同行する人がいるとのことで、その人をピックアップしに向かう。途中で高速道路の下を通った。3人くらいのホームレスの人が高速道路の下で寝ていた。
同行するディアナを拾って、早速農園へ。
アンドレスの奥さんは優しくて気を遣ってくれたのか、僕にたくさん話しかけてくれる。車内のスペイン語での会話を、わざわざ通訳してくれる。
農園に近づいてきた。道がガタガタになってきている。
「ここは俺が院生だったときに研究対象にしていた場所なんだ」とアンドレスが教えてくれた。
周りを見ると、一面にパイナップルが植えられていた。見た目は整っていて綺麗に見えるんだけど、僕たちが大切にしている「生物多様性」的には良くない。
パイナップルはこの地域の気候に合っているし、比較的収益性が高いらしい。(どのくらいの価格で売っているかは分からないと言っていたけど)
農園についた。めちゃくちゃ良い場所だ。静かで、景色も良い。
まずは農家さんのお宅にお邪魔する。
ひいおじいちゃんくらいの代からずっとこの土地に住んでいるらしい。庭も広くて可愛い感じのお家だった。
早速「ティント」を出してくれた。
僕が車の中で「ティントを試したい」と言ったからだ。
コーヒーの中に「パネラ」という黒糖のような甘味料を入れて出してくれた。美味しかった。
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飲み終わったら朝ごはん。車の中でパン(油多め)を2個食べて、お腹がきつかったので、朝ごはんに何を出してくれるのかが気がかりがった。
早速オレンジを出してくれたので、リフレッシュ。ご飯も全部おいしくて完食できた。良かった。お米が出てきたのも嬉しかった。
納豆が恋しい。(アンドレスには納豆嫌いと言われた。)
食事の後は、早速農園へ。
農園はいくつかのフェンスで区切られていて、4つくらいのフェンスを超えて、さらに森の奥へ進むとやっとコーヒーの木が見える。
信じられないくらい森だ。美しい。
山にさまよった、と言われても信じてしまうくらい森っぽい。
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その森の中で、コーヒーの苗木を囲みながら、ゆっくり今回の訪問の理由や目的を伝えた。
とても共感してくれたみたいだ。
彼女たちは、こんな山奥の森と共存しながら農業をしているのに、その努力は価格に反映されていない。
山から出て家に戻った。早速インタビューをさせてもらった。どんな歴史のある土地なのか、なぜ金銭的なインセンティブがないのに森林を守っているのか、などたくさん聞いた。
会話の流れでアンドレスが「もしお金があったら、ここに別荘が欲しい」と言ったので、「わかる!」と同意すると、「子供たちは別の場所に働きに行っているので、新しいファミリーとして受け入れるよ」とジョークが帰ってきた。
なんだか嬉しかった。
インタビューの後は、彼らが運営するという「苗木ステーション」へ。本当に多くの苗木があって、地域のみんながここの苗木を山に植えることができるらしい。植樹をすることで、山の水が増える。乾燥地帯のこのエリアでは水が増えるというのはかなり有難い現象だ。
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苗木ステーションも見終わって、帰路につく。
帰りにレストランに寄った。
竹の葉っぱ?で包まれた伝統料理を頼んだ。
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帰宅してからは、日本でやらなければいけない仕事をしていた。(渡航記書けなくてごめんなさい。)
1月24日
今日は地域の農協の人と会って話す予定だ。
(JA秋田みたいなポジションなはず)
10時に待ち合わせとのことで、朝は久しぶりに余裕があった。朝食と身支度を済ませて9:00ごろにアンドレスと合流。
僕たちが関わる、バジェ デ カウカという地域の農協本部のようなオフィスに向かう。
行く途中に、貧困エリアを通り過ぎた。(エストラートが低い地域)ゴミが路上に積み上がっていたり、廃墟になりかけているビルがあったり、路上で人が寝ていたりしていた。
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農協のオフィスに到着。セキュリティもしっかりしていて、緊張感が出てきた。担当の人が出てきて、挨拶をした。あまり大きく笑うことのない人で、緊張感も相まって、堅い人なのかな?というイメージを感じた。
結局オフィスでは2時間半も話した。本当に細かいところまで資料を使いながら説明してくれたし、時間が経つほどからの笑顔が少しずつ増えていった。
彼ら農協が何を目的に、どんな役割を果たしているのかをしっかりと理解できたし、僕たちのやりたいことに視界を示してくれて「協力できることが3つくらいあるよ、これとこれと、、」と教えてくれた。
ミーティング後、アンドレスと「どうだった?」という話をしていると、アンドレスは農協に対してあまり良いイメージを持っていなかったらしく「意外と良い人たちだったね」と言っていた。
誰も世界を壊したいなんて思っていなくて、自分の正義とか役割を大切にした時に、発生するバグが起きているだけだということを再認識した。
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ミーティングが終わり、さとやまコーヒーのドリップバッグをお土産として渡し、オフィスを出て街を歩いた。
車移動が多かったので、街を歩く機会はあんまりなかった。オフィスがあったのは中心地っぽくて、歩道に露店が立ち並んでにぎやかだった。
やっぱり街を歩くのは楽しい。
お昼ご飯を食べることに。街角のサブウェイ的なお店に入った。お店は屋外で開けていたので、物乞いの子供やおじいちゃんが来た。
「… sin trabajo … (仕事がないと)」だけ聞き取れた。
食後には、日系コロンビア人の方と話すことに。彼らもコーヒーを育てているらしく、小1時間話した。次回時間があったら彼らの農園にも訪れてみたいと話した。
オフィスに戻る。今日はまだまだ長い。
オフィスでは「産地のウェルビーイングってどうやったらわかるんだっけ?」という議論をひたすらしていた。同席していた社会学者のディアナはスペイン語しか話さないので、2カ国語で「EqualityとEquityの違い」について確認したのは刺激的だった。
あらかたの議論が済んで、今後のスケジュールを確認した。
その後はパーティの準備!
メンバーのダニエルの誕生会がオフィスであるので、オフィスをパーティ会場に変身させなければいけない。
風船を膨らませたり、壁に諸々貼り付けたりして会場を完成させると「ビール飲む?」と設営をした4人で飲み始めた。
秋田県では役者が揃う前に飲み始めるのを「練習」というけど、ここでは練習も本番もはさそうな感じだった。
飲んでいると、主役のダニエル夫婦はじめ、参加者10人くらいが揃った。
実な今回のパーティには「プリンセスナイト」というテーマがある。参加者がアリエルの服を着てたり、エルサのケーキだったり、ディズニープリンセスにちなんでいる。僕はムーランに扮して参加した。ダニエルはゴジラのシャツだった。
ピザ・ポテチ・ケーキなどを食べながら、おしゃべりを楽しんだ。スペイン語が分からない僕も会話に巻き込んでくれた。「コロンビアの食べ物で何が1番好きだった?」「アニメで〇〇が好きなんだ」など話も振ってくれて楽しく過ごした。
スペイン語で誕生日の歌を歌い、会は終結した。
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実は今日で会うのが最後の人がたくさんいる。
別れを惜しんだ。寂しくなるけど、プロジェクトは続く。