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僕は愛されて育児をした


「パパもいつか死んじゃうの?」


「うん、死んじゃうかな。」



「そう‥‥かなしいね。」
と言って、4歳の息子は泣いた。



「ぼくもいつか死んじゃうの?」


「うん、でも長生きしてね。」



「わかったよ。」
と言って、息子はまた泣いた。



その次の瞬間―

「パパ、死んでもいいよ。」

「だいじょうぶ。
ぼく、ずっとパパのこと覚えてるから。」



―瞬時に後悔した。


なぜ親の私が先に言えなかった。
なぜ4歳の息子に先に言わせた。


子供といると、どちらが大切にされて
いるか分からなくなる―


理由がないと笑えない親と、
理由がなくても笑いかけてくれる子。


「パパはいつかいなくなる」と言う親と、
「いなくなっても大丈夫」と言う子―



どちらが愛されているか分からなくなる。

親は子に、無償の愛で接すると言うけれど。

子ほど、無償の愛で接してくれる人に
会ったことがない。



それなら―


この4年間。
彼と出会ってから―



「僕は愛されて育児をした。」