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【着地点 号外 Vol.05】 市原市 大久保に移住した山本さん
昨年の8月に大久保に移住してきた山本さん夫妻。自家製の囲炉裏で暖をとりながら、お話を伺いました。
この地域に移り住んだきっかけは?
もともとこの地域では比較的若い方が、耕作放棄地を高齢者の代わりに耕したり、田んぼを作ったりする活動をしていたんですよね。その活動をしていたのがお世話になった先生で、仲間と一緒に手伝っていたんです。それが大体3年前で、都内に住みながら、市原の実家と大久保を行ったり来たりしていました。それに日本の文化も残していきたいっていう思いもあるので、この地域に来たら農業体験が出来るようにしていて、今でもそれは続けています。でもお世話になった方が、一昨年亡くなってしまって、お借りしていた機械や、仲間で使わせてもらっていた家も、一旦全て使えなくなってしまったんですよね。そんな時に大久保のパン屋さんに行ったら、近くの空き家を紹介してくれて、すぐに住むことに決めました。
米作りも行っているのだとか?
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囲炉裏で焼いたカブ。干し柿も囲炉裏で焼くと美味しいのだとか
お借りしていた機械が使えなくなってしまったので、手作業でやろうと決めたんです。最初は、スコップ一本で田んぼ作りを始めて、山水を引いてきたんですけど、ちょっとずつご近所の方も気にかけてくれるようになって、形になっていったんです。植えるのも刈るのも、脱穀も手作業で、天日干しもしました。すごく美味しかったですよ。植物も、良い言葉をかけてあげるとよく育つって言うけど、お米も良いことを考えながら、一つひとつ丁寧にやっていくと美味しくなるんですよね。あと、昔は大豆や小豆をよく「あぜ」に植えていたらしいので、やってみたんです。結局獣に食べられてしまって大豆は出来なかったんですけど、代わりにご近所さんが野菜をいっぱいくださったんですよ。こんな環境って他には無いですよね。人が困っていたら助けてくれるっていうプラスの連鎖がここでは生まれているんだと思います。それに農作業をやっていると、自然や風、温度を体感しながら自分と向き合うことができるのも良いところだなって思いますね。
この地域での暮らしはどうですか?
過去に海外で板前をやっていたんですけど、海外の方と話すと、日本の問題点がよくわかってくるんです。その問題のひとつが農地に現れていて、そういう問題を、解決したいと思っているんですよね。例えばご近所のおばあちゃんから、いっぱいあるんだけど使い道がないっていう柚子を沢山もらったんです。それで、皮は柚子胡椒、果汁はポン酢、内側の白い部分はジャム、種は化粧水にしたんです。それを買う人もいて、外の人が地元のもので楽しんでいるのを見ると、そこから喜びも生まれてくると思うんです。それに農業体験に来た人が、他の人にもその体験を勧めるっていう循環が、実際にちょっとずつ起こっているんですよね。そういう小さなことから問題の解決に繋がればと思っていて、そのために率先して沢山の人と関わるようにしています。
今後やっていきたいことはありますか?
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交流しながら自分の得意なことを見つけて、それを生かして新しいものが作れる、そんなコミュニティを作ろうと思っています。そしたら、やりがいや自信も生まれるし、自然と明るい地域が出来ていくんじゃないかと思うんです。こんなに魅力があるこの地域を、そのままにしておくわけにはいかないと思うんですよね。まとめると、日本を良くしたい。無くなっていく文化もある中で、できる範囲でそれは防ぎたい。だから、同じような思いの人たちと繋がって、この地域をモデル地にできたらいいなと思っています。