育児の幸せは「めんどくさい。」
朝は保育園に間に合うように準備をして、
急いでいるのに歌を歌わされ―
「もうめんどくさい。」ってなる。
車内はアンパンマンマーチが流れ、
何度もリピートさせられて。
聞きたい曲は他にあるのに―
「もうめんどくさい。」ってなる。
休日は公園。
「帰るよ」と言うと泣かれ。
行きたい場所は他にあるのに―
「もうめんどくさい。」ってなる。
夜は手を繋がないと寝ないから、
順番に手を繋いでやり。
一人で寝たい日もあるのに―
「もうめんどくさい。」ってなる。
でも、いつか―
彼らの温かい歌声は聞けなくなり、
泥だらけの靴を見ることもなくなり、
夜に繋いでくれた手のぬくもりを忘れた時。
めんどくさくても良いから、
「もう一度、ヘタな歌を聞かせてください。」
と、思うのだろう。
めんどくさくても良いから、
「もう一度、手を繋いで寝てください。」
と、思うのだろう。
めんどくさくても良いから、
「もう一度、めんどくさい育児をさせてください。」
と、思うのだろう。
もしかしたら―
幸せは「幸せ」ではなく、
幸せは「めんどくさい」のかもしれません。
さて、今日も喜んで―
「めんどくさい。」