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学校教員が生徒に教えることができない科目

宮崎の商業高校では、「マーケティング」という科目があります。

マーケティングとは わかりやすく言うと
「売り上げを上げる流れを作る事」である。

経営者である私でも現在勉強している難しい内容である。

私は小さな工務店を経営している。
理想の家造りを提案し設計して建築する。

昔は大工さんにお願いしていた時代が
今はハウスメーカー・建設会社・工務店と沢山会社があり
昔ながらのやり方ではなくなっている。

例えば 家造りには
・家造りの会社を探し相談に行くまでのストーリー
・相談しながら設計図が完成するストーリー
・家が完成して生活が始まるストーリー

私たちは、お客様が何を求めているのか?
を考え提案し商品を購入してもらう。

集客⇒販売⇒商品⇒運営
という流れを作らなければならない。

ラーメン屋さんを始めたい!と思った場合
どのように計画するか?

1:俺が作るラーメンは自信があるのでそこから始める
2:有名なフランチャイズチェーンのラーメンから始める
3:行列のできるラーメン屋に修行に行ってから始める

しっかり「マーケティング」を勉強してからでないと
すぐに閉店しないといけなくなる。

それを考えると宮崎商業高校は凄いと思う。
自分も授業に出たいくらい素晴らしい事を学んでいる。

でも先生方の中に現場に出てお客様に営業したり
商品を売ったりすることはできない為
私たちのような実際に経験をしている企業や専門講師をお招きして
宮崎商業高校の生徒さんや先生方に講演をしている。

では講演をして頂いた先生の事や私が実際に体験した「貿易事業」について紹介しましょう。

学校の教材の科目に「貿易」の専門書があるのはびっくりである。
マーケティングと貿易は深い繋がりがある。

宮崎商業教育研究会の講演
インポートプレナー最高顧問ジェトロ認定貿易アドバイザーの大須賀祐先生をお招きして貿易の事について2024年に講演会を開催。

大須賀先生と私の出会いは、ドイツのフランクフルトでした。

私の仕事は、デザイン設計から建築見積をしインテリア家具までの提案を考えなければならない。インテリアコーディネーターでもあります。
建築資材のほとんどは輸入品でもあるため、コスト削減を計画しインテリア商材や建築資材の輸入を自社でできないか大須賀先生に相談したのである。

大須賀先生との待ち合わせ場所は 
世界最大級の見本市 メッセ・フランクフルトの会場だった。
世界各国から3500社集結し、建築資材・インテリア商材・家具・雑貨など
まだ世に出ていない最先端の商材や商品が集まっている。

メッセ・フランクフルト 国際展示場

ここで何が行われているのか?
私が貿易事業ができるのか?
何を仕入れれば良いのか?

不安と期待に揉まれながら宮崎から1人でドイツに向かったのである。

貿易とは、お金がない時代から始まっており
わかりやすく言うと「物々交換」である。

漁業をしている方は魚をいっぱい持っている。
農業をしている人は農作物をいっぱい持っている。

違う物を持っている同士が交渉をし交換する事で繫栄してきたのである。


ではこの会場に来たら私は何をすれば良いのであろうか?

物々交換と同じく、私の会社である「佐藤建設」と仕事ができる
パートナーを見つけることが目的である。

どれだけ歩いたかわからないぐらい1週間展示会場を周り
3500社いる中でパートナー探しをしていた。

ではどんなものを探せば良いのであろうか?

・私が素晴らしいと思った商材
・日本で売れている商材
・人が群がっている商材
・日本よりも安いと思った商材

などなど色んな考えがあるが全てNGである。

ここに「マーケティング」が加わる事を考えなければならない。

異文化を理解し、宗教・風俗・習慣・考え方を尊重し文化の理解も
必須な事である。

会場に着くまでにどれだけリサーチをしてきたか?
どんなリサーチが必要なのか?
どんな情報収集を行ってきたのか?
などなど
このリサーチ内容が「鍵」である。

教科書通りやマニュアル通りにはいかない部分を実体験したことで
貴重な体験と深い学びになった。

貿易という言葉は「マクロ」であり
分解する事で沢山の「ミクロ」が出てくる。

どのように分解し、どのように活かして行けば良いかなど
まとめていかなければならない。

沢山お伝えしたいことはあるが、言葉では伝わりにくい事が
多いためこの辺で締めくくります。


色んなお話を聞いてもらう事で生徒さんが就職した後も活かせるように
心に残る講演内容にしていきたいと思います。


                 佐藤建設株式会社 佐藤光輝



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