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お別れホスピタルを見て

NHKの連続ドラマ、お別れホスピタルを見た。

舞台は療養病棟で、主人公の看護師さんがいろんな形のお別れを経験して、死と向き合っていくストーリー。土曜の連続ドラマで、すごく見応えがあって「わかる!」ってなる部分が多かった。

印象に残ったのは、大切な人の生死の判断を家族が委ねられる場面。

夫が認知症になり人が変わってしまった。肺炎を起こして危険な状態に陥った時、妻がこのままでお別れしたくない、優しい夫のまま死んでほしいと願い呼吸器をつけた。

延命をしたのは自分のエゴだったと悩む中で、自分がいなくても病院のスタッフが夫を看取ってくれると悟り夫より先にこの世を去る妻・・・。

生死の不条理と正解の無さ。でも、高齢化社会では今この瞬間もそんなことが当たり前に起きてる。
高齢化社会は多死社会でもあるから、もっともっと色んな問題が出てくるんだろうな。

私も療養病棟ではないけれど、障害者病棟というところ、元気に退院していく患者さんはいないところで働いている。
入院中に亡くなったり障害を抱えて生きている患者さんばかりなので、生死と向き合っている日々ですね。

逆に、「お別れホスピタル」の中でうーんと思ったところは、看護師さんたちが揃ってナースステーションにいてナースコール対応をしていたり座って記録をしていたり、定時で上がっている姿。

医療ドラマ全般で言えることだけど、あんなに座ってられないよ!患者さんのことを立ち止まって考える時間ないよ!と思った。

と同時に、マンパワーが足らなくて、時間に余裕がなさすぎて、患者さんのことをゆっくり考えたり見れてないなーって客観的に気付きました。

時間内に決められた業務をするのが看護では無いんだよね。限られた時間の中で自分が良いと考えたことを患者さんのためにやる、創造的な仕事というのが看護だと私は思う。

看護の相手は人だから、ケアをする人の心持ちが問われるし、時間的な余裕はケアの質を左右すると思う。

私の職場は、どんどん看護師さんたちが辞めていくけれど、家の事情や人間関係以外の要因があるんじゃないかなと思えてきてならない。

やることが多くて時間に余裕がないこととか、自分の創造的な看護ができないこと、やりがいが感じられないことが、離職の原因になっているんじゃないかなと今は考えてる。

タスクシェアとか、AI化とか言われているけれど、そうするとどんどん看護の仕事の見ぐるみが剥がされて、これまで以上に看護の本質や専門性、個人個人の看護観が問われるところがあると思う。

忙しさにかまけて、看護の仕事を見失っていないか?

いろんな人との関わりを通して、看護の本質や専門性を自分がどう表現できるか考えていきたい。

のぶこ

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