見出し画像

金木犀は嫌いでは無いのだけれど

金木犀は嫌いでは無いのだけれど、
窓を開けて車を走らせているとどこかから香るほどつよ〜い香りで「もう夏終わったんだな」と思う。

矢沢永吉の「夏の終わり」はまだ暑さが残る風だけど、もう金木犀になると、この「夏の終わり」は暑苦しくて聴けないのだ。

潰れかけのリサイクルショップで買ったガラスのカップで金木犀の花の色のゼリーを作ってみても、涼し気ではなく、口の中が酸味と冷たさで目の付け根がつんとして上を見上げてしまう。

初めて一人暮らしをしたときに初めて買った芳香剤が金木犀だった。目を大きく開けて包装を開けて、よし、これでよしと空間を密閉。
当時はユニットバスで、2時間後に咽びながらシャワーを浴びました。湿気った香りが充満して、ミドルノートもラストノートもクソも無かったよ。

実家の庭に植えられた金木犀が咲くと、幼い頃は嬉しかったな。黄色味がかった橙の色が元気をくれて、庭の発色が良くなった気がしてね。
あの濃い色の葉っぱと花の色のコントラストがとても好き。
生命力と押し付けがましさ、自分は自分、という感じがとても好き。

たまに香りを嗅ぐから良いものを、家の中に置くもんじゃないね。


私は、通勤路の金木犀の前を通るとふわぁっと香るくらいの距離感が丁度いいな。

毎日香るけど、休みの日もあるよ。
休み明けは、「あぁ、忘れてた。良い香りだなぁ。今日も頑張ろう。」って新鮮に香るよ。

もっと自分の個を極めて主張して
金木犀みたいな人になりたいなぁと思ったのでした。

のぶこ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?