「ズルい奴ほどよく吠える」10
■10 織部印刷工場(夜)
織部、今日子、井上、明智、岩倉。
織部 「屋上の足跡が誰のものか分からないなんて、そんなことがあり得
るんですか?」
井上 「鑑識が動かないなんてことはないんだろ?」
岩倉 「勿論、我々と一緒に鑑識も現場に来ていますし、調査もしまし
た」
井上 「じゃあその鑑識結果を見れば分かるだろう」
岩倉 「結果を見れば分かりますが・・・」
織部 「見れなかったんですか」
岩倉 「はい」
今日子 「どうしてですか?」
岩倉 「それは・・・」
井上 「それは何だよ?」
明智 「不必要な証拠だと判断して破棄したと」
井上 「破棄?誰の判断だよ」
明智 「通常は証拠品を破棄する場合、現場から稟議を上げていくんです
が、現場からは誰も稟議を上げていないんです」
井上 「どういうことだ?」
明智 「上層部の判断で破棄したと考えるのが妥当かと」
井上 「何のために?」
明智 「井上さんはどう思われますか?」
井上 「んなもん決まってるじゃねえか。上層部にとって都合が悪いから
捨てたんだ」
織部 「捨てた?」
井上 「ああ、問題はその上層部がどのくらいの上層部かだ。下手したら
とんでもないことになる」
織部 「木田が言うには最後にマーくんに会ったのは石原校長と言ってま
したよね」
井上 「しかし石原校長のために警察の上層部が動くわけがない」
織部 「誰のためになら動くんですか?」
今日子 「総理大臣とかですか?」
明智 「いえ、今の総理大臣と政春さんは関係ないです」
今日子 「そうですよね。私バカみたい」
織部 「大手建設」
井上 「そこだよなあ。でも大手建設のために警視庁が動くってのも変な
話だ」
織部 「そうですよねえ」
間。
明智 「そうか」
織部 「何ですか?」
明智 「これなら道理に適う」
岩倉 「え?」
井上 「おい。何か分かったなら教えろ」
明智 「大手建設の黒い噂は井上さんの得意分野じゃないですか」
井上 「嫌味か!」
明智 「事の発端はこの家に大手建設が地上げを持ち掛けたことですよ
ね」
織部 「そうです」
今日子 「ええ」
明智 「何のためです?」
織部 「東京オリンピックのマラソンコースの景観を良くしたいからっ
て・・・」
井上 「そうか。今の知事は大手建設の組織票で選挙に勝ったって黒い噂
があったな」
岩倉 「でもまさか」
井上 「そのまさかが一番しっくりくるだろ」
織部 「・・・」
岩倉 「大手建設は東京都知事を動かすことができる」
井上 「そう。しかも今の知事はただの知事じゃねえ。総理大臣以上に大
切なミッションを控えているんだ」
織部 「・・・」
今日子 「オリンピック!」
明智 「50年ぶりの大きな国策です。それなら警視庁が動いてもおかし
くない」
織部 「でもそんな大きなことがマーくんの死と関係あるんでしょうか」
井上 「今の日本の政治ってのはすげえんだ。一万人の笑顔のためになら
一人が悲しんでもいいって思ってる。そんなこと日常茶飯事だ」
織部 「じゃあやっぱり木田が・・・」
井上 「何らかの関係があるかもしれねえな」
今日子 「・・・」
岩倉 「やっぱり政春さんは誰かに殺されたんでしょうか」
明智 「恐らく」
今日子 「オサムちゃん・・・」
織部 「マーくんは変人たちに巻き込まれたんだ」
今日子 「巻き込まれた」
井上 「ただこれは全部俺たちの想像だ。何も証拠はない」
今日子 「証拠・・・」
織部 「証拠がなければ犯人を逮捕することもできない」
明智 「そうなりますね」
井上 「なあに。そのために俺たちマスコミがいるんだ」
織部 「え?」
井上 「証拠がなければ作ればいい」
織部 「ムチャクチャじゃないですか」
井上 「記事を出せば必ずどこからかボロが出てくるもんなんだ。それが
証拠になる」
織部 「証拠もないのに記事にするんですか?」
井上 「うちを何だと思ってる?センテンススプリングだぞ。最終的には
うちの会社が裁判に負けて賠償金を払うことになるかも知れない
けどな。それでも販売部数が伸びればいい。賠償金なんて安いも
んだ」
今日子 「どういうことですか?」
井上 「うちみたいな雑誌はね、賠償金を払っても儲かるならそれでいい
の」
今日子 「へえー」
井上 「それにウソから出たまことってのもあるしな。それにあんたたち
も俺がそうするのを待ってるんだろ」
明智 「私は何も言ってません」
岩倉 「ええ。何も」
織部 「先輩、よろしくお願いします」
今日子 「よろしくお願いします」
井上 「言っただろ。これはマーくんの弔いだ。俺の記事で絶対に犯人を
あぶり出してやる。そのためにももっと情報を集めないとな。
皆、手伝ってくれ」
織部 「はい」
M
今日子以外捌け。
今日子は仏壇に手を合わせている。
情報集めをする明智、岩倉、織部、井上。
今日子捌け。
■10A 夜の道
井上が歩いてくるのに合わせてやってくる木田。
木田 「こんばんは」
井上 「木田さん、あんたから声を掛けてくるとは思いませんでしたよ」
木田 「何か分かりましたか?」
井上 「何がです?」
木田 「織部政春さんの件ですよ。嗅ぎ回ってるんでしょ」
井上 「あんたに言うはずないだろう」
木田 「言いましたよね。あれは自殺ですよ」
井上 「どうだかな」
木田 「石原校長が政春さんを追いつめてしまったんです。それ以上の真
実はどうやっても見つかりませんよ」
井上 「俺は俺で真実を見つける。ご心配なく」
木田 「困るんですよね。勝手にあることないこと書かれても」
井上 「俺はな、あることは書くがないことは書かないんだ」
木田 「あれ?文春のやり方は違いますよね」
井上 「これが俺のやり方だ」
木田 「スクープ『福沢学園教師自殺の真相は校長のパワハラだった』こ
れで充分じゃないですか」
井上 「俺は権力には屈しない」
木田 「権力には屈しない・・・いいと思いますよ。大衆の味方!悪いこ
とをした奴には容赦しない!って・・・いやいやいやいや。そう
ではないですよね」
井上 「文春にだって正義を貫く奴もいる」
木田 「それは今回はお知り合いが記事の対象だからですか」
井上 「それもある。でも俺の中にも正義感があるんだ」
木田 「嫌だなあ井上さん。そうやって値段を吊り上げようとして」
井上 「ふざけるな」
木田 「いいでしょう。その正義、私たちが買いましょう」
井上 「・・・」
木田 「300万でどうです?」
井上 「やめろ」
木田 「私たちは本気です」
井上 「金額なんて関係ない。大手建設さん、お前らがマーくんをやった
んだろ?」
木田 「人聞きの悪いこと言わないでもらえますか。やってませんよ」
井上 「ウソつき野郎が」
木田 「それに万が一やってても言うわけないじゃないですか。井上さ
ん、この話は闇に葬られるべきなんです」
井上 「警察まで封じ込めやがって。どこまでも汚ねえなお前らは」
木田 「500万」
井上 「・・・俺は札束で顔を引っ叩かれるのが一番嫌いなんだよ」
木田 「1000万出しましょう」
井上 「1000万?」
木田 「札束で顔を引っ叩かれるのはそんなに嫌なことじゃないですよ」
井上 「・・・」
木田 「みんなやってることですよ。この国の常識です」
井上 「腐ってる・・・」
木田 「井上さん、あなたの死体が隅田川で腐ってるかもしれませんよ」
井上 「・・・」
暗転。
■10B 織部印刷工場
仏壇に手を合わせている明日香と雪。
今日子出てきてお茶を出す。
雪 「この度は本当にご愁傷さまでした」
明日香 「お邪魔でしたか」
今日子 「ううん全然。明日香ちゃん、いつでも好きなときに来てくれてい
いのよ」
明日香 「ありがとうございますお義姉さん」
今日子 「南雲先生、政春はどんな先生だったの?」
雪 「織部先生はとてもいい先生でした」
今日子 「どんな風に?」
雪 「常に子どもたちと同じ目線に立って一緒に悩んだり笑ったりでき
る、そんな温かい先生でした」
今日子 「へえー意外。あの政春がねえ」
織部 「今日子!今日子!」
明日香 「?」
そこにやって来る織部。
手には週刊文春。
織部 「大変だ!大変だ!」
今日子 「オサムちゃん」
織部 「あ、ごめん」
明日香 「大丈夫です。すいません」
今日子 「何かあったの?」
織部 「見てみろ。先輩の記事がないんだ」
今日子 「え?」
織部 「あの記事だよ。今日発売の文春に載ってないんだ」
今日子 「え?」
織部 「ホラどのページにもない」
明日香 「あの記事ってなんですか?」
織部 「マーくんが大手建設に殺されたかもしれないって書くって」
明日香 「え?」
今日子 「何かの手違いで来週になっちゃったの?」
織部 「電話してみる」
井上に電話をかける織部。
井上、別の空間に登場する。
井上 「もしもし」
織部 「先輩」
井上 「おお織部か。どうした?」
織部 「先輩の記事って今日発売の文春ですよね」
井上 「あれな、ボツになったんだ」
織部 「ボツ?」
井上 「スマン」
織部 「どうしてですか?」
井上 「申し訳ない。よく分からないんだが、うちにも大手建設の圧力が
かかってるらしい。織部」
織部 「はい」
井上 「残念だがマーくんのリベンジは諦めろ。工場も早々に売ったほう
がいいぞ。大手建設と戦うのは危険だ」
織部 「危険?」
井上 「ああ、とても俺たちに適う相手じゃない」
織部 「だからって諦められることじゃないです。先輩、もう一度作戦会
議しませんか」
井上 「あ、お客だ。じゃあまた連絡するから!」
織部 「先輩・・・切れ・・・てない。切れてないですよ・・・先輩、先
輩」
井上の横に現れたのは木田。
井上 「木田さん、どうしたんですか」
織部 「木田?」
木田 「約束をちゃんと守ってくれたようで」
井上 「当然です。ギブアンドテイクですよ」
木田 「織部さんからは何かありましたか?」
井上 「ああ、たった今ありましたけど、適当にやっときましたから」
木田 「(飲み)軽く行きませんか?」
井上 「いいですね。ちょっと早いけど行っちゃいましょう」
織部 「・・・」
織部、電話を切る。
織部 「・・・」
今日子 「オサムちゃん?」
織部 「え?ああ、なんでもないなんでもない・・・あの話は記事になら
ないそうだ。会社の方針らしい」
今日子 「そう・・・」
明日香 「じゃあ私たちはそろそろ・・・」
雪 「お邪魔しました」
帰ろうとする二人に。
織部 「明日香ちゃん」
明日香 「はい」
織部 「もうここには来ないでくれないか」
明日香 「え?どうしてですか?」
織部 「君の婚約者は死んだんだ。俺たちと君はもう他人なんだよ」
今日子 「オサムちゃん?」
明日香 「嫌です。お義姉さん」
今日子 「ねえ、オサムちゃんどうしたの?」
織部 「今日子はもう君の義姉になることはないんだ」
明日香 「お義兄さん」
織部 「分かってくれ」
明日香 「・・・」
雪 「また二人で来ます」
織部 「だから」
雪 「私は織部先生の同僚です。明日香さんはその友達。いいですよ
ね」
明日香 「南雲先生」
雪 「明日香さん、それでいいよね」
明日香 「うん」
今日子 「オサムちゃん」
織部 「・・・ご自由に」
雪 「ありがとうございます」
今日子 「・・・」
雪 「では、失礼します」
出て行く明日香と雪。
深く頭を下げる今日子。
捌ける。
織部、携帯と文春を前に佇む。
織部 「・・・」
■10C 道
西川が待っている。
西川 「雪」
雪 「コウジ・・・こんなとこでどうしたの?」
西川 「お前を待ってたんだよ」
明日香 「どなた?」
雪 「・・・彼氏」
明日香 「(会釈)じゃあ私は・・・」
西川 「こないだの方ですよね」
明日香 「?」
西川 「記者会見のときに校長に噛み付いた」
明日香 「あの時はすいませんでした」
雪 「そんなことを言いにきたの?」
西川 「違うよ。もっと大切な話だ・・・あなたにとっても」
明日香 「私ですか」
西川 「・・・実は俺、見ちゃったんだ」
雪 「何を?」
西川 「織部先生が亡くなった夜、俺はお前を外で待ってたんだ」
雪 「え?私とすれ違ってたってこと?」
西川 「そう。お前が帰ったのを気付かないで、俺はずっと待ってたん
だ。そうしたら屋上で言い合ってる声が聞こえてきて・・・織部
先生が」
明日香 「(辛い)」
雪 「ちょっと、彼女の前でそういうこと言わないで」
西川 「ごめん」
明日香 「誰だったんですか?」
西川 「え?」
明日香 「マーくんと言い合ってたのは誰だったんですか」
西川 「・・・校長だよ」
明日香 「校長・・・」
西川 「でも屋上にいたのは校長だけじゃない。織部先生が落ちたのを屋
上から見ていたのは4人だった」
雪 「4人?」
ライトチェンジ。
■10D 福沢学園小学校・校内
石原、吉岡、城田。
吉岡 「警察?」
城田 「はい」
石原 「あの件はもう終わったと聞いてますよ」
城田 「何かの確認ですかね?」
石原 「警察はなぜ君のところに?」
城田 「みんなのところに行ってるんじゃないんですか?」
石原 「そうなの?」
吉岡 「いえ。そういう報告は受けていません」
石原 「城田先生、何を聞かれたんですか」
城田 「えーと、あの夜、屋上にいたのは誰だったかとか」
石原 「誰だったと答えたんです?」
城田 「織部先生と石原校長と吉岡先生です」
石原 「バカ!」
城田 「だって3人でしたよね」
石原 「あなたはいないことになっているでしょう」
城田 「はっ!!!」
吉岡 「君はカマをかけられたんだ!」
石原 「あなたは重要参考人になってしまったのよ」
城田 「どうしましょう」
石原 「お金の話はしたんですか?」
城田 「言ってません」
石原 「城田先生、お金の話は口が裂けても言ってはいけませんよ」
城田 「は、はい」
石原 「さっさと帰りなさい」
城田 「はい。すいません」
城田、出て行く。
吉岡 「大丈夫でしょうか?」
石原 「何がですか?」
吉岡 「もし本当のことが分かったら・・・」
石原 「大手建設さんが作ったシナリオが本当のことなんです。肝に銘じ
なさい」
吉岡 「はい・・・」
去る二人。
ライトチェンジ。
■10E 織部印刷工場(深夜)
週刊文春を呼んでいる織部。
しかしどのページにも記事は載っていない。
織部 「・・・」
週刊文春をビリビリと破り始める。
やがて破り終える。
織部 「・・・」
ダダダダダダダッ!工場の輪転機の音がして止まる。
普通に出て来るブレザー姿の政春(幻影)。
政春 「オサムちゃん!」
織部 「マーくん・・・生きてたのか」
政春 「何言ってんだよ。勝手に殺すなよ」
織部 「夢だったのか・・・そりゃそうだよな。ごめんごめん」
政春 「はいこれ」
バラの花束を渡す。
織部 「なにこれ?バラ?」
政春 「そう。オサムちゃん、今日何の日か知ってる?」
織部 「え?何の日?」
政春 「父の日だよ」
織部 「父の日?」
政春 「父の日は感謝を込めてバラをあげるの」
織部 「そうなんだ」
政春 「知らないのかよ」
織部 「・・・何で俺に?」
政春 「お世話になってるからさ」
織部 「でも俺、マーくんの義理の兄だぞ。父の日って・・・」
政春 「いやなら返せよ」
織部 「いやじゃない。貰う」
政春 「ああ」
織部 「ありがとう」
バラをしげしげと眺める。
政春 「オサムちゃん。俺、小学校の先生になろうと思う」
織部 「小学校の先生?何言ってんだよ。もうとっくに先生やってるじゃ
ないか」
政春 「は?」
織部 「だって・・・」
織部、政春が高校生の制服を着ていることに気付く。
織部 「マーくんその服」
政春 「え?」
織部 「え?・・・・いや、いい・・・」
政春 「どうしたの?」
織部 「そっか、マーくんは小学校の先生になりたいんだ」
政春 「うん」
織部 「何で小学校の先生になりたいんだ」
政春 「俺さ小学校のときに父ちゃんと母ちゃん死んじゃったじゃん」
織部 「そうだね」
政春 「俺には姉ちゃんとオサムちゃんがいたから淋しくなかったけど、
そうじゃない子たちもいるじゃん。そういう子たちを先生になっ
て守ってあげたいんだ」
織部 「そっか・・・どんな先生になりたいんだ?」
政春 「悪いことは悪い、いいことはいいってちゃんと教えられる、そん
な先生になりたいんだ」
織部 「マーくんならきっとなれるよ。どんな教科を教えるんだ」
政春 「オサムちゃんバカだな。小学校の先生は全教科教えるんだよ」
織部 「そうなんだ。俺中卒だからさ」
政春 「中卒関係ないでしょ」
織部 「そっか」
政春 「でも姉ちゃんは俺にここを継がせたいんでしょ」
織部 「そんなことない」
政春 「そうかな」
織部 「今日子はマーくんがやりたいことをして欲しいと思ってる」
政春 「だといいんだけど」
織部 「だから、マーくんは先生になれ」
政春 「わかった。俺先生になるよ」
織部 「頑張れ」
政春 「うん。ありがとう」
織部 「でもダメだと思ったらいつでも戻ってきていいから」
政春 「悲観的な言い方するね」
織部 「もしもの話だから。もしも向いてないって思ったらいつでも帰っ
て来いよ」
織部 「俺は全然構わないからな」
政春 「分かった」
政春、工場を眺めて深呼吸をする。
政春 「オサムちゃん」
織部 「ん?」
政春 「俺さ、この工場、この匂いが大好きなんだ。小さい頃からずっ
と、このインクの匂いを嗅いで育ってきたからさ」
織部 「俺もこの匂い大好きだ」
政春 「うん。だからこの工場はずっと続けて欲しいんだ。でも姉ちゃん
じゃここ潰しちゃいそうじゃん」
織部 「お前怒られるぞ」
政春 「だから、この工場、オサムちゃんが守ってくれよ」
織部 「俺が?」
政春 「そう、オサムちゃん」
織部 「わかった」
政春 「姉ちゃんのことも頼んだよ」
織部 「任せとけ」
政春 「ほら、花束も渡したし」
織部 「花束関係あるの?」
政春 「約束だよ」
織部 「男と男の約束だ」
政春 「じゃ、頼んだよ」
織部 「おい、マーくん!おい!」
去っていく政春。
溶暗。
眠っていた織部。
織部の手にはバラの花束が残されている。
織部 「マーくん・・・」
暗転。
<11>に続く
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