栄冠は君に輝く
高校野球、特に夏の大会はドラマだと思う。
8月13日
霞ヶ浦高校 VS 智辯和歌山
超強豪・智辯和歌山の初戦。
甲子園出場3回目にして勝った経験がない霞ヶ浦。
恐らく誰もが智辯和歌山が圧倒的勝利を収めると予想していた。
僕は「いい試合になればいいな」と思っていた。
高校野球というのは同じ高校生同士でも違う。
リトルリーグで目を付けられた子は、強豪野球部の中学へ行く。
強豪野球部で結果を出す子どもたちは、強豪高校からスカウトが来る。
参加校ナンバーワンの神奈川の中学校に通う子は、甲子園に出たいから、
例えば参加校の少ない島根県の強豪校を受験して野球部に入る。
そんな中、甲子園優勝を狙う超エリートが集うのが『超強豪校』だ。
・大阪桐蔭 ・智辯学園 ・仙台育英 ・東海大相模 ・早稲田実業
他にもあるが、何なら高校野球ファンなら校歌だって歌えそうな学校。
霞ヶ浦 010 020 000 02 |5
智弁和 000 000 030 01 |4
霞ヶ浦が8回表まで3-0で勝っているのが信じられない。
でも智辯和歌山だ。いつだって長打一発で逆転される。
と思ってたら8回裏、2ランホームラン、ソロホームランの連続ホーマー。
一瞬で同点にされた。ほら、これが智辯和歌山なんだよ。
霞ヶ浦ナインも「これが智辯和歌山か」と思い心折れたと思う。
そりゃそうだよ。俺たちが勝てるはずないよ・・・的な。
ただ、高校野球夏の大会は3年生にとっては最後の夏だ。負けたら引退だ。
野球のために高校生活のすべてをかけてきた。
相手が誰であろうと絶対に負けたくない。それもまた高校球児の本音だ。
青春のすべてが「負けたら終わる」そう感じてしまうでしょう。
最終的に延長11回タイブレークの末、霞ヶ浦が勝利をもぎとった。
僕は、延長11回裏2アウトであっても智辯和歌山が勝つ気がしていた。
少なくとも誰一人諦めていない。それが智辯和歌山の強さだ。
ここで僕が何故感動したかと言えば
〇エリートではない霞ヶ浦がエリート智辯和歌山を倒したこと。
〇智辯和歌山が最後の最後まで泥臭くプレーをし続けたこと。
〇両チームが3年間青春を懸けたすべてが詰まっていたように見えたこと。
高校野球はドラマがある。
それはプロフェッショナルではなく高校生の部活だからだ。
そしてそこには否応なしに終わりがある。
弱いチームが強いチームに勝つのは爽快だ。
だが強いチームと言われていた選手たちの練習量や頑張りは想像を越える。
そんな彼らの涙には、敗北の涙以上のものを感じてしまう。